防大かわら版VOL.56

2015年05月22日

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カッター競技会参加の所感

2学年 長坂 健太郎 私立名古屋高校(愛知県)

こんにちは。11クルーの2学年(競技者)のとりまとめ役である先任を務めた長坂健太郎です。今年のカッター競技会では目標としていた金クルー(優勝乗組員)には届かず、非常に悔しい思いをしましたが、代わりに沢山のものを得ることが出来ました。
 私たちはこの約1か月間、1学年時に会ったことも話したこともない同期と真摯に訓練に取り組むとともに、互いに励まし合い、支え合い、そして、カッターについて研究したことで打ち解け合い、団結することが出来ました。これらの経験は、私たちの中で一生忘れられないものであると確信しています。しかし、カッター競技会は私たちのゴールではありません。この経験を今後の教育訓練、学生舎生活及び校友会活動等に生かすことができてこそ、カッター競技会の意味があると考えています。また、本競技会を無事に終えることができたのは、指導部の方々の競技会に対する情熱があったからこそであり、我々はその思いに応えるために全力で取り組むことができたと考えています。本当にありがとうございました。
 最後に、私はこの11クルーの一員で本当に良かったと思います。11クルーのみんな、ありがとう。そして、これからもよろしく。

右から2番目が本人

2学年 岡田 光祐 県立姫路西高校(兵庫県)

「かい立てー!!」艇指揮の号令で次々とかいが立っていく。私たち23クルーは青空に向かってガッツポーズをしながらかいを見上げた。涙を流す者、満面の笑顔の者、雄叫びを上げる者。優勝!金クルー(優勝乗組員)になった瞬間だった。
 あっという間のカッター期間だった。偶然に23中隊となった2学年、くせ者の集まりだった。おとなしいが個性が強く、何度もぶつかり合った。艇の上でけんかしたり、すねたり、泣くこともあった。でも今は確実に断言できる。23クルーの団結は他のクルーに絶対負けない。23クルーはカッター練成期間で大きく成長できた。そのすべてはスタッフをはじめとする23中隊、2大隊のおかげである。
 すべては私たちの勝利のため。熱く厳しく導いてくれたクルー長、艇をいつもベストの状態に管理してくれた短艇係、毎日欠かさず安心米(お湯を入れて作る簡易的なご飯)を作ってくれた栄養管理係、毎日欠かさず体重と怪我の点検にきてくれた安全係。カッターノートにはいつもページが埋まるほどのコメントが書かれていた。私たちクルーはいつしか自然とスタッフへの感謝を込めて漕いでいた。苦しい時、辛い時は周りを見て、クルーのために、スタッフのために漕いだ。
 私たちはスタッフを含め、一生23クルーである。この期間で培った団結心、信頼関係をずっと大切にしていきたい。金クルーの誇りを胸に、感謝を込めて。

決勝レース後のかい立て

2学年 笹島 宏青 県立北筑高校(福岡県)

私はこのカッター競技会を通して多くのことを学ぶことができた。まず、中隊全員で一つのことを目標として団結し、辛いこともきついことも成し遂げる素晴らしさである。
 カッター訓練は、陸上トレーニングから始まり、その中で体幹・筋トレメニュー、ランメニューを行った。ランメニューでは、1組の組長をさせていただいて自分を追い込むことができ、組員を引っ張っていくことができたと思う。
 海上トレーニングでは日頃使わない筋肉を使い、筋肉痛になったり、手にまめができたりと身体がボロボロになりながらも、クルー全員で櫂を漕ぎ艇が進むときの団結した感じはとても気持ちよかった。
 私はクルー全体のまとめ役であるクルーヘッドという任に就くことで人をまとめる事の難しさ、指示を全体に行き渡らせる事の重要性を改めて感じることができた。これまでは、私はそれほど積極的に人の前に出るような性格ではなかったが、多くの方々に支えていただき、クルーヘッドの重責を果たすことができた。この経験を機に積極的に人前に出てリーダーシップ及びフォロワーシップを伸ばしていきたいと思う。

カッター競技会本番にて (下段中央が本人)

2学年 佐久間 数家 県立横浜修悠館高校(千葉県)

私がカッター競技会を通じ学んだことは、前に立つ者の義務と集団に与える影響、つまりリーダーの重要性です。私はクルーヘッドと呼ばれるチームの牽引役として訓練をしました。常に考えていた事は、どうすればチームが優勝できるかということです。訓練時だけでなく、食事、入浴の際にも勝つために必要と思われることを意識して、チームに声をかけました。反省としては、全員に緊張感、義務感のような気持ちを持たせきれなかったこと及び私自身厳しさが足りなかったことです。おそらくこの厳しさの欠如が、チーム全員をカッター競技会に集中させきれなかった理由です。
 カッター競技会とは、手漕ぎのボートで2000メートルを競うものです。要求されるのは身体的なものよりも、精神的なものの方が大きいと感じました。確かに船を漕ぐのに筋肉があったほうが有利です。それでも2000メートルという距離は簡単に漕げません。最後に問われるのは漕ぎ続ける気持ちです。
 私たちは予選で危うく敗退するところでした。しかし、このままでは終われないと皆が気持ちを一つにして敗者復活戦では一位となりました。決勝進出が決まった時、皆思わず叫びました。次も必ず勝つとチームが一つの目標に向かって団結し喜ぶ姿を見て、非常に嬉しく感じたのを覚えています。
 決勝では5位という成績に終わりましたが、敗者復活戦で暫定1位のタイムを出し、決勝でも最後まで優勝に向かって皆が全力を尽くしました。
 カッター競技会で学んだ情熱は、非常に大きく大切なことです。決して忘れることなく、これからも精進していきたいです。

競技会直前に様子にて

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