日米豪防衛相会談

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2020年7月8日

2020年7月8日、リンダ・レイノルズ豪州国防大臣、河野太郎日本国防衛大臣及びマーク・エスパー米国国防長官は、三カ国防衛相テレビ会談を開催した。三大臣は、共通の価値観や長きにわたる同盟及び緊密なパートナーシップを維持しながら、インド太平洋地域の安全、安定及び繁栄を強化するという共同のコミットメントを再確認した。これは、三カ国防衛大臣による第9回目の会談である。

三大臣は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行が、我々が、透明性があり、説明責任があり、回復力のある方法でこの共通の脅威に対処するための条件を整える、法に基づく国際秩序の重要性を強調したということで一致した。三カ国のパートナーシップの強化と適応力のための方策として、三大臣は、新型コロナウイルス感染症の影響を局限する共同の取組について議論した。三大臣は、

  1. 政府全体の取組としての活動も含め、新型コロナウイルス感染症の影響を局限するため、防衛当局間として感染症対策を行う中で得られた情報、ベストプラクティス、教訓の共有を継続し、
  2. それぞれの防衛政策及び準備即応性に対する新型コロナウイルス感染拡大の潜在的影響を含め、インド太平洋地域の脅威となる環境について、共通の理解を更に発展させ、
  3. 自由で、開かれ、包摂的で、繁栄するインド太平洋地域を支える、実際的な貢献をする強固な三カ国間の協力及び交流を促進する

ことについてコミットした。

三大臣は、東シナ海において現状を変更し、緊張を高める、あらゆる安定を損ね、又は威圧的で一方的な行動に対する強い反対の意を強固なものとした。また、三大臣は、このような行動を抑止することを視野に、この地域の安全保障環境について緊密に連携し続けるとの意思を表明した。

南シナ海に関し、三大臣は、現状変更のための武力の行使、又は威圧に対する強い反対の意を強固なものとし、航行及び飛行の自由を擁護することの重要性を再確認した。三大臣は、係争ある地形の継続的な軍事化、沿岸警備船舶や「海上民兵」の危険又は威圧的な使用、及び他国の資源開発活動を妨害する取組を含む最近の事案について、深刻な懸念を表明した。三大臣は、特に国連海洋法条約に反映されている国際法に従って、紛争を平和的に解決することの重要性を強調し、地域の全ての国家に対し、緊張を緩和し、信頼を構築するために意味ある手段をとるよう求めた。また、三大臣は、南シナ海における行動規範(COC)が、特に国連海洋法条約に反映されている既存の国際法と整合的であること、第三者の利益や全ての国の国際法上の権利を侵害しないこと、既存の包摂的な地域枠組を強化するものであることを求めた。

三大臣はまた、香港に対し北京が国家安全法を課すことに、深い懸念を表明した。

三大臣は、北朝鮮の一連の弾道ミサイル発射が国際の安全に対する深刻な脅威であるという強い懸念を共有し、複数の国連安保理決議への度重なる違反を非難した。三大臣は、北朝鮮が、もはや核実験や大陸間弾道ミサイル発射のモラトリアムに制約されないと発表したことについて懸念を表明した。三大臣は、再び、北朝鮮に対して、地域の緊張を高め安定を損なう行動を停止し、国際的な義務を順守し、国連安保理決議に従って、完全な、検証可能な、かつ不可逆的な方法での大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイル計画の廃棄を達成するための明確な手段をとるよう求めた。この目的のため、三大臣は、北朝鮮との現在進行中の外交努力を推奨するとともに、北朝鮮に対し、交渉の場に戻り、対話への持続的なコミットメントを行うよう求めた。また、三大臣は、石油精製品、石炭やその他の制裁対象物資の違法な瀬取りを監視し、抑止するための現在進行中の協力を含め、北朝鮮に対する制裁を実施し、強化することへのコミットメントを再確認した。

三大臣は、地域の対話を促進し、インド太平洋地域の安定、安全と繁栄を支援する規範を設置する際の、ASEANの要となる役割を強調し、南アジア及び東南アジアのパートナーを支援する重要性を認識した。三大臣は、ASEANの中心性に対する現在進行中の支援を、地域の安全保障と繁栄の重要な貢献者として強調した。三大臣は、共通の戦略的ビジョンの下、透明性が高く、効率的で、効果的な方法により、地域における各国の、及び共同の関与がもたらす利益を最大化するため、地域に対する緊密に連携した支援を継続することを約束した。

三大臣は、繁栄し、安全で、主権を尊重する太平洋地域を支援するため、太平洋のパートナーとともに、緊密に取り組むという揺るぎないコミットメントを強調した。三大臣は、地域のパートナーとともに、共同の防衛の取組を通じて、太平洋での三カ国の能力構築支援を継続することを決定した。三大臣は、各国の軍軍間の活動、特に大洋州に対する全政府的取組に資する活動を歓迎し、その重要性を認識した。

2019年の日米豪三カ国戦略アクション・アジェンダに関して、三大臣はそれぞれの当局者に、戦略地政学上の変化の時代において、実用的な取組、協力及び相互運用性のための道を追求し続けることを指示した。

(以上)