自 衛 隊 百 科
12月放送内容)


テ-マ:防衛施設紹介シリーズその⑩八戸航空基地


パーソナリティー:
 本日は東北防衛局総務部長の坂部誠部長からお話を伺います。坂部部長、よろしくお願いいたします。

部長:
 はい。よろしくお願いいたします。  
 はじめに、台風19号等の災害により亡くなられた方のご冥福をお祈りしますとともに、被災された方々に対し、心よりお見舞い申し上げます。
 本日は、防衛施設紹介シリーズとして、海上自衛隊の八戸航空基地についてお話ししたいと思います。

パーソナリティー:
 はい。よろしくお願いいたします。

部長:
 八戸航空基地は青森県八戸市に所在する海上自衛隊の基地です。 昭和16年、旧日本陸軍の飛行場として使用を開始し、終戦後は米陸軍が駐屯しておりましたが、基地が返還された後、昭和32年に大湊地方隊隷下部隊として、八戸航空隊が新編されて以降、これまで長い歴史を辿っています。 現在の八戸航空基地には第2航空群という部隊にP-3C哨戒機が配備されており、わが国周辺海域における警戒監視等の任務に当たるとともに、部隊の精強性・即応態勢維持のため、日頃から訓練等に取り組んでいます。

パーソナリティー:
 八戸航空基地には、長い歴史があるのですね。

部長:
 はい、今年で開隊から62年を迎えています。
 
パーソナリティー:
 そうなんですね。 続いて、任務の内容について教えていただけますか。

部長:
 はい、P-3Cを運用している第2航空群の任務は警戒監視です。 海上自衛隊では、P-3Cにより、日本周辺海域における船舶などの状況をそれぞれの基地から監視しています。主な警戒監視区域は日本海北部、北海道海域です。
 続いて災害派遣です。災害の救援等のため、自主的にあるいは要請により対応するため、直ちに即応できる態勢をとっております。
 次は民生協力です。海上自衛隊は、気象庁からの依頼により、昭和35年から海氷観測を実施しています。 この海氷観測は、冬期、北海道近海の船舶の安全な航行に影響のある海氷の状況を観測するものです。
 次に海外派遣です。平成21年に成立した「海賊対処法」に基づき、アフリカのジブチ共和国を拠点として活動を行っています。主な活動内容は、P-3C哨戒機による警戒監視や商船、艦艇等への不審船の情報提供などです。
 八戸航空基地は固定翼哨戒部隊として最北端に位置しており、厳しい気象条件下で安全を確保しつつ任務を遂行しています。

パーソナリティー:
 厳しい環境でありながら様々な任務を行い、日本の安全を守っているんですね。
 では、部隊編制はどのように構成されているのでしょうか。

部長:
 まずは、群を構成する部隊及びP-3Cの指揮並びに群全般の隊務を統括する第2航空群司令部、周辺海域の海上防衛を任務とし、海上交通の安全確保のため監視及び災害派遣を行う第2航空隊、P-3Cのエンジンや機体等の整備作業と航空機の部品や燃料等の補給を行っている第2整備補給隊、施設の管理、警備、航空機の管制等、広範囲にわたる支援業務を行う八戸航空基地隊があります。 このほかにも、機動施設隊などで構成されています。

パーソナリティー:
 それぞれの部隊で、任務の内容が異なるのですね。
 訓練に取り組んでいるとお伺いましたが、具体的にどのような訓練を行っているのですか。

部長:
 第2航空群では、災害関連の訓練として、東日本大震災の教訓等に基づいて、大規模な災害が生起し、それにより大きな被害が発生したことを想定とした災害派遣訓練を行っています。 具体的には、基地外の瓦礫の撤去及び人命救助の災害派遣訓練や、基地周辺道路における避難車両による渋滞を避けるための車両誘導訓練を実施しました。 このように日頃から訓練を重ね、災害に対処できる態勢を整えています。

パーソナリティー:
 日頃から、大規模な災害発生を想定した訓練をしていれば、やはりいざという時に、より迅速な対応ができますね。
 続いて、八戸航空基地で開催されているイベントがありましたら教えて下さい。

部長:
 はい、八戸航空基地では、毎年、開隊記念行事として、記念式典及び基地の一般開放がありまして、今年は9月21日に行われました。
 当日、基地内では、陸・海・空自衛隊や米海軍の航空機の地上展示や、P-3Cの飛行展示等が行われたほか、格納庫の中では、海上自衛隊大湊音楽隊による演奏会、八戸ご当地アイドルによるステージイベントや地元の伝統舞踊「高舘駒踊(たかだてこまおどり)」が披露されるなど、多くの観客を魅了していました。  
 このほかにも、毎年大人気の「花電車」が運行されるなど、地域の方々に楽しんで頂けたのではないかと思います。

パーソナリティー:
 実際に基地の中に入ることで自衛隊の活動や八戸航空基地について深く知ることができる、大変良い機会ですね。ほかには何かありますか。

部長:
 はい、八戸航空基地では、基地見学ツアーを実施しており、広報資料館「うみねこ館」、航空機や航空管制塔のほか、消防車等の装備品を見学することができます。 実施日は、祝日を除いて、月曜から金曜の午前10時から約1時間半、または午後2時から約1時間半の見学ツアーとなっております。  
 また、平成14年度から実施されている新学習指導要領において新設された中高校生の「総合的な学習の時間」に対して、防衛省としても協力しており、自衛隊の活動についての説明や基地内見学、隊内生活体験等の協力を行っています。 機会がありましたら、こうしたイベントに足を運んでいただき、自衛隊及び八戸航空基地について、ご理解いただければと思います。

パーソナリティー:
 はい、皆さんも機会がありましたら、ぜひ、八戸航空基地に足を運んでみてくださいね。  
 本日は、八戸航空基地について、東北防衛局総務部長の坂部誠部長から、お話をお伺いしました。ありがとうございました。

部長:
 こちらこそ、ありがとうございました。


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