2020年岸・レイノルズ日豪防衛相共同記者発表

2020年10月19日
防衛省
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岸大臣

先ほど、オーストラリアのレイノルズ国防大臣との間で、日豪防衛相会談を行いました。今回の会談は新型コロナウイルス感染症の拡大後、市ヶ谷において対面で実施した初の防衛相会談となります。

本日の会談では、両国間の防衛協力の更なる進展・具体化に向けた有意義な議論を行った上で、両大臣名で共同声明を発出したところです。

会談では、北朝鮮や東シナ海・南シナ海を含む地域情勢について意見交換を行いました。この中で、東シナ海・南シナ海情勢については、力を背景とした一方的な現状変更の試みに対し強く反対する旨の明確なメッセージを発出し、日豪間で緊密な連携を維持していくことで一致しました。

この文脈において、日本時間の本日夕刻から明日の未明にかけて、我々日豪に米国を加えた3か国の艦艇が南シナ海を航行しつつ共同訓練を実施することも、併せてお知らせします。

また、北朝鮮による全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルの、完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な廃棄を達成するための取組に日豪が引き続きコミットしていくことや、北朝鮮籍船舶が関与する違法な「瀬取り」に対する警戒監視活動で引き続き日豪でもしっかり連携していくことを確認しました。

さらに、感染症対策に係る協力や相互運用性の向上など、日豪の防衛当局が今後協力すべきことについての双方の考え方を明確にできたと考えています。また、自衛隊法第95条の2に基づく自衛官による豪州軍の武器等の警護任務の実施に向けた体制構築に必要な調整を開始するよう、事務当局に指示しました。

豪州は、我が国にとって地域の「特別な戦略的パートナー」であり、防衛省・自衛隊としては、「自由で開かれたインド太平洋」の維持・強化に向け、両国の防衛協力・交流をより一層深化させていく考えです。


レイノルズ大臣(仮訳)

新しいカウンターパートである岸大臣とは、先週初めて電話会談を行い、こうして東京を再訪し、直接お会いすることができて、嬉しく思います。岸大臣と防衛省の御歓待に御礼申し上げます。東京において、両国の「特別な戦略的パートナーシップ」の重要性を再確認でき、とても光栄です。新型コロナウイルスによってもたらされたこのような困難な状況の中、この重要な訪問を可能とするために、厳格な新型コロナウイルス感染症対策を講じていただき、本訪問の受け入れにご尽力いただいた日本の関係者に感謝申し上げます。

新型コロナウイルス感染症に伴う制限が開始されてから、2度目の外遊となりますが、これは、豪州が日本との二国関係を最も重視している証です。

両国の関係は、信頼、友情、共通の自由民主主義的価値観、共通の戦略的利益及び米国との同盟を基盤としています。

新型コロナウイルス感染症という課題に直面する中、両国関係の重要性は高まるばかりです。戦略的不確実性がある中で、共通の安全保障の課題・防衛上の課題の検討を進めることは、かつてなく重要となっています。私は岸大臣と実践的な防衛交流を深化及び拡大するため、全力を尽くしたいと思います。

自由で、開かれ、包摂的で、繁栄したインド太平洋を維持するため、より緊密な二国間協力及び地域のパートナー国との連携は不可欠です。この点において私は、現在の菅総理大臣によるインドネシア及びベトナム訪問を心から歓迎したいと思います。世界的なパンデミックによる課題にも関わらず、昨年、日豪防衛関係は目覚ましい成長を遂げました。南シナ海の公海において豪州が、日本と米国海軍と共に、共同訓練を実施していることを嬉しく思います。このような活動は、地域の安全保障に寄与し、相互運用性を向上します。

本日の会談で、岸大臣と私は、広範に渡る新たなイニシアチブについて議論し、合意しました。これらにより、二国間の防衛交流は、ますます強化するでしょう。我々は、この地域における新型コロナウイルス感染症の影響を緩和するため、的を絞った、実践的な行動を取ることに尽力します。

サイバー、防衛関連の科学、技術及び産業における防衛協力の推進に向けた共通の望みの下、日豪は結束しています。我々は、二国間の共同演習・運用を高度(複雑)化しております。また、これら全ては、相互運用性、一体性及び統合能力を向上させます。さらに、こういった連携は、自衛隊法第95条の2によって、強化されます。岸大臣と私は、自衛隊法の下で自衛官が豪軍の武器等の警護任務の実施に向けた体制を構築するよう、防衛当局に指示しました。

最後に、日豪は、開かれ、包摂的で、大小全ての国の主権と権利が尊重される、地域を目指すビジョンを共有しています。豪州は、北朝鮮による全ての核兵器、弾道ミサイル及び大量破壊兵器の完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な廃棄を達成するための取組に引き続き尽力してまいります。

日豪は、東南アジア及び太平洋地域にわたる防衛面のパートナーシップを強化すべく、取り組んでいます。両国にとって生産的かつ重要な協働関係の幕開けに、こうして、岸大臣と共に立ち合えることを誇りに思います。

以上

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