国連三角パートナーシップ・プログラム
UN TPP:United Nations Triangular Partnership Programme
概要
- 国連PKOを支えるために2015年に立ち上げられた,国連,支援国,要員派遣国の三者が互いに協力し,PKOに派遣される要員の訓練,必要な装備品の提供を行う協力枠組み
- 国連PKOでは,要員(そのほとんどが発展途上国出身)に必要とされる技術・能力や装備品が不足していることが,PKOの安全性・実効性の観点から深刻な問題に。
- PKOのニーズや能力ギャップを把握する立場にある国連自身が訓練内容を企画・運営し,技術とリソースのある支援国がプロジェクトへの拠出,教官派遣,装備品の提供をすることでニーズに基づいた効果的な貢献を可能とする枠組み。
- 国連はこの協力枠組みを要員の訓練等を改善し得る「革新的なアプローチ」と規定(「PKOのための行動」宣言(2018年))。
プロジェクトの内容
背景
- 近年の国連PKOにおいて,PKO要員の能力・装備品不足が課題。2014年9月の第1回PKOサミットにおいて,安倍総理は早期展開(*)支援の実施を表明。
(*)早期展開:PKOが適切な要員と装備品を備え,ニーズに即応し現場で速やかに活動を開始すること。 - 我が国は,2015年から国連の三角パートナーシップ・プログラム(*)として行われている重機の操作訓練に,アフリカの工兵(施設)要員に対し,訓練を実施。
(*)国連と支援提供国(例:日本)が連携(例:財政支援,人的支援(教官派遣)等)し,要員派遣(予定)国の要員に対し,訓練を実施するもの。 - PKO要員の30%以上がアジアから派遣されていることを踏まえ,2018年,工兵(施設)要員に対する重機の操作訓練を実施する本プログラムを初めてアジア及び同周辺地域で実施。
※国連は,訓練地として,ベトナム,インドネシア,タイ,カンボジアの順に2年間隔のローテーション方式での実施を発表。
訓練の実施場所
これまでの実績
アフリカ訓練実績
第9回派遣
時期 | 2022年1月~3月 |
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訓練対象国 | ガーナ、ウガンダ、ケニア |
訓練者数 | 35名 |
訓練期間 | 約8週間 |
場所 | ケニア・ナイロビにある国際平和支援訓練センター |
訓練内容 | ブルドーザ、油圧ショベル、バケットローダ、グレーダ等の重機の操作や整備 |
防衛省からの派遣隊員 | 20名(※) |
第8回派遣
時期 | 2019年8月~11月 |
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訓練対象国 | ウガンダ |
訓練者数 | 31名 |
訓練期間 | 約12週間 |
場所 | ウガンダ・ジンジャにある早期展開能力センター |
訓練内容 | ブルドーザ、油圧ショベル、バケットローダ、グレーダ、ロードローラ等の重機の操作や整備の教育 |
防衛省からの派遣隊員 | 22名 (※) |
第7回派遣
時期 | 2019年6月~8月 |
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訓練対象国 | ウガンダ |
訓練者数 | 約35名 |
訓練期間 | 約12週間 |
場所 | ケニア・ナイロビにある国際平和支援訓練センター |
訓練内容 | ブルドーザ、油圧ショベル、バケットローダ、グレーダ、ロードローラ等の重機の操作や整備の教育 |
防衛省からの派遣隊員 | 23名 (※) |
第6回派遣
時期 | 2018年7月~10月 |
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訓練対象国 | ガーナ、シエラレオネ、ナイジェリア |
訓練者数 | 約40名 |
訓練期間 | 約12週間 |
場所 | ケニア・ナイロビにある国際平和支援訓練センター |
訓練内容 | ブルドーザ、油圧ショベル、バケットローダ、グレーダ、ロードローラ等の重機の操作や整備 |
防衛省からの派遣隊員 | 自衛官20名(※) |
第5回派遣
時期 | 2018年6月~8月 |
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訓練対象国 | ガーナ、シエラレオネ、ナイジェリア |
訓練者数 | 約40名 |
訓練期間 | 約12週間 |
場所 | ケニア・ナイロビにある国際平和支援訓練センター |
訓練内容 | ブルドーザ、油圧ショベル、バケットローダ、グレーダ、ロードローラ等の重機の操作や整備 |
防衛省からの派遣隊員 | 自衛官20名(※) |
第4回派遣
時期 | 2017年7月~9月 |
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訓練対象国 | タンザニア、ケニア、ブルンジ、ウガンダ |
訓練者数 | 約30名 |
訓練期間 | 約8週間 |
場所 | ケニア・ナイロビにある国際平和支援訓練センター |
訓練内容 | ブルドーザ、油圧ショベル、バケットローダ、グレーダ、ロードローラ等の重機の操作や整備 |
防衛省からの派遣隊員 | 自衛官17名(※) |
第3回派遣
時期 | 2017年5月~7月 |
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訓練対象国 | タンザニア |
訓練者数 | 約30名 |
訓練期間 | 約8週間 |
場所 | ケニア・ナイロビにある国際平和支援訓練センター |
訓練内容 | ブルドーザ、油圧ショベル、バケットローダ、グレーダ、ロードローラ等の重機の操作や整備 |
防衛省からの派遣隊員 | 自衛官17名(※) |
第2回派遣
時期 | 2016年8月~10月 |
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訓練対象国 | ケニア |
訓練者数 | 約30名 |
訓練期間 | 約8週間 |
場所 | ケニア・ナイロビにある国際平和支援訓練センター |
訓練内容 | ブルドーザ、油圧ショベル、バケットローダ、グレーダ、ロードローラ等の重機の操作や整備 |
防衛省からの派遣隊員 | 自衛官17名及び事務官1名 |
第1回派遣
時期 | 2016年6月~7月 |
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訓練対象国 | ケニア |
訓練者数 | 約30名 |
訓練期間 | 約8週間 |
場所 | ケニア・ナイロビにある国際平和支援訓練センター |
訓練内容 | ブルドーザ、油圧ショベル、バケットローダ、グレーダ、ロードローラ等の重機の操作や整備 |
防衛省からの派遣隊員 | 自衛官17名(※) |
試行訓練
時期 | 2015年9月~10月 |
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訓練対象国 | ルワンダ、タンザニア、ケニア、ウガンダ |
訓練者数 | 10名 |
訓練期間 | 約6週間 |
場所 | ケニア・ナイロビにある国際平和支援訓練センター |
訓練内容 | ブルドーザ、油圧ショベル、バケットローダ、グレーダ等の重機の操作や整備 |
防衛省からの派遣隊員 | 自衛官11名 |
(※)別途PKO事務局より文官1名を派遣
アジア及び同周辺地域訓練実績
第2回派遣(教官養成)
時期 | 2020年2月~3月 |
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訓練対象国 | ブータン、カンボジア、インドネシア、ネパール、ベトナム |
訓練者数 | 20名 |
訓練期間 | 約5週間 |
場所 | ハノイ(ベトナム人民軍第249工兵旅団駐屯地) |
訓練内容 | ブルドーザ、油圧ショベル、バケットローダ、グレーダ、ロードローラ等の重機の操作や整備の教育 |
防衛省からの派遣隊員 | 28名 (※) |
第1回派遣
時期 | 2019年11月~12月 |
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訓練対象国 | ベトナム |
訓練者数 | 20名 |
訓練期間 | 約6週間 |
場所 | ハノイ(ベトナム人民軍第249工兵旅団駐屯地) |
訓練内容 | ブルドーザ、油圧ショベル、バケットローダ、グレーダ、ロードローラ等の重機の操作や整備の教育 |
防衛省からの派遣隊員 | 19名 (※) |
試行訓練
時期 | 2018年11月~12月 |
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訓練対象国 | ベトナム,インドネシア,カンボジア,シンガポール,ネパール,東ティモール,フィジー,ブータン,ミャンマー |
訓練者数 | 16名 |
訓練期間 | 約6週間 |
場所 | ハノイ(ベトナム人民軍第249工兵旅団駐屯地) |
訓練内容 | ブルドーザ、油圧ショベル、バケットローダ、グレーダ及びロードローラ等の重機の操作や整備の教育 |
防衛省からの派遣隊員 | 自衛官19名(※) |
(※)別途PKO事務局より文官1名を派遣
作業工程管理課程(オンライン)
第1回派遣
時期 | 2021年12月 |
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訓練対象国 | カンボジア、インドネシア、ベトナム |
訓練者数 | 25名 |
訓練期間 | 5日間 |
場所 | オンライン |
訓練内容 | 施設分野における作業工程管理 |
防衛省からの派遣隊員 | 3名 |
これまでの訓練の様子



背景
- 近年、国連PKOの現場において、年間平均100名前後の要員が死亡。要員負傷時の体系的な対応要領が普及しておらず、適切な対応要領の訓練を受けた要員の不足が深刻な課題。
- 当該課題を受け、国連が実証演習を実施したところ、基礎的な応急処置が施されてから専門的な医療処置がとられるまで、想定以上の時間を要し、その間、患者を生存させておくための処置に課題があることが判明。
- Pこれらの課題に対応するため、国連三角パートナーシップ・プログラム(UN Triangular Partnership Programme: UNTPP)の枠組みで医療分野における能力構築支援を実施する方針(※1) 。同方針に基づき、国連野外衛生救護補助員コース (UN Field Medical Assistants Course: UNFMAC)(※2)を実施。
(※1) 2018年、河野外務大臣(当時)が、PKOのための行動(Action for Peacekeeping:
A4P)に関するハイレベルイベントにおいて、UNTPPの下で医療分野の取組も新たに支援することを表明。
(※2)
UNFMACはPKO派遣部隊の隊員(衛生救護補助員)が、患者を医療スタッフの下へ後送するまでの間に必要な応急処置を実施できるようにすることを目標としている。
これまでの実績
第2回試行訓練
時期 | 2022年6月 |
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訓練者数 | 21名 |
訓練期間 | 5日間 |
場所 | ウガンダの国連エンテベ地域支援センター |
訓練内容 | 国連のマニュアルに基づく負傷者を衛生科隊員又は医療従事者の下まで後送するまでの間に必要な応急処置についての知識と技術に係る教育 |
防衛省からの派遣隊員 | 1名 |
第1回試行訓練
時期 | 2019年10月 |
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訓練対象国 | ガーナ、タンザニア、南アフリカ、マラウィ、インド、パキスタン、ネパール、バングラデシュ、タイ、ウルグアイ |
訓練者数 | 29名 |
訓練期間 | 約2週間 |
場所 | ウガンダの国連エンテベ地域支援センター |
訓練内容 | 国連のマニュアルに基づく負傷者を衛生科隊員又は医療従事者の下へ後送するまでの間に必要な応急処置についての知識と技術に係る教育 |
防衛省からの派遣隊員 | 2名 |
これまでの訓練の様子

