航空自衛隊 宇宙作戦群 1等空尉 飯野 可季 航空自衛官(宇宙) 出身

宇宙の平和と安定を担う、
航空自衛官の誇り。

航空自衛隊 宇宙作戦群
第1宇宙作戦隊

プロフィール

1等空尉 飯野 可季
防衛大学校 出身

進路指導教諭の教えから自衛隊への道へ進んだ飯野さん。防衛大学校で航空宇宙工学を専攻していたことから宇宙に興味を持ち、現在は宇宙作戦群で勤務。宇宙の平和的利用のため、宇宙状況把握の準備や国際連携など、注目の宇宙分野の仕事に挑んでいます。

挑戦と発見の毎日。
防衛大学校での特別な時間。

── 自衛官になったきっかけは何ですか?

高校の時、防衛大学校のことを進路指導教諭から教えていただいたことがきっかけですね。
話を聞いているうちに色んなことに挑戦できると興味を持ち、もともと航空機にまつわる事を自分の仕事にしたいと思っていたこともあり、航空自衛隊を選びました。

── 防衛大学校ではどんなことを学びましたか?

防衛大学校では、もともと航空機関連に携われたらという想いがあり、航空宇宙工学科を選択しました。
宇宙と名もつきますので宇宙に関わる基礎的な知識や工学、航空機力学、空気力学、防衛学などを学びつつ、遊泳訓練や徒歩行進訓練などの基礎的な訓練も行っていましたね。
また、操縦はありませんが、航空機運行に必要な飛行前後点検や一連の動作訓練など、航空機を運用するためのグライダー運用訓練もありました。
どれもここでしか経験できないことばかりで、当時も非常に魅力を感じたことを覚えています。

── 防衛大学校で印象に残っていることはありますか?

訓練などは一人だと心が折れそうになる時もありますが、同期の仲間がいれば、みんなで支え合うことができ、困難を乗り越えられると実感したことですね。
集団生活ではたくさんの同期ができ、一緒に様々なことに取り組めたことは非常に楽しい経験だったと思います。

未知なる領域で感じる、
やりがいと自己成長。

── 普段のお仕事について教えてください。

入隊後、まずは航空自衛隊幹部候補生学校の奈良基地に配属となり、その後は兵器管制官として春日、西部防空管制群防空管制隊で勤務し、現在は宇宙作戦群へ異動しています。
宇宙作戦群での主な仕事は、宇宙の平和的安定的利用に向けた宇宙状況把握(SSA)の運用準備です。
例えば、日常生活で使用するスマートフォンの通信には人工衛星が関与していますが、これらの衛星の安全を確保するためには、宇宙空間にある物体の位置を正確に把握する必要があります。
この活動を「宇宙状況把握」と称し、宇宙での各種活動の安全を保つための重要な業務となっています。
また、基本的には態勢整備に向けた調整業務が主となりますので、自衛隊内やJAXAなどの機関、他国との連携も大切な仕事の一環です。

── お仕事の中でやりがいに感じる瞬間を教えてください。

心に残っている仕事は、やはり現在の宇宙作戦群の仕事ですね。
特にJAXAなどの機関との調整では、今まで経験したことのない業務に挑戦できていますので、非常にやりがいがあります。
この仕事を通じてより深く自衛隊や宇宙に関する知識を知ることができ、自分自身の成長を実感できています。
周りには同期の仲間や同じ目標に進む上司もいますので、刺激を受けながら働けていますね。
また、災害派遣で自分の活動が直接国民のお役に立てることも自衛官ならではのやりがいの一つです。
私自身も九州北部豪雨における災害派遣に従事し、活動する部隊の管理や連絡調整などを担っていました。

── 今後、どのようなキャリアを描いていきたいと考えていますか?

今、宇宙という注目されている分野において、その一端を担えることに誇りを感じています。
比較的宇宙領域の立ち上げに近しい時期から携われていますので、これからも宇宙に関わる業務に携わっていきたいです。

全国赴任で新たな発見を楽しむ、
自衛官ならでの休日。

── プライベートはどのように過ごしていますか?

平日のオフについては課業時間である17時以降に後輩と一緒にランニングをしたり、食事をしたりしています。
もともとは身体を動かすことが趣味だったので、このランニングの時間を含めて自分の趣味なのかなと思っていますね。
入隊後は奈良、福岡、愛知、関東、色々な場所に行く機会がありましたので、人との出会いや現地の美味しいものを食べることが非常に良い経験だと感じています。

── お休みはしっかり取れていますか?

夏季休暇や冬季休暇など。長期休暇もしっかりありますので、お休みは充実しています。
長期休暇の期間は部隊に応じて変わってきますが、一般的に一週間程度は取れると思いますよ。
お休みの間に家族と旅行にいくなど、プライベートの時間を大切にしています。

── 自衛官を目指す方たちへのメッセージをお願いします。

航空自衛隊としては宇宙領域専門部隊もでき、宇宙の需要は広がっています。
宇宙を希望される方は、宇宙の専門知識や他国間の連携で活かせる語学スキルのある方は特に向いている分野です。
興味がありましたらぜひ一緒に頑張っていきましょう。
自衛隊では大変なこともありますが、大変な分だけやりがいも多くありますよ。

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