淮空尉 徳留 秀和

自衛官であるからこそやれる、
経験できる世界があると実感しています。

海上自衛隊 第4航空群司令部

プロフィール

海将補・第4航空群司令 徳留 秀和
民間企業を経て一般幹部候補生として入隊

「パイロットになりたい」、その想いを叶えるために民間企業を退職。ライセンス取得を目指す中で自衛隊のパイロット採用試験を知り、挑戦した徳留さん。パイロットという夢を叶え、長年にわたりキャリアを築いてきた徳留さんだからこそわかる自衛隊の魅力や、やりがいを伺いました。

「パイロットになりたい」 その想いを叶えるために自衛隊に入隊。

──自衛官に応募したきっかけを教えてください。

私は一般大学を卒業して民間企業に勤めた後、平成10年に海上自衛隊に入隊しました。その動機は、ただパイロット(官民問わず)になりたかったからです。会社を辞め、まずは自費で操縦士ライセンスの取得を目指していた中で、たまたま自衛隊にもパイロットとしての採用試験があることを知り、「一応受けてみるか」 といった程度のものでした。

なぜ空自ではなく海自のパイロットかと言えば、地本の広報官から海自のパイロット採用試験の方が合格しやすいと言われたからです(真偽は今でも不明ですが)。ですので入隊のきっかけは『国防に燃えて』や『安全保障を考えたい』といった崇高な動機ではなく、『国防男子』というわけでもありませんでした。

──入隊から現在までの業務内容の遍歴を教えてください。

広島県江田島にある幹部候補生学校での1年間の教育の後、遠洋航海実習を経て、教育航空団でウィングマークを取得。 鹿屋基地に配属されP-3Cのパイロットとしての部隊勤務を開始しました。その後は幹部候補生学校の教官や統合幕僚監部及び海上幕僚監部での幕僚業務、変わったところでは特別警備隊での勤務を経験しています。

この間に本業である操縦士として2回の勤務や幹部自衛官としてステップアップしていくための教育を3回ほど受けました。各勤務のサイクルはだいたい1年から2年といったところです。

初めての配置や任務、そんな中でもリーダーシップを誇り、
職務を全うするという気持ちを常に持っています。

──これまでで一番印象に残っている業務(任務)を教えてください。

東日本大震災の時の統合幕僚監部での勤務です。この時、私は統合幕僚副長の副官として勤務しており、私自身が直接災害対応に当たっていたわけではありませんが、政府にとっても自衛隊にとっても未曽有の大規模災害への対処であり、原発の被害対応も含め誰もが初めて経験する状況でした。そのような状況の中、発災当初から刻々と変わる状況において、指揮官の決断とリーダーシップのあり方や、日米間の重要性と強い絆などを肌で感じることができたことは、これまでの勤務にも役に立っています。

──働くうえで大切にしていることについて教えてください。

チャレンジ精神と使命感でしょうか。パイロットになりたくて自衛官を選びましたが、常に飛び続けることはなく、様々な配置を経験しました。今で言う配属ガチャどころではありません。ただし、誰しも経験や知識のまったく無い新しい業務は不安なのですが、自衛官という職業の特性上、どのような配置や任務でも積極的に挑戦し、与えられた職務に専念することが使命であるという気持ちだけは忘れないようにしています。

パイロットを目指して良かった。
それだけでなく海上自衛隊を選んで良かったと実感しています。

──長年働いたからこそ感じる、自衛官というお仕事の魅力を聞かせてください。

何と言っても、厳しさを増している国際情勢や安全保障の最前線において、現場で貢献できることです。
国際情勢の変化に伴い、自衛隊の活動範囲は広がり、任務は多様になっています。私が部隊勤務を開始した平成13年以降は、米国同時多発テロを契機とした国際平和協力とそれに伴う海外派遣任務の増加、平成23年の東日本大震災、そして令和2年には新型コロナウィルス感染症のパンデミックと、防衛省・自衛隊の活動にとっても、大きな転機となる事案が周期的に生起しました。
私自身、自衛官としてこれらの事態対処に関わり、海自にしか対応できない様々な任務も経験する中で、この組織だからこその“やりがい”と“やれること”があり、国や国民の役に立てているという誇りと充実感を実感することができました。そのため、もはや航空機を直接操縦する機会はありませんが、今は自衛隊のパイロットを目指してよかったという思いに加え、自衛隊それも海上自衛隊を選んでよかったと心から思っています。

──応募を検討している方にメッセージをお願いします。

どんなに技術が進歩しても、自衛隊という組織の根幹は『人』であるがゆえに、特に教育には手厚く、人材に投資する組織であり、自衛隊の勤務を通じて様々なスキルだけでなく、自分自身も成長できるはずです。この点は特に民間企業と比べてもまったく遜色ないと感じています。ワークライフバランスや女性の活躍についても進んでおり、自衛隊は時代に合わせて変化することにチャレンジする組織です。

自衛隊にも多様なキャリア形成がありますが、複雑化する安全保障環境に対応するためには、様々な経験やキャリアを有する一般大学の幹部自衛官の重要性はさらに増加しています。動機は何でも構いません。皆さんのチャレンジをお待ちしています。

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