令和6年7月24日(金)、第36期統合高級課程学生(自衛官43名、留学生1名(インド共和国海軍大佐)に対し、統合幕僚長(吉田圭秀陸将)による講話が実施されました。
講話の冒頭、WWTからの戦略環境の変化について、米作家マークトウェインの「歴史は繰り返さないが韻を踏む」という言葉を例に挙げ、現在の厳しい安全保障環境の中で我々が実施すべき事について3つのキーワード( Respond、Deter、Shaping)で説明されました。
まず、Respondについては、ウクライナ紛争での周辺諸国の対応を例に挙げ、何か対応すべき事案が生起してから対応を開始するのではなく、日本も紛争、災害、邦人輸送等が同時多発的に起きる複合事態に備えて平素から準備しておくことの重要性を述べられました。
次にDeterの重要性として、事態をエスカレーションさせる主導権を相手に与えてはならず、統合運用態勢の抜本的強化と同盟による拡大抑止により、抑止力を確保しなければならないことを強調されました。
3つ目のShapingについては、「かつてない危機は志を同じくする者を結集するかつてない機会を生み出している」ことを指摘され、同盟国、同志国の結集と多国間協力の重要性について話されました。
最後に、今後の自衛隊を担っていく学生達に対して、少子高齢化、認知領域における優位性の確保等へ対応してゆく為に持続的イノベーションだけでなく破壊的なイノベーションを、仲間とその必要性を共有しつつ進めていってもらいたい旨伝えられるとともに、今後の活躍を期待していると激励されました。
統合幕僚長 陸将 吉田圭秀 |
統合幕僚長講話の全景 |