群司令挨拶


第31航空群司令 海将補
ひらぎ たくひろ
平木 拓宏
  本日、第31航空群は開隊50周年を迎えることができました。

 このような記念すべき節目を迎えることができましたのは、ひとえに地元岩国の皆様の温かいご支援、ご協力があったことは申すまでもなく、米海兵隊、米海軍との緊密な協力関係の構築をはじめ、幾多の困難を乗り越えてこられた諸先輩方の並々ならぬご努力、そして関係各位のご支援の賜物であり、ここに深甚なる敬意と感謝を申し上げます。

 さて、この50年を振り返りますと、昭和48年(1973年)3月1日、対潜飛行艇PS-1とともに対潜飛行艇部隊として当岩国航空基地に発足し、昭和51年に水陸両用の救難飛行艇US-1を擁する第71航空隊を編成に加え、US-1A、US-2への更新を経て世界有数の飛行艇部隊として活躍しています。昭和58年には、多用機UP-2Jの配備とともに電子戦の魁となる第81航空隊が新編され、EP-3への更新等を経て電子戦を担う中核の部隊へと成長してきました。これまで合計9度の部隊新編、改編、解隊を行うなど大きな変革の歴史を歩んできました。

 変革は当群だけに留まらず、平成の後半では滑走路の沖合移設、民間航空路線の再就航、米軍再編など我々を取り巻く環境も大きく変化してきました。年号が昭和から平成を経て令和へと変わった現在では、5機種約20機の航空機を運用し、救難、情報収集、訓練支援と多岐にわたる任務に従事しています。また、平成元年に岩国航空基地へ移駐してきた航空集団直轄の第111航空隊の後方支援を含め、当群は少数多機種の航空機を運用し多様な任務を遂行する部隊として、海上自衛隊航空部隊の中でも、その運用形態、任務内容共に他の部隊が代替することのできないオンリーワンの部隊の地位を確立しています。

 我々は、歴代群司令を始めとする諸先輩方が築き上げた、良き伝統を継承、発展させていくとともに、これからの厳しい時代に即応出来得る精強な部隊を目指し、自らの職務に誇りを持ち、一致団結して、国民の負託に応えていく決意を新たにするところです。 皆様におかれましてはくれぐれもお体をご自愛くださいますとともに、変わらぬご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。