防大かわら版VOL.53

2015年02月12日

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採用試験合格の皆さまへ ―入校へのアドバイス―

1学年 永淵 亮磨 県立武雄高校(佐賀県)

こんにちは。先ずは、一般採用試験に見事合格された皆さん、合格おめでとうございます。約1年間私が防衛大学校で生活してきた中で、入校前に皆さんに是非やって頂きたいことを2点伝えたいと思います。
 1点目は基礎体力の向上及び健全な生活リズムの確立です。おそらく皆さんは、この1年間夜遅くまで勉強したことで生活リズムが崩れ、運動も疎かになっていることでしょう。しかし、入校後はすぐに体力測定があり、そこでの結果が悪いと体育や校友会への参加が制限されます。また、防衛大学校では毎日決まった時間に起床し、決まった時間に就寝します。入校する前から健全な生活リズムを確立しておくことで心身ともに健康な状態で毎日をより活発に過ごせると思います。
 2点目は家族や友達と会話をすることです。防衛大学校に入校すると、帰省する機会が少なくなり、今まで悩み事を聞いてくれていた家族や地元の友達の大切さを痛感します。入校する前の段階からこれを肝に銘じて、できるだけ多く会話をして欲しいと思います。その時交わした言葉は、皆さんが辛い時に必ず支えとなってくれるはずです。
 この2点のことを実践してもらえれば、入校までの日々を怠惰に過ごすことはなくなると思います。どうかこれからの期間を後悔のないように過ごして欲しいです。
それでは皆さんと防衛大学校で会える日を楽しみにしています。

着校日に対番学生と(左が本人)

1学年 小泉 香那子 私立京都聖母学院高校(京都府)

一般採用試験に合格されたみなさん、おめでとうございます。みなさんは4月からの生活に期待や不安を抱きながら、残り少ない我が家での生活を送られていることと思います。さて、1年前、私もみなさんと同じ気持ちで入校しましたが、私の経験をもとに今のうちにやっておいた方が良いことや学生舎生活で大切なことなどをアドバイスさせていただきます。
 まずは、今のうちにやっておいた方が良いことについて、私からは2つあります。
 一つ目は「親孝行」。私は18年間ずっと家族と生活してきたので、いざ入校してしまったら家族と一緒にいられないことの寂しさを感じるとともに、家族の有難さも感じました。今思えば、些細なことで親にあたっていたことも幸せの一つだったと思います。だから、これから残り少ない家族との時間を大切にし、今までの感謝の気持ちを込めて自分ができる精一杯の力で親孝行してください。
 二つ目は「思う存分遊んでおくこと」。ただし、早寝早起きをして規則正しい生活をした上でのことです。学生舎生活は日課時限が決められているので、できるだけ早く慣れるために、生活のリズムを崩さないようにしてください。おそらく、みなさんは1年間受験生として勉強に追われる日々を送られていたと思いますが、そのご褒美として羽を伸ばすのも今しかできないことです。4月からは学生舎生活が待っているので、今のうちにやりたいことをやっておいてください。
 次に学生舎生活で大切なことですが、それは、元気・挨拶・気配り・気遣いです。これらは社会人として求められることであり、また気配りや気遣いは集団生活をする者として必ず持ち合わせていなければならないことです。より良い学生舎生活を送れる様、心にとめておいてください。
 最後に、桜の咲く頃にみなさんが元気な姿で着校することを願い、私の入校へのアドバイスとさせていただきます。

夏季定期訓練にて(最前列左から2番目が本人)

1学年 森山 桂 広島大学付属福山高校(広島県)

一般前期合格者(人文・社会科学専攻)としてアドバイスできることを以下に述べます。
<採用試験>
 私は一浪で防衛大学校を受験しました。地方協力本部の広報官の方が防衛大学校に関する様々な情報を提供してくださり、分からないことには親身に答えてくださったので、受験や入校に際して特段困ることはありませんでした。また、入校して知りましたが、浪人して入校した学生も多く、現役時代には防大を受験していないという学生もいます。浪人を理由に気後れしたり、不安を感じたりして、受験や入校を躊躇する必要はありません。採用試験に際しては、難問・奇問はほとんどなく高校での学習の定着を試す問題が多く出題されたので、今まで学習した範囲を復習するという一般的な受験勉強で十分対応できました。
<学生舎生活>
 他の学生も多く述べているところなので割愛しますが、一般前期・後期・推薦・総合選抜で区別をつけられることはなく、実際にそれで実力に差があるということもありません。
<体力面>
 入校早々に体力測定が行われます。不合格だと規定の級に合格できるまで、補備訓練を受けることになります。
<訓練>
 誰もがきつく感じるものですが、校友会活動や普段の生活を通して着実に体力・精神力は培われていくので、心配いりません。特に、遠泳に関しては泳力が不足する学生に対し補備訓練が実施されます。私自身、一番泳力のないグループにいましたが、無事基準をクリアして8km完泳しました。
<学科教育>
 受験勉強により、その蓄積を利用できるので、入校当初は余裕を持って授業を受けられると思いますが、次第にこの蓄積はなくなっていきます。授業の空き時間や自習時間を有効的に活用してください。

最後に、説明会等には参加することをお勧めします。私は、広島で行われた説明会での防大OBの方の言葉〈防衛大学校は指導がすばらしいので、最初はできない人も指導についていけば最終的にはできるようになる〉を信じてここまでやってきました。まずは〈基本のキ〉が徹底できてこそ、ステップアップできるのではないでしょうか。受験は大変ですが、合格することはゴールではなくスタート地点に到達するための切符だということを忘れず頑張ってください。そして、みなさんの入校を待っています。

富士登山訓練にて(最前列の左端が本人)

1学年 林 惇平 私立広島なぎさ高校(広島県)

地元の広島県を出発する3月31日、私の心は不安で一杯だったのを今でも鮮明に記憶しています。防衛大学校に入校してからの約1年間は、長く感じることもありましたが、振り返れば、とても早く流れていったなと感じています。4月5日の入校式から7月に行った夏季定期訓練までの期間は、一日一日を過ごすことが精一杯で、季節の移ろいを感じる余裕もないほどでした。おそらく日々の出来事が今までと全く違っており精神的にも肉体的にもかなり疲れていたからだと思います。しかし、それでも前を向いて頑張ることができたのは、同じ部屋や同じ小隊に所属する同期の存在です。同期生達とはほぼ24時間同じ屋根の下、同じカリキュラムで生活しており、辛い時も楽しい時も共に過ごし、様々な場面で励ましてくれました。添付している写真は、同期生との絆を一層深めた夏季定期訓練において真夏の太陽の元で行った戦闘訓練と部隊研修の一枚です。
 防衛大学校は、「日々が辛いと感じる時もある、でもそんな時こそ同期生と力を合わせて自分達を成長させるチャンスだと思い、一生懸命に生活することが大切なのだ」ということを教えてくれました。また、一般大学とは違う経験(訓練や防衛学の講義)も数多くできるということも素晴らしいと思います。もし、自分を成長させ、幹部自衛官として働いていく覚悟があるならば、防衛大学校に入校することを強くお勧めします。

戦闘訓練にて(右から2番目が本人)

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