第10代青森地方協力本部長(第34代部長)


新年あけましておめでとうございます。併せて旧年中に賜りました当協力本部の活動に対する御理解と御支援、御協力に厚く御礼申し上げます。

さて、一昨年2月に始まったロシアによるウクライナ侵略は未だ先が見通せない状況にあるとともに、約40年間続いた米ソ冷戦の終結後、その後の約30年間の「ポスト冷戦」という過渡期は完全に終焉を迎えました。そして、力による一方的な現状変更を試みる勢力と法の支配に基づく国際秩序の維持を図る勢力が対峙する、国家間の競争・紛争・戦争が主要な議題となる時代が到来しました。加えて、東北地方を見渡せば気候変動に伴う風水害の頻発や海溝型地震の発生確率も30年以内に60%程度との予想もあり、防衛省自衛隊の果たすべき役割と責任はより一層重いものとなっております。このような情勢下において急速に進む人口減少、特に青森県は人口減少率や人口に占める15歳未満の子供の占有率が全国ワースト2という状況、更には進学率、有効求人倍率の上昇や民間企業の処遇改善、採用強化により、厳しい募集環境に一層の拍車が掛かっております。そのような環境において当本部は主に国民の安全と安心に資する活動を担う隊員の『募集』『就職援護』に皆様の御支援、御協力を得つつ取り組んでいるところ、特に募集に関して申し上げれば、非任期制『一般曹候補生』及び任期制『自衛官候補生』の志願状況が昨年度比それぞれ約80%、約75%と激減しており、本傾向が進行すると防衛/災害上の事態に間隙が生じる可能性も否定できません。ゆえに、この現状を打破し所要の人員を得るために東北6県中『地の利、人の利』に最も恵まれた本部として、全力を尽くすことは当然のこと、併せて皆様方のお力が是非とも必要、否、お力添えなくして達成は困難と考えております。また、各種不祥事が報道され、不安感と御心配を御掛けし大変心苦しく感じているところではありますが『ハラスメントを一切許容しない組織環境』の構築のために徹底して取り組んでいる証左であり御理解を賜ればと考えております。

加えて、人的資源の安定的確保のためには、その処遇の一つである、任期制隊員の就職援護を当該隊員の満足度に配慮した上で、企業の皆様方と連携しつつ、採用から再就職というサイクルを適切かつ恒久的に回すことで、当該隊員、企業、防衛省・自衛隊及び地域等の間で人的資源の還元という『WIN WIN』の関係を構築していく必要性があるものと考えております。引き続き、雇用頂く企業様と再就職した隊員の双方に満足頂けるよう努力してまいります。

最後になりましたが、皆様そして御家族様の御多幸と御健勝を祈念して新年の御挨拶とさせていただくとともに、本年も職員一同、『情熱』と『工夫』をもって各種業務に取り組んで参りますので引き続きの御支援、御協力の程、宜しくお願い申し上げます。


自衛隊青森地方協力本部長
1等海佐 渡邉 雄一