防衛省・東北防衛局がおくる日本の防衛Q&A
(1月放送内容)



 

テ−マ:防衛省・自衛隊におけるワークライフバランスと
女性の活躍の推進について

 
 


パーソナリティー:
 本日は東北防衛局の熊谷昌司局長からお話をお伺いします。熊谷局長、よろしくお願いいたします。

局長:
 ラジオをお聞きの皆様、本年もよろしくお願いいたします。
 本日は、防衛省・自衛隊におけるワークライフバランスと女性の活躍の推進について、お話したいと思っております。

パーソナリティー:
 ワークライフバランスと言いますと、仕事と生活の調和という意味だったと思いますが、防衛省では、どのような経緯でワークライフバランスに取り組まれているのでしょうか。

局長:
 はい。わが国を取り巻く安全保障情勢が一層厳しさを増し、防衛省・自衛隊の対応が求められる事態が増加するとともに長期化しつつある一方で、社会構造の変化を背景に、その任務を担う防衛省の職員は、育児・介護などの事情のため時間や移動に制約のある人が今後男女ともに、増加するものと考えられます。このような厳しい状況の中で、各種事態に対応できる態勢を確保するためには、職員が心身ともに健全な状態で、高い士気を保って、その能力を十分に発揮できる環境を整えることが必要であるとの考えから、防衛省・自衛隊においても、職員の仕事と生活の調和「ワークライフバランス」に関する取組を進めています。
 また、女性職員の活躍の推進にも積極的に取り組んでいまして、ワークライフバランスと女性職員の採用・登用のさらなる拡大を一体的に推進するため、3つの改革、すなわち、@防衛省における働き方改革、A育児・介護などと両立させるための改革、B女性職員の活躍推進のための改革を盛り込んだ各種計画を策定するなど、様々な取組を行っています。

パーソナリティー:
 はい、それでは、先ほどの3つの改革について、具体的にどのような取組がされているのか教えていただけますか。

局長:
 はい。1つ目の「働き方改革」にあたっては、特に管理職員などの働き方に対する価値観や意識の改革を行う必要があります。防衛省・自衛隊においては、平成29年以降、働き方改革やワークライフバランスに関する意識啓発のため、セミナーや講演会などの教育を実施しています。  
 また、業務の事情や個人の抱える時間制約などの事情を踏まえ、働く場所と時間の柔軟化が必要であることから、平成28年度からフレックスタイム制を導入したほか、平成29年度から防衛本省において、自宅における勤務を可能とするテレワーク環境を整備し、利用を開始するなど、着実に進めてきています。

パーソナリティー:
 次に2つ目の「育児・介護などと両立させるための改革」について教えていただけますか。

局長:
 はい。男女ともにワークライフバランスを実現しつつ活躍するためには、育児・介護などと仕事を両立するための制度や、不規則な勤務態勢にある自衛隊の特性にあった保育の場を確保することなどが必要です。 育児休業などを取得する職員のための代替要員の確保など、様々な制度を整備しているほか、特に、男性職員の家庭生活への参画を推進するため、男性職員の育児休業の取得促進などに取り組んでいます。
 また、保育の場を確保することは、子育てをする隊員が任務に専念する上で重要でありますので、平成19年4月以降、陸自の三宿、熊本、真駒内の各駐屯地と朝霞駐屯地、海自の横須賀地区、空自の入間基地のほか、防衛本省のある市ヶ谷地区などに庁内託児施設を整備しています。  
 さらに、災害派遣など、緊急での出勤時において、他に預け先がない隊員の子どもを自衛隊の駐屯地などで一時的に預かる緊急登庁支援といった施策も推進しています。

パーソナリティー:
 自衛隊施設の中には、託児所が整備されているところもあるのですね。
 それでは、3つ目の「女性職員の活躍推進のための改革」について教えていただけますか。

局長:
 はい。防衛省・自衛隊では、女性職員の採用・登用の拡大を図るため、具体的な目標を定めるなど、意欲と能力のある女性職員の活躍を推進するための様々な取組を行ってきています。
 さらに、平成29年4月「女性自衛官活躍推進イニシアティブ、時代と環境に適応した魅力ある自衛隊を目指して」を策定しまして、女性自衛官の活躍の推進に取り組む、意義と人事管理の方針について明らかにしています。具体的には、自衛隊の任務が多様化・複雑化する中、自衛官には、これまで以上に高い知識、判断力、技術を備えた多面的な能力が求められるようになってきています。
 また、自衛隊において、現時点で必ずしも十分に活用できていない最大の人材源は、採用対象人口の半分を占める女性です。女性自衛官の活躍を推進することは、@有用な人材の確保、A多様な視点の活用、Bわが国の価値観の反映、といった重要な意義があります。 このため、防衛省・自衛隊として、意欲と能力、適性のある女性があらゆる分野にチャレンジする道を拓き、女性自衛官比率の倍増を目指すこととしています。

パーソナリティー:
 女性自衛官の活躍と言えば、防衛白書の中で、空自初の女性戦闘機パイロットの誕生についてのコラムがありましたよね。

局長:
 そうですね。1980年代後半以降、先進国で女性戦闘機パイロットが続々と誕生し活躍しているなか、平成27年、航空自衛隊においても女性に対する戦闘機パイロットへの門戸が解放されました。
 こうした女性自衛官の配置制限の解除につきましては、従来から順次見直しを行ってきているところで、平成30年12月に潜水艦の配置制限を解除したことによって「母性の保護」の観点から女性を配置できない一部部隊を除きまして、配置制限が解除されました。

パーソナリティー:
 女性自衛官の採用も増えているのでしょうか。

局長:
 はい。女性自衛官は平成31年3月末現在で、約1.6万人で全自衛官の約6.9%を占めています。近年増加傾向にあります。 女性自衛官の採用については、令和9年度までに全自衛官に占める女性の割合を9%以上とすることを目標に、平成29年度以降の採用者に占める女性の割合を10%以上とすることとしています。
 また、女性の事務官、技官、教官などは、平成31年3月末現在で、約3,300人で全事務官等の約25%、こちらも近年増加傾向となっています。
 なお、東北における女性の幹部自衛官を一部紹介しますと、海上自衛隊初の幕僚長として大湊地方総監部幕僚長の近藤奈津枝(こんどうなつえ)海将補や陸上自衛隊初の特科連隊長として第9特科連隊長兼ねて岩手駐屯地司令の横田紀子(よこたのりこ)1等陸佐などが活躍されています。

パーソナリティー:
 はい、ありがとうございます。
 本日は、防衛省におけるワークライフバランスと女性の活躍の更なる推進について、東北防衛局の熊谷局長から、お話をお伺いいたしました。
 熊谷局長、どうもありがとうございました。

局長:
 こちらこそ、ありがとうございました。

パーソナリティー:
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