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呉地方総監 挨拶

呉地方総監
海将 池 太郎(いけ たろう)

呉地方総監 海将 池 太郎
謹んで新年のお慶びを申し上げます。

  呉においては、明治22年に海軍呉鎮守府が設置されてから、終戦後、海上自衛隊呉地方総監部に時代が変わった後も、128年という永きにわたり、地域の方々から盤石の支えをいただいており、誠に感謝の念に堪えません。我々は、今後とも変化する情勢に柔軟に対応しつつ、与えられた任務を完遂し、国民の負託に応える所存であります。今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。
 我が国周辺国における軍事情勢を概観しますと、北朝鮮は、一昨年36年ぶりに党大会を開催し、金正恩体制の確立を図るとともに2回の核実験に続き、昨年9月にも核実験を強行、複数の弾道ミサイル発射と併せて弾道弾の飛行距離延伸のための開発・試験発射など、軍事的挑発を継続しています。一方、中国は、我が国周辺海空域において、艦船・航空機による活動を引き続き活発化させている一方、南シナ海における埋め立て及びインフラ整備も着々と進展させつつあります。このように、我が国周辺は引き続き不透明な情勢下にあり、海上自衛隊の作戦及び後方支援の一大拠点である呉地区の重要性は、今後、益々増大していくものと認識しております。
 我が国を取り巻く安全保障環境が各段に厳しさを増す中、期待と信頼を重く受け止め、国民の負託に全力で応え、与えられた海上防衛の任務を全うするためには、隊員ひとりひとりが、各人に与えられた任務を「愚直に」完遂していくことが必要不可欠です。「愚直さ」とは、海軍の伝統精神の真髄である「真の正直さ」です。また「愚直さ」は「心の強靭さの尺度」であると共に「精強性を示す指標」に相当します。そして「愚直であること」とは「非常の際には、己の生命の維持という強烈な自己保存本能にも打ち勝つ任務への献身」であり、我々自衛隊員の服務の本旨における「事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務め、もって国民の負託にこたえること」と同義です。
 私は、平成28年7月1日の着任時において指導方針を「愚直たれ」とし、呉地方隊の隊員に対し、「愚直さ」を具現化するための規範として、「最後まで「あ」きらめない」、「物事を「あ」などらない」、「人を「あ」ざむかない」の三つの「あ」から始まる言葉の実践に努めることが緊要であると訓示しました。
 さらに、統率上の心構えとして、呉地方隊の隊員に対して次の二つを申し述べています。一つは「現場の真実を理解すること」です。指揮官たるは、物の見方、考え方について常に素直であることを心掛け、物事に反射的に対応しようと焦ることを戒め、より広く、そして深く、自らの職責上の「現場の真実」を捉えようとする「複眼的な洞察力」を身に付ける必要があります。
 二つは「部下の痛みを理解すること」です。これは部下を甘やかすことではなく、格言に「己所不欲 勿施於人也(己の欲せざる所、人に施すことなかれ)」とあるように、自分がして欲しくないことは、他人にもしてはいけない、とする「仁愛の徳」を意味しています。指揮官が部下の痛みを理解することは、部下にして「任務への命がけの献身」を成熟させるものと確信しています。
 これら統率上の心構えを具現化させるため、呉地方隊としてワークライフバランス推進委員会を設置し「ワークライフバランス=仕事と生活の調和」の推進に努めてまいりました。本年は、ワークライフバランスを「働き方改革(業務の効率化、勤務環境の改善等)」の推進・定着に留めることなく、引き続き「育児・介護等と両立して活躍できるための改革」及び「女性職員の活躍推進のための改革」と共に3つの改革として取り組み、男女すべての隊員が任務に全力で邁進することができる強固な基盤の確立を目指してまいります。
 今後とも「現場の真実を理解すること」そして「部下の痛みを理解すること」の心構えの下、「最後まで「あ」きらめない」、「物事を「あ」などらない」、「人を「あ」ざむかない」の三つの「あ」を規範とし、呉地方隊隊員と共に、真に戦える態勢の構築のため呉地方隊に必要とされる「愚直さ」を追求していく所存です。
 新年を迎えるに当たり、なお一層の御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げ年頭の御挨拶といたします。

                                                       平成30年 新春


 


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プロフィール
出      身
愛知県
前   配   置
教育航空集団司令官
 
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