日英防衛相会談 共同声明(仮訳)

2025年8月28日
防衛省
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2025年8月28日、東京において、中谷元防衛大臣及びジョン・ヒーリー英国国防大臣は、防衛相会談を実施した。

  1. 国際的な安全保障環境が一層厳しさを増す中、欧州・大西洋及びインド太平洋の安全保障と繁栄は不可分であるとの認識を共有しつつ、両大臣は、日英間の深い戦略的連携を強調するとともに、「強化された日英のグローバルな戦略的パートナーシップ」を改めて確認した。両大臣は、世界の平和と安定を守るべく、防衛力を更に強化し、安全保障協力を更に拡大していくことにコミットした。
  2. 両大臣は、欧州及びアジアにおける互いに最も緊密な安全保障上のパートナーとして、両国が、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化、並びに主権と領土一体性の尊重を含む国際連合憲章の諸原則及び国連海洋法条約(UNCLOS)の堅持に向け、国際社会の取組を主導していく役割を引き続き担うことを確認した。両大臣は、東シナ海及び南シナ海の状況に関する深刻な懸念を改めて表明し、力又は威圧によるあらゆる一方的な現状変更の試みに引き続き強く反対する。
  3. 両大臣は、世界の繁栄にとって極めて重要である台湾海峡の平和と安定の重要性を改めて確認するとともに、力又は威圧による一方的な現状変更の試みに対する強い反対を表明した。また、さらなる平和と安定を損なう行為を控えるよう自制と回避を求めた。さらに、北朝鮮の核・ミサイル活動の進展を強く非難し、北朝鮮の全ての大量破壊兵器及び弾道ミサイル計画の完全な、検証可能な、かつ不可逆的な廃棄という目標に対するコミットメントを再確認した。
  4. 両大臣は、プーチン大統領による違法で、不当で、いわれのない全面的なウクライナ侵攻は、欧州・大西洋及びインド太平洋の安全保障を脅かすものであり、国連憲章に対する明白な違反であると改めて確認した。両大臣は、中国による軍民両用の支援及び北朝鮮及びイランによる軍事支援のロシアへの提供を非難した。両大臣は、自由、主権、独立及び領土一体性を防衛するウクライナへの揺るぎない支持を再確認するとともに、ロシアの戦争経済に対抗する取組の強化及びウクライナへの更なる支援の重要性を強調した。英国は、日本がNATOの「ウクライナのための包括的支援パッケージ」(NATO CAP)を通じて行っているウクライナ支援、多国間演習シーブリーズ2025への参加及びNATOの「対ウクライナ安全保障支援及び訓練組織」(NSATU)への参加の意欲を歓迎した。両大臣は、ウクライナ支援を通じた日本とNATOの関係深化を歓迎した。
  5. 両大臣は、2025年のインド太平洋展開(オペレーション・ハイマスト)の一環として英国空母打撃群(CSG)が日本に寄港したことを歓迎し、同打撃群が地域の安定維持と国際秩序の擁護において果たす役割を評価した。オペレーション・ハイマストは、米国、豪州、ノルウェー、スペインの艦艇との共同訓練に示されるとおり、日英の海空域における能力に係る協力を直接的に進展させた。両大臣は、英国のF-35Bが護衛艦「かが」に初着艦したことを歓迎し、今後、日本によるCSGとの訓練への参加を通じて示される海上自衛隊と英国海軍、空軍の相互運用性の価値を再確認した。
  6. 両大臣は、円滑化協定(RAA)の継続的な活用が定期的な防衛協力、相互運用性の向上及びより頻繁かつ複雑な演習という更に野心的な取組の実現を可能とすることを歓迎した。さらに、両大臣は、英国軍に対する自衛隊による警護が初めて実施されたことを歓迎した。
  7. 両大臣は、英国海軍哨戒艦に対する日本の支援を含む、二国間海洋協力の深化を認識した。両大臣は、哨戒艦の継続的な地域展開が、海洋安全保障の促進、協力の強化及びルールに基づく国際秩序や国際的パートナーとの関与に資することを指摘した。
  8. 両大臣は、全ての軍種間での「女性・平和・安全保障(WPS)」分野における日英協力を歓迎し、更なる連携に期待を示した。責任ある国家として、日英両国は、ジェンダーに関わらず全ての個人が平和と安定に貢献できる包摂的かつ強靭な安全保障環境の構築に団結して取り組むことを確認した。両大臣は、共同イニシアティブ、能力構築支援及び地域パートナーとの関与を通じ、インド太平洋におけるWPS協力を進める意思も確認した。
  9. 両大臣は、相互運用性を向上させる日英陸軍種間の実動訓練「ヴィジラント・アイルズ」の継続を評価し、欧州・大西洋の同盟国、同志国による今年のオブザーバー参加を皮切りとした、近い将来の訓練拡大の可能性を歓迎した。
  10. 両大臣は、サイバー・電磁波領域が現代戦の核心であり、両国の共有する防衛・安全保障を支えるものであることを改めて確認した。両大臣は、日英サイバー・パートナーシップの下、二国間サイバー協力の実質的な進展及びサイバー活動に係る共通の道筋を構築する取組を評価した。両大臣は、「ディフェンス・サイバー・マーベル」を含む共同演習が、英国軍と自衛隊との間でのベストプラクティスの共有に資する価値を強調した。また、両大臣は、英国サイバー・電磁波局と自衛隊サイバー防衛隊との協力深化に期待を示した。
  11. 両大臣は、「オペレーション・ハイマスト」での共同活動及びグローバル戦闘航空プログラム(GCAP)に向けた相互運用性確保に係る取組において示される英国空軍と航空自衛隊との関係強化を認識した。両大臣は、将来、日本の戦闘機及び輸送機が英国を含む欧州へ展開することを歓迎した。
  12. 両大臣は、GCAPの重要性を認識しつつ、同プログラム及び2025年末までにGCAP政府間機関(GIGO)と合弁企業「エッジウィング」との間で初の国際統合契約を締結するための作業を加速することへの個人的コミットメントを再確認した。この契約は、2035年までに優れた戦闘機を適正なコストで、遅滞なく開発するという目標を支えるために両者が協働するための初の契約となる。両大臣は、両国の戦闘航空産業が、成長と生産性を牽引し、高度技能職を維持するとともに、研究開発投資の触媒としてもたらす、幅広い恩恵を指摘した。両大臣は、将来の脅威に対応し、これら重要産業を守るべく、それぞれの航空宇宙産業を維持し、新興技術を最大限活用することの重要性を再確認した。
  13. 両大臣は、宇宙能力の重要性と、それが我々の集団安全保障、繁栄及び日常生活にもたらす不可欠なサービスであることを認識した。責任ある宇宙利用国として、宇宙領域の競争化かつ混雑化を認識しつつ、両国は、宇宙を将来世代のために安全・安定・安心・持続可能な環境として確保すべく、宇宙条約及び宇宙空間の平和利用へのコミットメントを堅持していく。両大臣は、この重要な分野における更なる取組の連携・調和の重要な機会を強調した。両大臣は、防衛面での関与と産業協力の双方を通じた宇宙協力の深化への意欲を表明した。両大臣は、今後、軍種間において衛星通信や宇宙領域把握に関する意見交換を通じて、両国の宇宙領域に関する協力を発展させていく意向を確認した。
  14. 両大臣は、日英防衛装備・技術協力運営委員会を通じた日英産業・技術協力強化への永続的なコミットメントを再確認した。両大臣は、2024年10月の海洋防衛装備・技術協力に関する意図表明文書を歓迎し、その後の将来艦技術及び海洋産業協力に関する協力、並びに2025年5月のDSEI Japanにおける日英の統合エネルギーシステムに係るシンポジウム及び日英防衛産業イノベーション・フォーラムのための防衛産業対話の実施を歓迎した。
  15. 両大臣は、海洋における先進的能力に係る協力の探求に対する英国海軍と海上自衛隊の関心を再確認した。両大臣は、AUKUS諸国が日本と防衛分野における海洋無人機システムの活用に関する協力を強化するために取り組む場となった、最近の「タリスマン・セイバー25」への日本の参加を歓迎した。
  16. 両大臣は、2026年に英国において実施される第6回日英外務・防衛閣僚会合(「2+2」)において、継続して実質的な議論を行うことを期待している旨を表明した。