海上自衛隊幹部学校

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 米海大ナウ!

 ソクラテス・メソッド

(054 2016/03/28)

米海軍大学   客員教授
1等海佐    下平   拓哉

【ソクラテス・メソッドを実践中】

   「統合軍事作戦(Joint Military Operations:JMO)」のセミナーにおいては、自己の考え方や経験について、オープンかつ積極的に共有することが重要と考えられています。そのためにJMOでは、ソクラテス・メソッド(Socratic Method)をよく用います。JMOのシラバスにおいて、セミナーを成功させるための手法として次のようにソクラテス・メソッドが紹介されています。
   最も重要なことは、「いい質問」をすることです。次に「いい質問」には、十分な準備が必要です。必要な準備とは、膨大な必読文献を読み込み、自己の経験を交えて考え、自己の考えをまとめることを通じて、はじめて「いい質問」が浮かび上がります。
   また、JMOのセミナーにおいては、「三分の一」ルールと言うのがあり、セミナーの目的を達成するためには、次の三つが不可欠とされています。第一に、セミナーの目的と主要な議論のポイントが明記された洗練されたシラバス。第二が、セミナーの目的に応じた適切な必読文献の提供と議論の活性化を促し方向付けするモデレーター。そして最も重要な第三が、学生の積極的な参加です。将来の安全保障を担う米海大学生は、より厳しい将来に備えるために「クリティカル(批判的)」かつ「クリエイティブ(創造的)」な考え方を身につけることが強く求められ、そのためには活発で積極的なセミナーが必要と考えられています。
   

(2016年3月19日記)