「自衛官になった元同僚が格好良く見えた」 そんなきっかけから始まった、34年間の自衛官人生。
──自衛官になったきっかけは何ですか?
飲食店勤務時の同僚がきっかけになりました。私は中学卒業後に飲食店に就職したのですが、その時の同僚が飲食店を退職して自衛隊に入隊したのです。
後日、その彼に再会したのですが、制服姿が「格好良いな」と思ったのを覚えています。この再会をきっかけに、未知なる世界であった自衛隊に興味を持つようになりました。そして、飲食店での勤務が3年を過ぎたのを一つの区切りとして退職して、自衛官に応募しました。
──入隊からこれまでのキャリアの経緯を教えてください。
入隊後は、電測員として4隻の護衛艦で延べ27年間勤務しました。そのうち後半の約5年間は護衛艦先任伍長として勤務しました。その後練習艦隊先任伍長として2年勤務し、遠洋練習航海に2度ほど従事しました。
その後は陸上勤務となり、護衛艦隊先任伍長として3年間、それから自衛艦隊先任伍長として1年間勤務してきました。
現在の海上自衛隊先任伍長になってからは、半年ほどが経過しました。海上自衛隊の円滑な任務遂行に資するため、全国の先任伍長と連携した部隊の状況把握、そして、各種施策への進言などを通じて海上幕僚長を補佐しています。これまでの様々な経験を通して、多くの事を学ばせていただいたと感じています。
自衛官は、海外から見れば「日本代表」。
立場や仕事の意義を考えて、より自発的に。
──これまでで一番印象に残っている業務(任務)を教えてください。
一番心に残っているのは、海賊対処行動第1次隊としてインド洋の北西側にあるアデン湾という場所で活動したことです。北はアラビア半島、南はアフリカ大陸のソマリア半島に挟まれた場所で、未知の海域であり、経験したことのない任務でした。
アフリカ大陸に上陸したことも人生初でしたし、今思い返してみても公私ともに初めての事ばかりでしたね。最初は緊張の連続でしたが、「日本から遠く離れたこの場所も、海でつながっているんだな」と感じながら“この任務も日本の海上輸送交通の安全確保に直接関わっているのだ”と、強く実感できるようになりました。
──働くうえで大切にしていることについて教えてください。
「誰のために、何のために自分がこの役職で勤務しているのか」を常に考えるようにしています。
感謝され、人の役に立つ喜びを強く実感。
これほど誇りを持てる仕事は、他にない。
──長年働いたからこそ感じる、自衛官というお仕事の魅力を聞かせてください。
たくさんありますが、中でも「誰かの役に立っている」ということを強く実感できる点が一番の魅力ではないでしょうか。私たち自衛官の仕事は日本の安全を守ることであり、どのような職種、役職であっても、日本で暮らす方たちの日常を支えることにつながっています。
また、個人的に、多種多彩な資格を取得することができる環境も魅力の一つだと感じています。資格取得をサポートする制度もありますから、入隊したら様々な資格に挑戦してみてはいかがでしょうか。
──長年働いて、昔と変わったなと感じることはありますか?
国民から信頼される行政機関や組織をランキング化した調査があるのですが、私が入隊した当時、自衛隊は10位にも入っていませんでした。しかし現在は、1位、2位を争うほど、ランキングの上位に位置しています。それほど国民の皆様から信頼される組織で働けていることに誇りも感じます。
──応募を検討している方にメッセージをお願いします。
私も入隊前はそうでしたが、自衛官と聞くと、多くの方が未知の世界と感じるかもしれません。ですが、一歩踏み出してチャレンジしてみてください。実際に自衛官になって感じるのですが、過去の経験も学歴も一切関係なく、入隊後の頑張り次第で認められて、様々な活躍ができる環境があります!
「生まれ変わっても、自衛官の道を選びますか?」と聞かれたら、「はい」と答えます。これほど国民の皆様から「ありがとう」と感謝していただけて、日本人として誇りを持てる仕事はないと思いますから。