2015年07月16日
防衛大学校は、平成２７年６月３０日から７月４日までの間、第２０回国際防衛学セミナーを開催しました。本セミナーは、各国の士官学校等の代表者との発表・討議を通じて、防衛学の充実・発展を図るとともに、各国と我が国との安全保障に係る相互理解を促進して相互啓発に寄与することを目的として、１９９６年から毎年実施しています。今回は、「作戦環境の変化に適応した軍の役割と課題」をテーマとし、１６カ国１７名の参加を得て開催しました。
当初、エリオット・コーエン氏（米国）（ジョンズホプキンス大学高等国際問題研究大学院教授）の基調講演「The Changing Face of Military Power（軍事力の変化の側面）」を行い、じ後、３コセッションに区分して、発表・討議を実施しました。第１セッションでは「将来の多国間軍事協力の課題と展望」、第２セッションでは「新たな作戦環境に適応するための戦史の活用」、第３セッションでは「各国で行われているサイバーセキュリティ・危機管理の現状と課題」について、各国の国情に応じた発表が実施されるとともに、活発な意見交換がなされました。
また、防衛大学校学生の校友会活動、特に柔道、居合道等の武道を紹介するとともに、茶道及び座禅体験を通じ、日本文化の一端に触れる場を提供し、国外参加者に日本文化への親しみと深い印象を与え、相互理解の醸成の一助とすることができました。
防衛大学校では、毎年「教育の質の向上」を目的とし、校内の教職員を対象とした「防大フォーラム」を開催しています。本年度は、平成２７年６月１７日、大隈記念早稲田佐賀学園理事長・早稲田大学教授 土田健次郎氏を講師としてお招きし、「修養と教養」と題して、記念講演を実施いたしました。
今回の講演は、本年４月に新設された教養教育センターが初めて企画した講演で、講師からは、儒教思想を中心に中国の様々な思想や日本の武士道の歴史的変遷等を含む多面的なアプローチを通じての「修養と教養」の意義、国際的信頼関係の構築及び自国民からの信頼を得るために本校教職員及び全学生の個々人が「修養と教養」を錬成、涵養することの重要性についてご講演いただくとともに、ご尊父である故 土田國保 第四代防衛大学校長の着任時の訓示においても、学生に対し「修養と教養」を求めていたことなどについてお話をいただきました。
防衛大学校では、学生の教養を高め、社会一般に関する視野を広めることを目的とし、年２回、様々な分野の有識者を招へいし、課外講演を実施しています。
本年度第１回目の課外講演は、平成２７年度６月１７日、第２１代文化庁長官・東京大学名誉教授の青柳正規氏を講師としてお招きし、実施いたしました。講師は、本科学生、研究科学生及び教職員を対象に「ローマ帝国は何故、最強最善といわれるのか」と題して、古代ローマ帝国の文明、行政及びその軍隊の優秀さ・精強さについて、多くの写真等を活用して丁寧に解説されました。
化学兵器禁止機関（ＯＰＣＷ）初代査察局長 秋山一郎氏（元陸上自衛隊化学学校長、防大１５期生）は、平成２７年６月１８日、防衛大学校を訪問されました。秋山氏は、平成２６年度開校記念祭にて特別記念講演講師を務められ、「ノーベル平和賞授賞式に招待されて～防衛大学校卒業生として考えたこと～」というタイトルで、化学兵器禁止機関のノーベル平和賞授賞式に参列したご経験や、国際機関での勤務経験をご講演いただいております。
シルバープレートは、２００９年に化学兵器禁止機関を離任される際に、同機関のフィテル事務局長から在任間の功労を称え秋山氏に授与されたもので、今回秋山氏から防衛大学校に寄贈されました。当日は資料館においてシルバープレートの授与式が執り行われ、秋山氏から國分良成学校長に対し、シルバープレートが授与されました。現在このシルバープレートは資料館に展示されており、防大ツアーにおいて見学が可能となっております。
第５９回全日本カッター競技会が、平成２７年６月６日、全日本カッター連盟・防衛大学校・東京海洋大学の主催により、横須賀市伊勢町海岸沖で開催されました。一般の部は１０校１１チームが参加し、２，０００ｍのコースでタイムを競いました。白熱したレースの結果、防衛大学校が２年ぶり２０回目の優勝を果たしました。
上位３校の入賞結果は、以下の通りです。
優 勝 防衛大学校 （１０分５６秒４７）
準優勝 東京海洋大学海洋科学部（１１分１５秒８０）
３ 位 鹿児島大学 （１１分３５秒０８）
カタール国軍士官候補生隊長 サエド・ハマド・Ｍ・Ｓ・アル・ナエミ准将ほか５名からなるカタール国軍士官候補生学校派遣団は、平成２７年６月１１日、防衛大学校を訪問されました。派遣団は國分良成学校長を表敬されたほか、資料館・学生舎を見学されました。また、本科学生や指導教官等と懇談され、防衛大学校への理解を深められました。
日米学生会議日本側参加学生研修団（写真上段）は平成２７年６月５日、Ｇ８＆Ｇ２０ユースサミット日本代表研修団（写真下段）は平成２７年６月２２日、それぞれ防衛大学校を訪問しました。両研修団とも防衛大学校教官による特別講義を受講し、安全保障等の分野に関する理解を深めるとともに、討議や懇親会を通じ本科学生との交流を行いました。両研修団の訪問は、本科学生にとっても視野の拡大、人的交流等の面で大きな刺激となっています。
