航空学生
愛知県 前田 様
「ねっ、お父さん自衛隊受験していい?」どうせ大学に進学するだろうと考えていた私は、軽く「イイよ!」と返事をしてしまいました。その頃、自衛隊の金山地域事務所にしょっちゅう遊びに行き、自衛官の方たちと仲良くなっていることは知つていました。事務所の方たちに迷惑かなと思いつつ、娘の楽しそうな様子から、まぁ、大丈夫だろうと思いました。
小さい頃から家族で、浜松・小松・各務原などの航空ショーに行つていたので、自衛隊は意外と身近なものになっていたことは確かです。しばらくして、「一次受かつたよ!」「ふ〜ん。で、どこ受かったの?」と自衛隊を受けたことなども全く忘れていた私は、何のことだが分からず娘に聞いていました。3年前の話です。
「海上自衛隊の航空学生!」。進路の話をしてもまともに答えてくれない娘がやっと自分の希望を話し始めました。「お前、飛行機に乗りたいのか?」「ううん、回転翼。ヘリに乗って南極に行きたいの!」それに社会の役に立つ仕事をしてみたいし。3人の子供の中で一番しっかりしている娘の言葉です。「航空学生って難しいだろう?」
小さい頃から、おじいちゃん、おばあちゃんをいたわり、小さな子供を上手にあやし、誰とでも気兼ねなく話をする娘が自衛隊に入る?
小学生からサッカーを始め、中学校ではバレーボール部、高校でもサッカー部に入り、体力には自信がありそうだ。自衛隊も似合っているのかもしれなと思いました。
しかし、自衛隊は落ちてしまいました。やっぱり大学を受けるのだろうなと思つていたのですが、「大学行ってもいい?Jと話があり、軽く「イイよ!」と返事。見事大学も合格し、大学に通い始めました。大学生活を適当に満喫し、4年後にそこそこのところに就職してくれればいいかな、と思つていたところ、半年後には「もう一回、自衛隊を受けてもイイ」。受かるわけがないと思っていた私は、またしても軽く「イイよ」。しかし、予想通り2度目もだめでした。
大学生活も2年目で、楽しく過ごしていたのですが、3度日も自衛隊をトライ。「今年で最後だから。まさかと思っていら、「海上自衛隊の航空学生受かつたよ!」。親元から離れてしまうという複雑な気持ちがありますが、今では「最後までがんばれよ!」と思っています。