航空学生
和歌山県 鮒田 様
山口県の小月航空教育隊に行って3年、海上自衛隊航空学生61期生として現在、第201教育航空隊で、練習機T-5の操縦に悪戦苦闘しています。平成21年4月に入学した当時、入学式で先輩方のファンシードリルに感激したあの日、これからパイロットになるまで長い道のりだと思いましたが、もう3年の月日が経ちました。
小学・中学・高校と明けても暮れても野球づけの日々を送っていましたが、高校2年の秋に当時の学長の紹介で航空学生の方に会う機会を頂きました。金の7つボタン、そして白い帽子、会話をしても自信に満ちあふれたオーラで輝いていた姿に親子共々感激しました。それから学校長の薦めもあって、進路や将来に迷っていた息子の目標が「パイロットになって人の為に働き、そして日本人としての誇りを持つ」というすばらしい目標になりました。親としては大変驚きましたが、努力して必ず勝ち取りなさいと話した日の事は今でも鮮明に覚えています。野球づけの日々から生活は一転、猛勉強に明け暮れ、見事その夢へのスタートラインに立つことができました。
入学した当初はスポーツをしていたので、体力そして運動能力に自信を持っていましたが、同期そして先輩達には凄い人がいるのを知り、自分の甘さを知ったそうです。勉強の方も初めは授業についていくのが精一杯と1ケ月ぐらいは弱音を吐いていましたが、何とか厳しい訓練や勉学に今も精進している事と思います。息子とは週に1度電話で色々なことを話しますが、よく航空学生は仲が良くチームワークがとれているし、教官が素晴らしく尊敬できる方ばかりと自慢げに話をしてくれます。息子との週一度の電話は待ち遠しくて、いつも楽しみにしています。そして親を心配させないように心優しく話してくれる息子は少し大人になったと感じます。
小学生の頃は少年ラグビーもしており、その影響もあってかラグビー部に入部しました。私は学生時代、そして社会人とラグビーをしておりました。ラグビーでよく使われる“One for All. All for One.”という言葉がありますが、この言葉の意味の深さを日々感じております。息子にも海上自衛隊のパイロット訓練等や人間関係等でこの言葉の意味の深さが解ると願っています。
地元の恩師や学校長、そして家族に、成長と活躍を期待されているので、精進して現在の目標であるウイングマーク取得に全力でぶつかってもらいたいと思います。最後に、私は自衛隊員の親である事を誇りに思い、そして国民に自衛隊員をより理解して頂き、敬意の念で接して頂けるよう、親として、一国民として出来る限りの支援と活動をしていきたいと思います。