指揮官、管理職の皆さんへ

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先日、海上自衛隊でセクシュアル・ハラスメントが発生していたとの報告を受け、大変残念に思っています。ハラスメント自体もあってはならないものですが、報告を受けた上司は、被害隊員の心情を全く思いやらない対応を行っていました。

ハラスメントは、基本的人権を侵害するものです。防衛省・自衛隊が国民の負託に応え、我が国の防衛を全うするに当たっては、ハラスメント対策を通じて、健全な組織風土を築き、隊員ひとり一人の心身の健康を確保することが不可欠です。

特に、指揮官、管理職の皆さんにあっては、ハラスメント対策におけるリーダーシップが極めて重要であることについて、明確な自覚が求められています。部隊行動を基本とする防衛省・自衛隊において、ハラスメントは隊員相互の信頼を失わせ、精強性を揺るがす、決してあってはならないものです。強い決意とリーダーシップで、ハラスメント防止に速やかに取り組んでください。

それでもハラスメントが発生した場合には、被害に遭った隊員に寄り添うことを第一に考え、躊躇なく然るべき対応をしてください。

もちろん、自身の言動についても気を配ることは当然です。何気ない言動が相手を不快にさせてしまうこともあるという意識を改めて思い起こし、部下の手本となるような行動をとってください。

今、我々には、全ての隊員が組織に守られていると実感できる環境の構築が求められています。防衛省・自衛隊が、ハラスメントを一切許容しない組織となった、安心して働ける職場になったと、隊員のみならず国民からも認めてもらえる組織となるよう、私と共にしっかりと取り組んでいただくようお願いします。

令和5年11月6日