学校長 年頭挨拶

    謹んで新年のご挨拶を申し上げますとともに、旧年中、統合幕僚学校に賜りましたご厚情に対し深く御礼申し上げます。

       近年、我が国を取り巻く安全保障環境は、周辺国における軍事力の近代化やその活動の活発化に加え、独自の主張に基づく力による現状変更の試みや、核実験、弾道ミサイル発射による恫喝などが差し迫った脅威として顕在化・先鋭化するなど一層厳しさを増しています。また、領土や主権、経済権益などをめぐる、純然たる平時でも有事でも無い、いわゆるグレーゾーンの事態が増加・長期化する傾向にあります。
       このような情勢下、自衛隊の最高学府である統合幕僚学校では、陸・海・空自衛隊の幹部自衛官に対し、各自衛隊の部隊や機関、或いは統合任務部隊の上級部隊指揮官又は上級幕僚として職務の遂行に必要な自衛隊の統合運用に関する知識及び技能を、また国際平和協力活動における派遣部隊指揮官等として職務の遂行に必要な知識及び技能を習得させるための教育訓練を実施しており、その存在意義は益々高まっております。
       統合幕僚学校では、昨年も多くの関係省庁、大学・研究機関等から講師の先生方を、諸外国からは軍高官等をお迎えし、各課程学生に対してご講義、ご講話を賜りました。また、国内の部隊研修や統合先進国をはじめとする諸外国への研修等を通じ、我が国はもとより諸外国の統合の現状、問題点等について理解を深め、国際的視野を広げました。
       さらに、11月末には、国際平和協力センターが、「現代PKOの潮流とPKO要員の能力構築支援〜紛争の多発するアフリカにおけるPKO能力構築への日本の貢献〜」をテーマに第8回国際平和と安全シンポジウムを開催致しました。本シンポジウムでは、パネリストとして国内外からお招きした有識者の方々に、それぞれの視点からご議論、ご提言を頂き、ご来場頂いた官民学の多くの方々と認識や知見を共有することができました。
       統合幕僚学校は、本年も自衛隊の統合運用に関する教育訓練及び調査研究をはじめとする任務の完遂に向け、職員一丸となって邁進してまいりますので、皆様方には引き続きご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

       最後になりますが、本年が皆様にとって幸多き年になることを祈念致しまして、年頭の御挨拶とさせて頂きます。

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