自 衛 隊 百 科
2月放送内容)


テ-マ:防衛施設紹介シリーズ その⑪下北試験場


パーソナリティー:
 東北防衛局の熊谷昌司局長からお話を伺います。 熊谷局長、よろしくお願いいたします。

局長:
 はい、よろしくお願いいたします。

パーソナリティー:
 はい、今日は東北地方に所在する防衛施設について紹介してもらうシリーズです。今日はどんなところを紹介してもらえますか。

局長:
 はい、今日は防衛装備庁下北試験場についてお話をしたいと思います。
 下北試験場は、青森県下北郡東通村(ひがしどおりむら)の猿ヶ森地区に所在し、防衛装備庁が管轄する試験場施設で、主として、火器・弾薬類の弾道性能に関する試験が行われています。 猿ヶ森砂丘は、下北半島東部の太平洋に面した海岸にあり、そのほとんどが試験場として利用されているため、残念ながら一般の方は立ち入ることはできません。
 下北試験場が所在するこの猿ヶ森砂丘ですが、どのくらい大きい砂丘かご存じですか。

パーソナリティー:
 いいえ、わかりません。 どれくらい大きいんでしょうか、気になります。

局長:
 実は、東京ドーム約290個分ほどの大きさで日本でも最大級の砂丘なんです。

パーソナリティー:
 東京ドームの約290個分だとすると、想像できないくらい大きな砂丘ですね、驚きました。  
 下北試験場の具体的な大きさについても教えていただけますか。

局長:
 はい、地上部分で言いますと、幅約1キロメートル、総延長約13.5キロメートルで、面積は約13.75平方キロメートルの試験場になります。

パーソナリティー:
 それでは、下北試験場の沿革について、教えていただけますか。

局長:
 はい、昭和34年3月に当時の防衛庁技術研究本部下北試験場として発足しました。  そこから組織改編等を経て、平成27年10月に防衛省技術研究本部下北試験場から防衛装備庁下北試験場となりました。

パーソナリティー:
 普段はどのような試験を行っているのですか。

局長:
 はい、下北試験場では火器・弾薬の弾道などに関する性能を確認するための射撃試験が実施されています。
 10式戦車による直接照準射撃試験や155ミリりゅう弾砲による間接照準射撃試験等が実施されています。 また、長さ約360メートルのレールの上をロケットモーターで滑走させ、弾頭の威力や信管の作動性能を確認するためのスレッド試験というものも行われています。 そのほかにも、各種弾・火薬類の落下、銃撃、火災等に対する安全性を確認するための安全性試験が実施されております。

パーソナリティー:
 様々な試験が行われているのですね。 試験を行うに当たって、安全には気をつけて行われていると思いますが、取り組んでいる対策などはありますでしょうか。

局長:
 はい、弾が跳ねてしまう跳弾の防止対策として、箱型のコンクリート構造物等の整備、的となるネット等による着弾の確認等をしております。  
 また、着弾観測の強化として、レーダによる弾道追尾や高速度赤外線カメラによる弾着監視を行っております。  
 そのほか、艦船による海からの警備監視体制の強化、十分な安全距離の確保、安全教育の徹底、緊急連絡体制の徹底などの安全管理に万全を期しています。

パーソナリティー:
 はい、様々な安全対策を講じられているのですね。 そのほかにも配慮している事がありましたら教えて下さい。

局長:
 はい、試験を実施する上で問題となるのが騒音です。そこで、下北試験場において騒音問題に対して日々実施している5つの取り組みをご紹介させていただきます。 試験場内及び周辺地域5ヶ所における騒音自動計測の実施、火砲付近への防音壁等の設置、試験日程に対する配慮、騒音の発生が予想される試験予定の通知、そして射撃騒音の低減化に関する調査・検討も行っています。 周辺地域の方々のご理解をいただくためにも、このような安全管理体制の強化や騒音対策は必要不可欠と考えています。

パーソナリティー:
 そのような取り組みにより、周辺地域との共存がなされているのですね。

局長:
 はい、下北試験場は周辺地域との共存に努めています。その他の取り組みとして、下北試験場では周辺地域との交流を積極的に進めています。

パーソナリティー:
 交流の内容について、詳しく教えていただけますか。

局長:
 はい、スポーツを通じた交流や出初め式等の地域の行事への参加、児童・生徒の見学の受け入れを行っています。そのほかにも、定期的な海岸の清掃などの活動も実施しております。

パーソナリティー:
 はい、直接地域の方々と交流する機会があると、より下北試験場について深く知っていただくことができますよね。  
 本日は東北防衛局の熊谷昌司局長から、お話をお伺いしました。ありがとうございました。

局長:
 こちらこそ、どうもありがとうございました。



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