防衛省・東北防衛局がおくる日本の防衛Q&A
(12月放送内容)



 

テ−マ:自衛隊及び在日米軍施設の安定運用に係る
      民公有地等の賃貸借料及び用地買収について

 
 


パーソナリティー:
 本日は東北防衛局総務部長の坂部誠部長からお話を伺います。坂部部長、よろしくお願いいたします。

部長:
 はい。よろしくお願いいたします。
 はじめに、台風19号等の災害により亡くなられた方のご冥福をお祈りしますとともに、被災された方々に対し、心よりお見舞い申し上げます。
 本日は、東北防衛局が実施している施設取得業務の中で自衛隊及び在日米軍施設の安定的な運用に必要な民公有財産の賃貸借契約などについてお話ししたいと思います。

パーソナリティー:
 はい。よろしくお願いいたします。

部長:
 まず、自衛隊の用に供する民公有財産については、国自らその土地等を使用するため、原則として買収していますが、買収によりがたい場合には、土地等の所有者と賃貸借契約を締結しています。 土地等の「等」には、住宅・事務所など建物や工作物が含まれます。
 つぎに、駐留軍の施設及び区域として民公有地の土地等が必要となった場合は、原則として賃貸借契約により使用することとされていますが、土地等の提供に際し、買収が条件となった場合や、長期返還の見込みがなく土地等の所有者から経済的事情により買収請求があった場合等においては、これらの土地等の買収を実施しています。

パーソナリティー:
 具体的には、どのような賃貸借契約があるのか教えて下さい。

部長:
 はい。自衛隊施設で申し上げますと、宮城県に所在する王城寺原演習場や福島県の白河布引山演習場の保安用地や、東北6県で自衛官の募集等を担当している自衛隊地方協力本部の地域事務所の建物等のほか、駐屯地が使用する通信線等の電柱の借り上げなど様々なものがございます。 駐留軍の関係ですと、東北地方ではすべてが青森県内に所在しており、三沢飛行場などの一部土地の借り上げがございます。

パーソナリティー:
 駐留軍が使用する土地等は、どのような根拠で日本側が借り上げを行わなければならないのでしょうか。

部長:
 それは、条約上の義務に基づいておりまして、「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(昭和35年条約第6号)」及び「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和35年条約第7号)」の規定に基づき、駐留軍が使用する施設及び区域を提供するため、民公有の土地等については、土地等の所有者と賃貸借契約を締結し、継続的、かつ、安定的な使用権原を確保しているということです。

パーソナリティー:
 そうですか。条約によって日本側に義務があるということですね。

部長:
 そうなんです。

パーソナリティー:
 自衛隊及び駐留軍が使用する土地等の賃貸借ということになると、土地等の所有者の権利関係や、その賃借料が気になるところですが、どのように賃貸借契約を結ばれているのでしょうか。

部長:
 防衛施設として民公有財産を賃貸借契約の締結により取得することとなった場合は、登記簿並びに必要に応じて戸籍謄本や住民票等を基に土地所有者を特定しまして、土地等の所有者に対し、賃貸借契約の内容(目的、使用期間、賃借料等)について、ご理解を得たうえで、その土地等の所有者との間で賃貸借契約を締結することとなります。
 賃借料の決定に当たっては、「駐留軍ノ用ニ供スル土地等ノ損失補償等要綱(昭27.7.4.閣議了解)」等の算定基準がございまして。賃借料の基本となる「評価額」を算定の上、土地等所有者との折衝を経て、双方合意の下、賃借料額を決定することになります。この「評価額」の算定に際しては、地価の動向や公的機関発行の資料等を十分に収集した上で、より適正な「評価額」の算定に努めることとなっています。

パーソナリティー:
 一般に行われている、不動産の鑑定評価のようなものですね。

部長:
 おっしゃるとおりです。鑑定評価と同じような作業を行っていますが、今お話ししたとおり、必要に応じては不動産鑑定士への鑑定評価の依頼を行うこともございます。

パーソナリティー:
 賃貸借契約の折衝に当たっては、様々な情報を収集した上で、土地等の所有者へ説明し、契約を行っているんですね。

部長:
 そうですね。やはり所有者の方の意見等も十分に踏まえながら、国側が必要とする事情についても十分に説明しつつ、ご理解を得て契約することで、防衛施設の安定使用に結びつくものと考えております。

パーソナリティー:
 はい、冒頭に部長からお話がありましたが、自衛隊の用に供する民公有財産については、国自らその土地等を使用するため、原則として買収するとのことでしたが、土地の買収でも評価額等の算定を東北防衛局が行っているのでしょうか。

部長:
 そうです。評価額の算定を行っていますが、特に土地の買収ということになると、用地取得に必要な用地測量、物件調査を行うことになります。
 用地測量では、買収する土地の面積を測量するのは当然なのですが、買収地に隣接する土地所有者を調査し、その方々からの同意も取らなければならない作業が出てきます。
 その方々に対しても、買収する目的等を丁寧にご説明し理解を得ることが大切となってきます。
 さらに、その土地に対する不動産鑑定を実施し、買収時の適正な価格を評価しなければなりません。 これらの作業を積み重ねた上で、土地所有者からご理解を得られるよう説明・価格交渉を行い、用地買収が行われます。

パーソナリティー:
 はい、なかなか大変なお仕事のようですね。

部長:
 自衛隊・駐留軍の賃貸借契約や用地買収は、土地等の所有者や周辺の方々のご理解とご協力がなければ、防衛施設の安定的な運用は成り立ちません。したがって、真摯に取り組みながら、正確な情報や資料の収集に努め、今後とも関係者や地域の方々への丁寧な説明を心掛けることが大切だと考えております。

パーソナリティー:
 ありがとうございました。そろそろお時間となりました。 本日は、自衛隊及び在日米軍施設の安定運用に係る民公有地等の賃貸借料及び用地買収について、東北防衛局総務部長の坂部誠部長から、お話を伺いました。坂部部長、どうもありがとうございました。

部長:
 こちらこそ、どうもありがとうございました。

 
 
  
 
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