日英防衛相電話会談について

2021年3月25日
防衛省
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標記について、下記のとおり実施されましたのでお知らせします。

2021年3月25日21時45分から約30分間、岸防衛大臣とウォレス英国防大臣との電話会談が行われました。

  1.  ウォレス大臣から、3月16日に英国政府が発表した安全保障、防衛、開発及び外交政策の「統合的見直し(Integrated Review)」に関する説明がありました。岸大臣からは、「統合的見直し」に関する説明をウォレス大臣から直接受けられたことに感謝を述べました。
  2.  また、岸大臣は「統合的見直し」の中で打ち出された英国の「インド太平洋への傾斜」という戦略的決定を高く評価するとともに、このたびの「統合的見直し」は、「自由で開かれたインド太平洋」の維持・強化に向け、両国が中長期にわたり協力関係を強化していくとの方向性を明確に示すものとして歓迎しました。その上で、両大臣は、本年予定されている英空母「クイーン・エリザベス」を含む空母打撃群の東アジア地域などへの展開の機会を最大限活用し、日英防衛協力を新たな段階に引き上げるとともに、また、「自由で開かれたインド太平洋」の維持・強化に向け、協力していくとの決意を新たにしました。
  3.  両大臣は、インド太平洋における地域情勢についても意見交換を実施し、東シナ海や南シナ海をめぐる情勢について、現状を変更するいかなる活動にも、圧力にも、また緊張を高めるいかなる行為にも強く反対するとの意思を改めて表明し、法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序、特に国連海洋法条約が重要であるという認識で一致しました。また、岸大臣は中国海警法に対する日本側の深刻な懸念を伝えました。
  4.  また、北朝鮮情勢について、両大臣は、本日(25日)、北朝鮮が合計2発の弾道ミサイルを発射したことに言及し、北朝鮮による弾道ミサイルの発射は国連安保理決議違反であり、地域の平和と安全を脅かすものとして強く非難するとともに、これまでの弾道ミサイル等の度重なる発射を含め、国際社会全体にとっての深刻な課題であるとの認識で一致しました。その上で、両大臣は、北朝鮮による、全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルの完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な廃棄(CVID)の実現に向けて「瀬取り」対応を含めて引き続き連携していく意思を再確認しました。