掃海隊群について

群司令・先任伍長挨拶
掃海隊群司令  海将補 池内 出(いけうち いずる) 
 
掃海隊群先任伍長    海曹長  小笠原 教宏(おがさわら のりひろ)
 掃海隊群は、これまで、主として機雷戦を担当した部隊でありましたが、我が国を取り巻く国際情勢の変化に対応するため、平成25年8月に水陸両用戦を担当することとなって以降、平成28年7月に護衛艦隊から第1輸送隊及び第1エアクッション艇隊が掃海隊群に編入され、水陸両用にかかる能力が集約されてきました。また、隷下に新たに水陸両用戦・機雷戦戦術支援隊(横須賀)及び呉水陸両用戦・機雷戦戦術分遣隊が新編され、水陸両用戦に関わる各種支援、FFMにかかる教育訓練等の機能が付加されました。
 現在では、水陸両用戦としての能力を構築し陸上自衛隊水陸機動団をはじめ、航空自衛隊及び米海軍・米海兵隊との協同/共同での訓練を実施又は参加することにより、水陸両用戦にかかる緊密な連携を図っております。
 掃海隊群各部隊の隊員の士気は高く、各掃海隊は、戦後脈々と受け継がれてきた掃海技術を進化させ、困難な任務であっても「創意工夫」により、任務を完遂する強い意志を持ち合わせています。また、第1輸送隊は、水陸両用戦の根幹となる統合運用の重要性を自覚し、平素から「意識改革」を推進し、同作戦を完遂するための戦術を自ら作り上げたという誇りと自信を持っております。各部隊の隊員は、このような自負を持ち、任務遂行のため昼夜を問わず日々の訓練に臨んでいます。
 最後に掃海隊群先任伍長として、先輩方から受け継がれた伝統及び技術を次なる世代へ継承していくとともに、刻々と変化する世界情勢に合わせた新たな装備への対応、各部隊における練度向上が私に与えられた責務と自覚し「すべては国民のために」という言葉を心に刻み信頼と期待を裏切ることのない部隊を維持できるよう貢献していきますので、今後もご支援、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

                            掃海隊群先任伍長
                            海曹長 小笠原 教宏  
・出身 広島県広島市  
・学歴 広島県立安芸高校(普通科)
・期別 呉教育隊第293期練習員(H3.4.5)
・趣味 ウォーキング 野球

略 歴
平成3年8月   第22護衛隊 『みねぐも』
平成7年6月   第44護衛隊 『やまゆき』
平成11年3月   練習艦 『しまゆき』
平成12年3月   第8護衛隊 『いなづま』
平成16年6月   第1術科学校教育第1部 船務科教官
平成20年3月   第4護衛隊 『さみだれ』
平成20年8月   第4護衛隊 『いなづま』
平成25年12月 第1輸送隊 『しもきた』
平成30年8月  『しもきた』先任伍長
令和2年1月  『第1輸送隊』先任伍長
令和4年12月  現 職
掃海部隊の紹介
掃海隊群ロゴマークについて                           「令和」という新しい時代が幕を開けた今、掃海隊群は、新たな時代のニーズに適合した部隊へと更なる進化を遂げる時期に来ています。「令和の時代に相応しい掃海隊群」を創り上げるための「旗印」として、この度、掃海隊群のエンブレムを新しくしました。
 新エンブレムは、これまでのエンブレムのデザインである「機雷」を鷲掴みにする「竜」を受け継ぎつつも、三つの頭を持つ「竜」をモチーフに新たな時代を翔ける掃海隊群を表現しています。
 三つの頭を持つ竜には、二つの意味が込められています。その第1は、陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊の「3」自衛隊による「統合」を表現しています。その第2は、掃海隊群が担任する「機雷戦」と「水陸両用戦」という2つの「戦い(任務)」に加えて、それ以外の事態にも果敢に挑む我々の気概、すなわち「挑戦」という三つ目の「戦い(任務)」を表しています。
 また、エンブレムに記された「守護」の文字は、掃海隊群が担当する「機雷戦」による我が国の海上交通の保護、そして、「水陸両用戦」による味方部隊の安全な任務遂行を意味します。
 我々は、このエンブレムに込められた意味を胸に刻み、陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊による「統合」を推進する原動力となるとともに、「機雷戦」と「水陸両用戦」に加え、あらゆる任務に果敢に「挑戦」し得る「精強性」と「即応性」を有する部隊を錬成し、もって国民の皆様の御負託に応える所存でありますので、今後とも御支援と御協力を賜りますようお願い申し上げます。
掃海隊群の誕生
 昭和29年7月に自衛隊が発足、同年10月に防衛庁長官直轄部隊として第1掃海隊群が新編され、更に昭和36年には自衛艦隊の下に第2掃海隊隊群が新編、昭和44年には第1掃海隊群も自衛艦隊の下に編入されました。これ以降、第1掃海隊群は主に業務掃海と諸訓練を、第2掃海隊群は主に戦術その他の研究開発を担当しました。
掃海隊群は平成12年3月に第1掃海隊群と第2掃海隊群が1つに集約されて誕生した部隊です。
掃海隊群の保有艦艇
平成28年7月1日付で掃海隊群(司令部・横須賀)は新たな部隊改編を実施しました。
その一つは、大型輸送艦3隻で編成する第1輸送隊(呉)を隷下に編入するとともに、司令部要員の増員を得て、海上自衛隊で唯一の「水陸両用戦部隊」となったことであり、これにより従来にも増して、陸上自衛隊水陸両用部隊や航空自衛隊、更には米海軍・海兵隊とともに様々な訓練に参加するようになりました。
一方で機雷戦部隊も第1及び第3掃海隊において、掃海母艦と掃海艦艇を組み合わせた隊編成とする改編を実施し、機雷戦部隊の運用効率向上を図っています。

 掃海隊群の保有艦艇 (令和6年3月21日現在)                
■掃海母艦:「うらが」型×2隻
■掃海艦: 「あわじ」型×3隻
■掃海艇: 「すがしま」型×1隻
■掃海艇: 「ひらしま」型×3隻
■掃海艇: 「えのしま」型×1隻
■輸送艦: 「おおすみ」型×3隻
■エアクッション艇:「1号」型×6隻
任務・訓練等
戦後の日本の沿岸海域には米国が敷設した約10,700個の機雷と日本海軍が防御用として敷設した約55,000個の機雷が残存していました。これらの機雷による船舶の沈没などの被害から海上交通の安全を確保することが、わが国復興上の急務とされ航路啓開業務が行われました。
昭和25年には連合軍の要請により朝鮮戦争で敷設された機雷の除去に派遣され、平成3年には湾岸戦争後のペルシャ湾掃海作業のため、自衛隊初の国際貢献として海外に派遣されるなどの活動をしてまいりました。
また、大型掃海母艦の特性を活かし災害時の物資補給や掃海艇等の機動性を用いて捜索救援に従事しております。
平成20年3月、海上自衛隊体制移行に伴い、掃海隊群司令が地方隊掃海隊及び地方隊水中処分隊の水中処分班に対しても練度管理統括者として部隊を育成、向上させる役割を担い、年に約3回の機雷戦訓練と年に1回の実機雷処分訓練を実施しております。