木原防衛大臣による第8回日ASEAN防衛担当大臣会合への出席について(概要)

令和5年11月15日
防衛省
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令和5年11月15日(水)、インドネシアで開催された第8回日ASEAN防衛担当大臣会合に木原防衛大臣がオンライン参加し、宮澤防衛副大臣が現地から参加したところ、概要以下のとおりです。

  1. 11月15日(水)、インドネシア、ジャカルタで第8回日ASEAN防衛担当大臣会合が行われ、日ASEAN防衛協力の更なる強化に向けた意見交換が行われました。
  2. 冒頭、議長国インドネシアのプラボウォ国防大臣より、日本はASEANにとって最も重要な国の一つであり、これまで日本がASEANに対して積極的に防衛協力を実施してきたことに謝意を述べました。
  3. また木原大臣は、本年が日ASEAN友好協力50周年であることも踏まえ、「日ASEAN防衛協力の軌跡と展望」とのテーマの下、日本とASEANが共有している地域の将来像を確認し、その実現に向けて、日ASEANの防衛協力を新たな段階へと進めるべく、以下のように述べました。
  4. 国際社会は、東シナ海・南シナ海におけるものを含め、力や威圧による一方的な現状変更やその試みに直面していることを指摘しました。また、経済的威圧や、不透明・不公正な開発金融を通じた影響力の広がりもみられ、安全保障環境は、厳しさと複雑さを増している旨を指摘しました。
  5. 続いて、ASEANの「インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)」に示された原則は、開放性、透明性、ルールに基づく枠組みなど、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」と本質的な原則を共有していることを確認しました。また、日本とASEANは、法の支配に基づき、平和、安定、繁栄を享受するインド太平洋地域の将来像を共有しており、互いの努力を結集させることが可能であると強調しました。
  6. その上で、木原大臣は、日ASEANが共有している地域のビジョンの実現に向け、日ASEANの防衛分野における協力関係を新たな段階へと進めるための4つの柱として、
    1. 日ASEANで力や威圧によるいかなる一方的な現状変更も許容しない安全保障環境の創出
    2. 日ASEAN防衛協力の継続と拡充
    3. 日ASEAN防衛関係者の更なる友情と機会の追求
    4. ASEAN・日本・太平洋島嶼国の連携の支持
    を提示しました。
  7. この4つの柱の中では、日ASEAN間での宇宙領域における法の支配と安全保障に関するセミナーの初開催、海と空における信頼醸成や状況把握能力の向上のより一層の支援、「政府安全保障能力強化支援(OSA)」と防衛装備品・技術移転や能力構築支援などの既存の防衛省のプロジェクトとの相乗効果を目指し、機材供与等のハードと技術協力からなるソフトの両面で同志国の安全保障上の能力向上を支援していくこと、日本が主催する「乗艦協力プログラム」などを活用し、ASEAN・日本・太平洋島嶼国の連携を支持していくこと、また「女性、平和、安全保障(WPS)」に関する新たな日ASEAN能力構築支援プログラムの立ち上げなど、具体的な取組の提案・表明を行いました。
  8. 木原大臣はまた、我が国の防衛力の抜本的強化は、国際法の範囲内で、専守防衛の下で行うものであり、他国に脅威を与えるような軍事力を持つことを意図しておらず、法の支配に基づく国際秩序を堅持しようとする取組であると説明し、平和国家として、平和を願うだけでなく、実現するための責任を果たす、その歩みをASEANとともに進めたいという決意への理解を求めました。
  9. 最後に木原大臣は、日本とASEANが共有しているビジョンを実現するためのこれらの努力を、「防衛協力強化のための日ASEAN大臣イニシアティヴ:ジャスミン(Japan-ASEAN Ministerial Initiative for Enhanced Defense Cooperation: JASMINE)」として、参加各国に提示しました。
  10. ASEAN側の大臣から、日ASEAN友好協力50周年に対する祝意が述べられ、これまでの日ASEANや拡大ASEAN国防相会議(ADMMプラス)の枠組みにおける日本の取組に対する歓迎の意が示されました。その上で、今般の日本側からの提案を歓迎する旨の意が示され、今後も日本とASEANが緊密に連携し、より一層地域の平和と安定に向け重要な役割を果たしていくことへの期待が示されました。

(以上)