防衛省・東北防衛局がおくる日本の防衛Q&A
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(10月放送内容)



 

テ−マ:104移転訓練について

 
 

パーソナリティー:
 本日は、東北防衛局企画部地方調整課の昆野さんからお話を伺います。
 よろしくお願いいたします。

昆野事務官:
 地方調整課で基地対策業務を担当している、昆野麻央です。
 採用2年目で岩手県の北上市出身です。
 よろしくお願いします。
 

パーソナリティー:

 はい、採用2年目なんですか。フレッシュあふれる昆野さんに今日はお話しを伺いたいと思いますけれども、今日は、どのようなことが聞けるのでしょうか。
  

昆野事務官:

 今日は、宮城県にある王城寺原演習場で行われている、沖縄にいるアメリカ海兵隊による射撃訓練についてご紹介したいと思います。


パーソナリティー:

 アメリカの海兵隊の射撃訓練ですか。どうして、沖縄の海兵隊が、わざわざ宮城県に来て射撃訓練をするのですか。

昆野事務官:
 その理由を説明する前に、突然ですがクイズを出題してもいいですか。
 

パーソナリティー:

 あ、はい。答えられるでしょうか・・・。

昆野事務官:
 では問題です。沖縄県の面積は、日本全体の面積の約0.6%しかありませんが、全国にある米軍施設の約何パーセントが沖縄県にあるでしょうか。

パーソナリティー:

 う〜ん。難しいですねえ、見当もつきませんが、およそ半分、50%くらいですか。

昆野事務官:
 ブブー!違いますね。

パーソナリティー:

 それじゃあ、およそ60%!

昆野事務官:
 もう一声!

パーソナリティー:

 およそ70%!

昆野事務官:
 正解です!


パーソナリティー:

 え、そんなにあるんですか!?

昆野事務官:
 はい。沖縄県には全国にある米軍施設の約70%が集中しているんです。王城寺原演習場で行う射撃訓練は、たくさん米軍施設があることによる沖縄の皆さんの負担を軽くするための取り組みの一つでもあるんです。

パーソナリティー:

 そうなんですね。

昆野事務官:
 この射撃訓練は、かつて沖縄本島の真ん中らへんにあるキャンプ・ハンセンという基地で行われていました。しかも、この基地を横断する沖縄県道104号線をまたぐ形で射撃が行われていたんです。

パーソナリティ:
 県道をまたいでの射撃ですか!?そんな危険な訓練を沖縄で実施していたのですか。

昆野事務官:
 もちろん、訓練の時は危ないので、県道を通行止めにしていましたが、騒音や振動とか射撃そのものによる問題と、地元にとって大切な道路が、訓練の度に閉鎖されてしまうという問題もありました。  


パーソナリティ:

 確かにそうですよね。訓練の度に道路が閉鎖となると、周辺住民の方々の日常生活にも支障が出ますよね。

昆野事務官:

 はい。そういった問題から、地元にはこの訓練を何とかしてほしいといった強い要望がありました。これを受けて、日本とアメリカで話し合いをして、平成8年にこの訓練を日本の本土へ移転することが合意されたんです。この合意に基づいて、平成9年から本土にある5つの自衛隊の演習場において、周辺自治体の了解をいただいたうえで訓練を実施しています。

パーソナリティー:

 その5つの内の一つが王城寺原演習場ということなんですね。東北地方も沖縄の負担を軽くするために貢献しているんですね。

昆野事務官:
  はい!そのとおりです。


パーソナリティー:

 では、王城寺原演習場で行われている海兵隊の射撃訓練について、詳しくお話を伺っていこうと思います。今年は10月〜12月の間で行われる予定と聞いていますが、この訓練は、どのくらいの頻度で行われているんですか。

昆野事務官:
 基本的には、年に4回、5つの演習場のうちの4箇所で実施しています。王城寺原演習場については、平成9年以降、今年で19回目の実施になります。

パーソナリティー:

 この訓練には、どのような部隊が参加しているのですか。

昆野事務官:
 沖縄にある第12海兵連隊から中隊レベルの部隊がやってきます。
 と、聞いてもピンとこないですよね。第12海兵連隊とは、沖縄県にあるキャンプ・ハンセンにいる砲兵部隊になります。砲兵というのは文字通り、火砲、大砲ですとか、ロケット、ミサイルによる攻撃をする部隊です。

パーソナリティー:

 砲兵ですか。屈強な人を想像しますね。実際に部隊の人たちにお会いしたことはありますか。

昆野事務官:
 もちろんです。昨年の訓練の時に、隊員たちに声をかけて、年齢を聞いてみたんですが、ほとんどが20〜22歳で自分と同じ年齢の隊員が多くて、びっくりしました。とてもキラキラ輝いてました。


パーソナリティー:

 そんなに若い隊員が祖国を離れて、遠い地で訓練を重ねているんですね。その隊員たちは、この訓練でどのようなことを行っているのですか。

昆野事務官:
 訓練の中心は、155ミリりゅう弾砲の実弾射撃です。りゅう弾とは地面に落下した時に爆発するものです。155ミリというのは大砲の大きさのことで、これは弾の直径と同じと考えていいかと思います。約15センチというと、だいたいスマホの縦の長さより少し大きいくらいですかね。


パーソナリティー:

 なるほど。弾の大きさは何となくイメージできました。
 この訓練は沖縄の負担を軽くするための訓練ということですが、一方で、この訓練を受け入れることになった王城寺原演習場の周辺住民の方々には、キャンプ・ハンセン周辺の住民と同じように騒音や振動、万が一の事故という不安があると思いますが。

昆野事務官:
 おっしゃる通りで、王城寺原演習場の周辺自治体や住民の皆さまにはご負担をかける結果となっています。こうした地元住民の不安やご負担を軽くするために、東北防衛局は様々なレベルで演習場がある地元自治体の皆さまや関係機関の方々ときめ細かな調整を行って、地元の皆さまのご理解をいただいたうえで実施しています。

パーソナリティー:

 そうなんですね。では、訓練が始まると、東北防衛局はどのようなことを行っているんでしょうか。

昆野事務官:
 はい。訓練期間中は、王城寺原演習場内に「現地連絡本部」を設置し、職員20〜30数名が交代で勤務し、地元自治体や関係機関への情報提供はもちろんですが、演習場周辺の見回りを行って地元住民の安全を確保し、不安をなくすための活動を行っています。また、当然のことですが、海兵隊とも毎日調整を行って、訓練が安全に円滑に実施できるように努めています。


パーソナリティー:

 地元住民の皆さんの不安をなくすために様々な活動をしているんですね。ところで、地元自治体や住民の方々が海兵隊と交流することはあるんでしょうか。

昆野事務官:
 はい。もちろんあります。例年ですと、海兵隊の指揮官が、直接、地元の自治体へ訪問し、安全に配慮した訓練を行うことなどを説明しています。また、訓練が終わった後は、地域への貢献や交流活動の一環として、海兵隊の隊員が地元の福祉施設を訪問してボランティア活動を行っています。


パーソナリティー:

 海兵隊も様々な活動を通して、地元自治体や住民と交流しているんですね。

昆野事務官:
 はい。訓練の円滑な実施のためには、地元自治体と住民の皆さまのご理解は重要ですからね。


パーソナリティー:

 この訓練実施に向けて、東北防衛局として、多方面からの調整と活動が行われていることが分かりました。
 今年も無事、訓練が実施されることを祈っています。
 本日は、東北防衛局の昆野さんにお話を伺いました。ありがとうございました。

昆野事務官:
  こちらこそ、どうもありがとうございました


パーソナリティー:

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