防大かわら版VOL.148

2023年05月19日

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◯掲示内容一覧
 ・前期学生隊学生長としての決意・抱負
 ・カッター競技会参加所感


前期学生隊学生長としての決意・抱負

深澤 学生

 前期学生隊学生長の任に就くにあたり、その決意と抱負を述べる。
 私は、この一年を通じて、学生の自己修養を促し、「仁」の思いを持った学生隊を追求していくために、「育成」という勤務方針を掲げ、全身全霊を以って勤務にあたっていく。
 「仁」は、年間を通じ、上下級生関係なく、思いやりや慈しみ、人情に厚い心や人間関係を醸成したいという思いから、中・後期学生隊学生長予定者らとともに年間方針として定めた。そして、これを踏まえ、私の勤務方針を「育成」としたのは、前期が、新入生を教育する重要な時期であり、指導にあたる学生にとって、自らの資質を大きく育成させる時期であると考えたためである。
 この方針を掲げるにあたり、目標とするべき事項を2点挙げる。
 1点目が、ハラスメントの防止と積極的な学生間指導の両立である。自らの資質育成の機会である学生間指導を通じて、学生に理想とする幹部自衛官像を思索していってほしいと考えている。
 2点目が、風通しのよい学生隊を作ることである。私は、学生隊学生長として発信するすべての情報において、その説明責任を果たすべく全力で勤務に臨む所存である。組織では様々な問題が発生するが、私はその中で良好な職場環境づくりを主眼に学生隊運営を行っていきたい。
 部隊では、指揮官が自らを厳しく律する姿勢を部下が見て、感化されることで自然と組織における問題が解決されている。学生隊運営における成功の要は、私自身の自己の律し方で決まると考え、上記した目標を達成していく。
 明るく、笑顔を大切に実直に邁進し、誇りと責任感を胸に、前期を学生とともに歩んでいきたい。

42クルーとしてカッター競技会に参加して

松山 学生

 従来通り4月から始まったカッター訓練は、厳しく、また何よりも楽しく、充実した成長のできる1ヵ月間であった。私達42クルーは、他の中隊よりも「金クルー」という色にこだわり続け、自分達自身の「弱さ」に向き合ったと感じる。時にはクルー同士で厳しく言い合うことや、クルーの一人一人が自主的に行動することの大切さを学んだ。正直、最初は「金クルー」を口にしているだけの思い出作りと苦しい時間をやり過ごすだけのカッター訓練であった。このままではいけないと、数人の学生が感じ始めた時から、言動が変わり、行動が変わった。そういった学生の行動は伝染し、最終的には銀クルーをとるまで私たちはクルーとして、何より人として成長できたと確信する。
 また、ここまでやってこられたのは環境を整え、支え続けてくださったスタッフ、中隊、大隊の上下級生の声援、協力があったからだと強く感じる。この素晴らしいカッター競技会は誰か1人が欠けても実現できるものではなかった。今後は、このカッター競技会で学んだことを学生舎生活等に活かし、私自身多くの人々の支えとなり、より一層尽力していく所存である。しかし、実際には金クルーには一歩届かなかった。今後、金クルーをとれなかったこの悔しさは忘れないだろう。

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