小野田防衛大臣政務官による「第9回拡大ASEAN国防相会議」への出席について(概要)

令和4年11月23日
防衛省
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令和4年11月23日(水)、小野田防衛大臣政務官は、カンボジア王国(シェムリアップ)において開催された「第9回拡大ASEAN国防相会議(ADMMプラス)」に出席したところ、概要以下のとおりです。

  1. 今般の第9回ADMMプラスは、令和元年11月の第6回ADMMプラス以来、3年ぶりに対面で開催されました。
  2. 今般の会合においては、参加各国の国防大臣等により地域的・国際的な安全保障環境について意見交換が行われ、この中で、我が国から出席した小野田防衛大臣政務官からは、概要以下の発言がありました。
    1. まず、ロシアによるウクライナ侵略について、侵略が開始されてから9か月が経とうとしていることに触れ、ロシアによる一連の暴挙は、国際秩序を大きく揺るがすものであるとともに、国際法の深刻な違反であるとし、我が国として強く非難しました。また、我が国として、ロシアによる核の脅しを深刻に懸念しており、断じて受け入れることはできず、ましてや、その使用はあってはならない旨強調し、「核兵器のない世界」の実現に向けて、国際的な取組をリードする決意を述べました。その上で、我が国は「ウクライナは明日の東アジアかもしれない」という強い危機感を持ち、力による一方的な現状変更は、いずれの地域でも許されないことを強く訴え、ロシアの行為はインド太平洋地域の問題でもあることを指摘しました。
    2. 北朝鮮については、我が国上空を通過した弾道ミサイルや我が国の排他的経済水域(EEZ)内に着弾したICBM級弾道ミサイルの発射を含め、かつてない高い頻度で、かつ新たな態様での弾道ミサイル発射を繰り返しており、こうした一連の挑発行動は、関連する国連安保理決議に違反するものである旨強く非難するとともに、国連安保理決議に従った北朝鮮の完全な非核化に向け、日米・日米韓で緊密に連携していく旨を述べました。また、北朝鮮による拉致問題は、我が国の最重要課題であり、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現すべく、全力で果断に取り組んでいく旨強調しました。
    3. 東シナ海については、我が国固有の領土である尖閣諸島周辺における中国による日本の主権を侵害する活動の継続・強化といった、力による一方的な現状変更の試みが行われている旨を強く指摘しました。また、南シナ海についても、力による一方的な現状変更及びその既成事実化が依然続いている旨を強く指摘しました。さらに、台湾海峡の平和と安定は、地域の安全保障に直結する重要な問題であり、台湾をめぐる問題については、対話によって平和的に解決されることを期待する旨を表明しました。南シナ海行動規範に関しては、実効的かつ実質的で、国連海洋法条約を始めとする国際法に合致したものとなるべきであり、全てのステイクホルダーの正当な権利や利益を侵害するものとなってはならないことを訴えました。
    4. ミャンマー情勢については、現在の状況を深刻に憂慮しており、ASEANの「5つのコンセンサス」を早期に履行することで、平和的な問題解決に取り組むよう、強く要求しました。
    5. その上で、我が国は新たな国家安全保障戦略等を策定し、防衛力を抜本的に強化すること、引き続き「自由で開かれたインド太平洋」の維持・強化に取り組む決意を述べました。特に、ASEANとの関係では、「ビエンチャン・ビジョン2.0」に基づく協力や、日越が共同議長を務めるPKO専門家会合をはじめ、ADMMプラスの枠組みにおいて、今後も建設的な役割を積極的に果たして行く旨述べるとともに、昨年12月に我が国が加盟した「ASEAN・ダイレクト・コミュニケーションズ・インフラストラクチャ―」も活用し、ASEANとの意思疎通を一層緊密にしていく考えを強調しました。
    6. 最後に、我が国は、ルールに基づく自由で開かれた国際秩序の形成に全力で取り組み、ASEANを要とした地域協力に積極的に関与していく決意を表明しました。
  3. 参加各国による意見交換の後、「調和した安全保障のための団結強化に向けた防衛協力に関する共同宣言」が採択されました。
  4. 併せて、小野田政務官は、カンボジアのティア・バニュ副首相兼国防大臣及び豪州のマールズ副首相兼国防大臣をそれぞれ表敬し、防衛協力・交流を一層推進していくことを確認しました。

第9回ADMMプラス

柬ティア・バニュ副首相兼国防大臣への表敬

豪マールズ副首相兼国防大臣への表敬