防大かわら版VOL.64

2015年12月04日

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第1学年秋季定期訓練参加の所感

 平成27年10月20日(火)~平成27年10月23日(金)の間、第1学年は北富士演習場において秋季定期訓練を実施しました。7月に実施した夏季定期訓練以来の長期訓練で、防衛大学校に入校し7ヶ月経った1学年の学生が本訓練を通してどのようなことを学び、感じたのかを所感として記載しております。

1学年 三宅 大介 神奈川県立横浜立野高校 (神奈川県出身)

平成27年10月20日から23日まで山梨県の北富士演習場で実施された第1学年秋季定期訓練に参加して、私が特に印象に残っている事項は2点です。
 1点目は、同期の大切さです。北富士演習場での訓練内容は20km行進及び露営でしたが、いずれも体力的かつ精神的に厳しく、特に20km行進では疲労により足を痛める者が出ました。しかし、私たちの訓練班は、脱落者が出ないように足を痛めた者の荷物や小銃を持ち、結果的に訓練班全員が揃って完歩することができました。
 2点目は、継続的な体力練成の重要性です。日頃、体育の授業や校友会等で体力練成をしていますが、荷物及び小銃等を持って20kmを歩くのは非常に厳しかったです。特に固く、重い半長靴を履いての行進は苦痛でした。しかし、このような厳しい環境の中でも任務完遂できるように、今後も体力練成に励もうと強く感じました。
 最後に、北富士演習場での訓練は陸上自衛官を夢見て防大に入校した私にとって非常に充実したものになりました。本訓練のために全国から支援してくださった助教の方々やご協力をいただいた皆様に心より感謝を申し上げ、私の秋季定訓の所感の結びとさせていただきます。

行進訓練にて(左列前から2番目が本人)

1学年 福本タイラー徹郎 神戸市立葺合高等学校 (兵庫県出身)

10月中旬に、北富士演習場で実施された秋季定期訓練に参加しました。今回の訓練は共通要員として、陸上における最後の大きな訓練でした。この投稿においては、訓練中に学んだ事、そして一番辛かったことを述べたいと思います。
 この訓練で学んだことは大きく二つありました。一つ目は、20㎞行進後のフル武装でのハイポートの時であっても、自分が辛いということばかりを考えるのではなく、どんな状況にあっても常に同期を想う声かけやサポートを欠かしてはならないということです。
 二つ目は、班長や、様々な作業の長を務めている者が指揮を取ろうとしている時に、勝手に自ら判断して動いたりせずに、積極的に指揮下に入るということです。これらは頭の中では分かっていてもなかなか実行できません。やはりそこがまだまだ未熟なのだなと感じ、今後の課題になると思いました。
最も辛かった訓練は、夜間の動哨でした。野営時の夜間は、常に立哨及び動哨の任に就いている者がおり、私は午前4時からの動哨を命ぜられていました。未明の北富士の気温は、普段生活している防大の気温と比べ非常に寒かったのに加え、私は靴擦れをしており、さらに足場もかなり悪かったのです。しかし動哨は三人で行っており、辛くても近くに信頼できる同期がいることは大きな励みでした。ここでも同期の大切さを知ることになりました。
 1学年としての生活は残り半年ほどとなりましたが、今回の訓練で経験し、学んだ事を今後の生活に大いに役立てていきたいと思います。

前列左から2番目が本人

1学年 瀧川 数馬 京都市立堀川高等学校 (京都府出身)
 
 北富士演習場で行われた今回の秋季定期訓練は20km行進、天幕を使用した露営及び200m射撃と夏季定期訓練よりも一層厳しいものであった。私たちは訓練隊長の要望事項である「訓練班の団結」を実践するべく訓練に臨んだ。
 訓練当初は班員が思い思いに動いてしまい、班の団結が不足していた。そんな時に支援助教の陸曹の方に「ひとりひとりが人任せ過ぎる」と言われた。その後は訓練班の団結を意識してひとりひとりが自分で考えて行動することができ、訓練前よりも成長できたと感じた。
 また、20km行進及び露営の訓練時に私は訓練班の班長であった。的確に指示を出せない、班員を掌握できないなどの失敗をしてしまったが、副班長、班員の協力もあって訓練をやり遂げることができた。班長を経験して、団結という言葉の意味をより深く理解できた。そして、人前に立つということの難しさを知るとともに、班員よりも苦労した分、この経験が自信につながった。
 今回の訓練では陸上自衛隊の基礎を学んだだけでなく、訓練班の絆を深めることができた。これらの教訓を忘れずに今後の訓練に励むとともに、現状に満足せず常に向上心を持って防大生活を送りたい。

行進訓練開始前の様子

1学年 前田 奈生 宮崎県立都城泉ヶ丘高等学校 (宮崎県出身)

秋季定期訓練で主に行った徒歩行進、露営及び射撃の訓練を通じて私が感じたことは2点あります。
 1点目は、同期の大切さです。20km徒歩行進で私は、訓練前からの足の怪我が原因で完歩できるか不安でした。そんな時、疲れているにもかかわらず私に励ましの言葉をかけてくれた同期のおかげで不安は消え、諦めず共に完歩することができました。お互いに切磋琢磨して成長できる同期をこれからも大切にしていこうと思います。
 2点目は、部隊で求められる幹部自衛官の理想像についてです。訓練最終日に行われた助教との懇談会で「冷静な判断で指示を出すことができ、人に尽くすことができる人物」が部隊で求められている幹部であることを知りました。実際に部隊で働く人の声を生で聴くことができたことは、私達が幹部として仕事を進める上で必ず役に立つ良い経験となりました。
 我々は防衛大学校卒業後に陸、海、空各部隊に配属され、すぐに部下を持つことになります。部下に信頼される幹部自衛官になるためには防衛大学校の3本柱である教育訓練、学生舎生活、校友会を通じ幹部自衛官の資質を学んでいくことが重要であると再認識することができました。今後の成長に繋げられるよう、引き続き頑張っていこうと思います。

20km徒歩行進訓練が終了し露営に移行する前の休憩の様子(左端が本人)

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