陸上自衛隊 第1飛行隊 航空操縦士 1等陸尉 小山 恭平

災害救助で
感じたこと。

自身の被災、災害派遣を
経験して思う
「国防」とは…。

プロフィール

陸上自衛隊 第1飛行隊
航空操縦士 1等陸尉 小山 恭平

普段の役割や配属について教えてください。

私は回転翼航空機(ヘリコプター)の操縦士をしています。
東京都立川市に所在する第一飛行隊という、一都六県を担当する第一師団の行動をヘリコプターで支援する部隊に所属しています。
航空操縦士になるには、部隊への配属後「航空学校」で操縦過程に入校し、それを卒業する必要があります。
初めて空を飛んだ時は感動でいっぱいで、怖くはありませんでした。
また、もともと国際貢献に興味があり幹部自衛官を志していたのですが、中学3年生の時に東日本大震災で被災しました。
その際に震災における自衛隊の活動を目の当たりにしたことで、災害派遣でも活躍できる自衛官に強く憧れ、より一層、幹部自衛官への志を強くしました。

災害派遣はどんな印象を受けましたか?

私が参加したのは、令和元年10月に関東地方を襲った台風19号に伴う災害派遣でした。
東京都奥多摩町の集落に通じる唯一の道路が大洪水で崩落し、孤立していたところへ、水や食料などの救援物資を届けるといった任務でした。
1〜2キロ程度しか視界がない中を飛行しながら現地へ到着したのですが、周囲が崖に囲まれていて航空機が降下するにはギリギリの広さしかありません。
機長と相談し、物資を吊り下げて降ろす方法を選択し、ー丸となって救援物資を住民の方に届けることができました。
災害派遣の際は、国民の皆様や被災された方々に感謝されて、やってよかったなと嬉しく思う反面、困っている方々がまだいることを思うと、素直に喜んでいいものかと困惑する部分があるのも正直な気持ちです。

自衛官になって思う「国防」とは?

自分が自衛官になる前は、「自衛官はみんな真面目な人」というイメージでしたが、いざ自衛官になってみたら意外とみんな普通の人だなと感じます。
しかし、ひとたび事が起こると「自分にやらせてくれ」というような、使命感や責任感に溢れた人ばかりでもあります。
国を守るということは、訓練により練度を向上することだと思っております。
練度を向上することが抑止力となります。
今も、そしてこれからも、国際情勢はますます不透明な世の中になっていくことが予想されますので、他国の軍とも協力して訓練することにより、その抑止力を日々向上させていくことが重要であると考えています。

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