縁があり、自衛官という仕事を考えるように。
元々持っていた興味・関心が転職を後押し。
──自衛官になる前は、どんなお仕事をされていましたか?
高専卒業後、JR東海に入社しました。名古屋近郊の在来線で、駅員として2年・車掌として2年勤務しました。
──自衛官に転職しようと思った理由やきっかけをお聞かせください。
元々、学生時代から自衛官に興味は持っていました。でも身近に自衛官もいないし、特に繋がりもなかったので民間企業に就職したんです。
そのあと、ご縁があって地方協力本部(チホン)の自衛官募集相談員として、ボランティア活動をすることになりました。
その活動の中で、自衛官にちょっと興味がある人や、自衛官を志す人、地域にお住まいの皆さんなど、多くの方々と接する機会を得て、自衛隊の存在や活動を、もっと多くの方に知っていただきたいと思うようになりました。
自分が自衛官になれば、より詳しく自衛官についてお伝えできて、それが認知を広げる際の手助けになるのでは?と考えて入隊を志願したんです。
──入隊前の自衛官のイメージとギャップはありましたか?
自衛官募集相談員として地方協力本部に出入りしていた頃、そこで海上自衛官の幹部の方から、色々お話しを聞いていました。
事前に入隊後の生活や勤務状況を教わっていたので、あまりギャップは感じなかったですね。
海上自衛官特有の業務にまつわるあれこれも、
ポジティブに受け止める。
──前職と比べて違いを感じること(環境・制度・待遇など)はありますか?
私は、大手鉄道会社からの転職で入隊しましたが、自衛官の給与や休暇の扱いなどについてはしっかりとしており、前職とのギャップはほとんどなく、苦労することはあまりなかったですね。収入の変化も、生活に影響を与えるほどではなかったですし。
勤務形態で言うと、海上自衛官として艦艇で勤務する際は、一度出港すると入港するまではどうしても、長期間連続して変則的な勤務形態になってしまいます。でもその期間中に取得できなかった休日は、入港後に代休といった形で取得できますので、むしろメリハリのある生活ができているなと感じています。
──お仕事において、海上自衛官特有だなと感じることがあればお聞かせください。
艦艇勤務時の航海中は、陸上で生活する時と比べて、一般的に家族や友人との連絡が取りにくくなる状況になること、でしょうか。
ただ、洋上でもコミュニケーションが取れるようにと、衛星通信を介した家族メールサービスを提供していたり、海外派遣に長期間従事する際は衛星電話を貸し出したりするなど、細やかな配慮を感じられるのはありがたいですね。
今後も、スターリンク等の新しい装備を導入して改善を図ろうとしているので、必要以上に不安を感じなくてもいいと思います。
(※注釈:2027年までに全艦艇にスターリンクを搭載し、インターネット接続が可能になる予定)
部隊勤務1年目の任務が、
自衛官としての自覚の土台に。
──入隊後の、印象に残っている業務(任務)はなんですか?
部隊勤務1年目に初めて配置されたイージス艦ミサイル士として経験した、BMD(弾道ミサイル防衛)任務です。
これは洋上に展開して警戒監視を行うのが主な任務で、対空・対BM(弾道ミサイル)事象に対応するオペレータとして、目標への対処や機器操作を任されました。
幹部自衛官として初めての職場だったのですが、自分が「入隊1年目」であることや、「まだ経験が浅い」などの言い訳ができない、責任ある仕事を任されているという重圧を感じていました。その一方で、自分が国防の最前線で貢献できている実感を得られたことを、今でも鮮明に覚えています。
入隊して最初の頃にこのような仕事を経験できたことが、その後の自分の自衛官としての自覚に影響を与えていると感じます。
──働くうえで大切にしていることを教えてください。
「家族あっての仕事」という気持ちをもって勤務及び部下指導にあたることです。
自衛官の業務特性上、家族にさえ話せない事柄がどうしても多くなってしまうのですが、少しでも我々の仕事を知ってご理解をいただき、支えてもらえるようにと考えています。
将来的には、自衛隊の募集や広報に関する業務に就きたいと考えていて、それまではそれぞれの勤務先で経験を重ねて、知識を吸収することを意識しています。自衛隊のことを広く世間に知っていただく活動に活かせるようになれば、という思いからです。
──応募を検討している方にメッセージをお願いします。
自衛官という仕事は、普段の暮らしの中では接点が少なく、仕事内容を具体的にイメージしにくいため、いざ応募するとなると分からないことが多く不安を感じるかもしれません。
しかし私が実際に自衛官になってみて感じるのは、民間企業で勤めていた時とさほど環境は変わらないな、ということです。
一生をかけて務める価値のある仕事だと思っていますので、これから就職・転職をされる方は選択肢の一つとして検討してもらえれば幸いです。