那覇港湾施設代替施設建設事業

那覇港湾施設の移設について

画像は那覇港湾代替施設の浦添ふ頭地区への移設完了後のイメージ図であり実際とは異なる可能性があります。


令和6年11月15日更新

那覇港湾施設の移設の必要性

米軍那覇港湾施設の浦添ふ頭地区への移設が進んでいます。

 那覇港湾施設は、那覇空港の近く、那覇港内に位置し、現在まで米陸軍の港湾施設として提供されており、その地理的位置から跡地利用のポテンシャルが高く、その返還は沖縄県全体の発展に資することが期待されています

 1974年1月には、移設条件付きでの全部返還が日米両国政府間で了承され、1995年5月には、同じ那覇港内の浦添ふ頭地区への移設が日米両国政府間で合意されました。

 その後、2013年4月の「沖縄における在日米軍施設・区域に関する統合計画」において、返還の具体的な条件が確認されました。

 ■返還条件:浦添ふ頭地区に建設される約49ヘクタールの代替施設への機能の移設
 ■返還時期:返還条件が満たされ、必要な手続の完了後、2028年度又はその後に返還可能


                

⇨  したがって、返還条件である浦添ふ頭地区における代替施設を速やかに建設し、50年来のプロジェクトである那覇港湾施設の返還を早期に実現する必要があります。

代替施設の概要(位置・形状)

浦添ふ頭地区への移設は、地元のみなさまに相談しながら進めています。

 代替施設の位置・形状については、国、沖縄県、那覇市、浦添市等で構成する「那覇港湾施設移設に関する協議会」※において議論を行ってきました。
 
 ※国側の構成員:防衛省(主宰)、内閣府、国土交通省
  地元側の構成員:沖縄県、那覇市、浦添市、那覇港管理組合

 代替施設の位置・形状は、
①民港と一定の距離を確保する
②「自然的環境を保全する区域」と重複しないことなどを考慮・検討し、2022年10月の第29回「移設協議会」において説明し、全ての構成員が米国政府との調整作業の方向性を確認した上で、2023年4月20日に日米両国政府間で調整・合意を行ったものです。



  • 第29回「移設協議会」の様子 (オンライン開催)

代替施設の概要(機能)

代替施設の整備は現在の施設の機能維持を目的としています。

 代替施設は、現在の那覇港湾施設の機能を維持する形で整備します。この前提のもと、米国政府と調整を行い、17件の建物・工作物などを整備することとしています。

                

⇨  具体的には、事務所、倉庫、食堂、消防署などが配置される予定であり、これらは現在の那覇港湾施設に機能が所在し、その機能を維持するために必要なものであることを日米両国政府間で確認しています。

周辺の環境の保全

移設にあたっては、環境にもしっかり配慮します。

 これまで、様々な場において地元のみなさまからいただいた環境への配慮に関するご意見を踏まえ、代替施設の位置・形状については、環境保全の観点からも検討を行いました。引き続き、周辺の環境の保全に十分配慮しながら代替施設の建設を進めてまいります。

  • 代替施設の位置・形状
     代替施設については、自然的環境を保全する区域を避けるとともに、港湾内の潮流等に配慮する観点から、沖合に配置しました。
     また、
    代替施設の進入道路についても、橋梁構造とすることを検討
    ています。



  • 工事や供用時における環境への配慮
     環境影響評価において、調査・予測・評価を行い、サンゴを含む海洋生物への影響、工事に伴う騒音や振動を軽減する工法を検討するなど、適切に対応してまいります。



地元への影響を緩和する取組

移設先である浦添市の振興については、国、沖縄県、浦添市が一体となって取り組みます。

 代替施設の移設に伴う浦添市の振興については、2001年より、国、沖縄県、浦添市で構成する「那覇港湾施設移設受入に関する協議会」(※)において議論を行ってきました。
(※)国側の構成員 :防衛省(主宰)、内閣府
   地元側の構成員:沖縄県、浦添市

 2023年10月には10年ぶりに受入協議会を再開し、協議会の名称を改称することを確認しました。
 2024年4月には、新名称となった第1回「那覇港湾施設移設に係るてだこの都市・浦添の振興に関する協議会」を開催し、国と地元が一体となって浦添市の振興に取り組むことを改めて確認しています。

 【第1回「てだこ協議会」の主な確認事項】
 ①浦添市から、牧港補給地区の跡地利用というポテンシャルを秘めた西海岸周辺エリアを含む、市の全体的なまちづくりを目指した事業計画案の
  実現に向け、令和6年度より、西海岸周辺エリア及び内陸エリアの基本構想策定事業を行う旨、説明。
 ②協議会において、浦添市による事業計画案の具体化の取組に前向きに協力していくことを確認

⇨  防衛省としては、地元の御要望も踏まえつつ、引き続き、てだこ協議会を開催し、関係省庁とも連携の上、代替施設の移設先である浦添市の取組に最大限協力してまいります。
 


  • 第1回「てだこ協議会」の様子
    (国側:防衛省、内閣府、国土交通省)


  • 第1回「てだこ協議会」の様子
    (地元側:沖縄県、浦添市、那覇港管理組合)

             ※国土交通省及び那覇港管理組合はオブザーバーとして参加

Q&A

Q1 那覇港湾施設は遊休化しており、移設せずとも返還すべきではないのですか?

A. 那覇港湾施設は平素から使用されているものと承知しています。また、移設を進めることが那覇港湾施設の返還に向けた早道だと考えています。

 那覇港湾施設は、平素から実際に使用されており、遊休化していないものと承知しています。また、大規模な災害が発生した時など、人々のいのちや暮らしを守るための対応が求められるような事態が起きた際の使用も当然に想定されています。
 防衛省としては、「沖縄統合計画」に定められている那覇港湾施設の返還条件である浦添ふ頭地区に建設される代替施設への機能の移設を進めていくことがその返還に向けた早道であると考えており、引き続き、その返還に向け、全力で取り組んでまいります。

Q2 浦添ふ頭地区など那覇港の整備に支障はないのですか。

A. 民港の形状案と代替施設の位置・形状案との整合が確認されています。

 代替施設の位置・形状は、那覇港を利用する船舶と代替施設の艦船が双方の航行を妨げることがないよう、那覇港との間に一定の距離を確保することなどが考慮されています。第29回「移設協議会」においても、民港の形状案と代替施設の位置・形状案との整合が確認されています。
 また、浦添ふ頭地区において浦添市などが事業を進めている「交流・賑わい空間」と代替施設やその進入道路が重ならないことを確保する形で今後の検討を進めていきます。

Q3 埋立面積は縮小できないのですか?

A. 代替施設には約49ヘクタールの面積が必要であり、これは現在の施設の機能の維持に必要な面積です。

 現在の那覇港湾施設の面積は約56ヘクタールですが、代替施設の面積については、約49ヘクタールとされています。

 これは、2006年5月の日米再編ロードマップにおいて、牧港補給地区が全面返還とされたことに伴い、それ以前の計画では牧港補給地区に置くこととされていた集積場を代替施設に含めることとなったことから、追加的な集積場を含む代替施設について日米間で協議を行った結果として、日米両国政府間において2007年12月に合意されたものです。

 この合意に至る過程では、代替施設の面積が約49ヘクタールになることなどについて、当時(2007年8月)の「移設協議会」において沖縄県、浦添市などにも説明し、現在の那覇港湾施設の機能維持を目的としているものとしてご理解をいただいています。

 その上で、2023年4月の日米両国政府間の合意においても、2021年5月に開催された第27回「移設協議会」において那覇港管理組合より示された那覇港の形状を踏まえつつ、現在の那覇港湾施設の機能維持を目的とした代替施設について検討してきたところ、その面積については2007年12月の日米合意及び2013年4月の「沖縄統合計画」にある約49ヘクタールが必要との結論に至ったものです。

 なお、代替施設の検討にあたっては、環境の保全に十分配慮して行う考えであり、環境影響評価の中でも、那覇港湾施設の移設事業が環境の保全に十分配慮して行われるよう、適切に対応してまいります。

Q4 空母や原子力潜水艦が寄港することはあるのですか?

A. 代替施設の目的は現在の施設の機能維持であり、空母や原潜を運用する計画があるとは 認識しておりません。

 現在の那覇港湾施設は、沖縄とほかの地域との間で、米軍が必要とする貨物や人員を艦船で輸送するための積み下ろしなどを行う機能を担っているものと承知しています。

 代替施設は、この機能の維持を目的としており、代替施設において、空母や原潜を運用する計画があるとは認識しておりません。

今後の流れ

環境影響評価手続と並行して、調査・設計を進めていきます。

おわりに

 那覇港湾施設の跡地利用は、那覇市のみならず、沖縄県全体の振興にも寄与するものです。したがって、那覇港湾施設の返還を早期に実現する必要があります。

 同時に、移設を受け入れていただく浦添市のみなさまへの影響を最小限にすることも重要です。

 防衛省としては、代替施設と浦添市などが整備中の交流・賑わい空間が調和し、西海岸周辺エリアにこれまで以上に賑わいが生まれる未来を目指しています。引き続き、地元のみなさまにも丁寧に説明しつつ、移設に向け、全力で取り組んでまいります