日米防衛相会談の概要

令和5年6月1日
防衛省
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令和5年6月1日9時20分から約75分間、浜田防衛大臣とオースティン米国防長官は、防衛省において防衛相会談を行ったところ、概要次のとおり。

1 地域情勢等

両閣僚は、この厳しい競争の時代において、ルールに基づく国際秩序と、自由で開かれたインド太平洋を維持していく決意を改めて確認した。また、両閣僚は、インド太平洋地域において力による一方的な現状変更やその試みを許容しないこと、そのためにこれまで以上に日米が緊密に連携していくことを確認した。

両閣僚は、ロシアによる違法で、不当で、いわれのないウクライナ侵略は、国際秩序の根幹を揺るがす暴挙であり、引き続き、日米が連携し、ウクライナへできる限りの支援を継続していくことを確認した。

両閣僚は、中国をめぐる諸課題への対応に当たり、引き続き日米で緊密に連携していくことで一致した。また、両閣僚は、中国との率直な対話の重要性を確認した。さらに、両閣僚は、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促した。

両閣僚は、北朝鮮の核・ミサイル問題に関し、4月に開催された日米韓防衛実務者協議(DTT)の成果を歓迎するとともに、日米、日米韓の連携をさらに緊密なものにしていくことを確認した。

両閣僚は、日米豪3か国の協力がかつてないレベルにまで深まっていることを歓迎した。両閣僚は、日本と豪州との間の円滑化協定により、訓練機会を拡大し、3か国の相互運用性を向上させていくことを確認した。

2 日米防衛協力

両閣僚は、G7広島サミットで確認された、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守り抜く決意を着実に実行に移すため、本年1月の日米「2+2」においても確認した日米同盟の抑止力・対処力の強化に向けた取組について議論を行った。両閣僚は、日米協力の下での反撃能力の効果的な運用を含めた、同盟の役割・任務・能力に係る議論が進展していることを歓迎した。

オースティン国防長官は、日本に対する核を含めた米国の拡大抑止のコミットメントは揺るぎないものである旨を改めて述べた。両閣僚は、核を含めた米国の拡大抑止が信頼でき、強靱なものであり続けるため、拡大抑止に関する議論を一層強化していくことを確認した。また、両閣僚は、反撃能力を含む日本の防衛力の抜本的強化が同盟の抑止力を強化するものであることを認識し、抑止力の強化に向けて引き続き日米で連携していくことを確認した。

両閣僚は、海上自衛隊鹿屋航空基地に一時展開している米空軍無人機MQ-9及び日米共同情報分析組織が、同盟の情報収集、警戒監視及び偵察(ISR)能力の強化に大きな役割を果たしていることを確認した。また、両閣僚は、地域におけるISR能力を維持・強化していくことの必要性を確認した。

両閣僚は、無人機に関する協力に加え、極超音速技術に対抗するための将来のインターセプターの共同開発の可能性に関する議論を前進させ協力を深めて行くことを確認した。

両閣僚は、情報保全・サイバーセキュリティの確保が同盟の根幹であることを確認した。浜田防衛大臣は、サイバーセキュリティを抜本的に強化していく強い決意を表明した。

3 米軍再編/在日米軍

両閣僚は、日米「2+2」で確認された米軍の態勢の取組の実施に向けて引き続き協議を継続していくことを確認した。両閣僚は、普天間飛行場の辺野古移設及び馬毛島の施設整備を含む米軍再編計画のこれまでの取組を歓迎するとともに、今後の着実な進展のため、引き続き日米で緊密に協力していくことで一致した。両閣僚は、沖縄をはじめとする地元の負担軽減について、引き続き取り組んでいくことを確認するとともに、在日米軍の安定的な駐留と日々の活動には、地域社会の理解と協力が重要であることで一致した。

(了)