自 衛 隊 百 科
8月放送内容)


テ-マ:防衛大学校について


パーソナリティー:
 本日は7月より東北防衛局長に着任されました熊谷昌司局長からお話をお伺いいたします。熊谷局長、よろしくお願いいたします。

局長:
 はい、東北防衛局長の熊谷です。今日はよろしくお願いいたします。

パーソナリティー:
 お願いいたします。山形にゆかりをお持ちの局長ということですので、このコーナーでも少しずつそういったプロフィールもお伺いできればな、なんて思いながら、今日は防衛大学校についてというテーマでお話をお伺いしていきたいと思います。

局長:
 はい、防衛大学校とは将来幹部自衛官となる学生を育成する日本で唯一の大学教育機関です。
 昭和27年、その前身となる保安大学校として誕生し、横須賀市久里浜の仮校舎で開校したのち、昭和29年防衛大学校に改名いたしまして、翌30年に現在の横須賀市小原台に移転し、今に至っております。

パーソナリティー:
 はい、防衛大学校は「大学」ではなく、「大学校」と呼ぶのですね。

局長:
 はい、防衛大学校は、文部科学省所管の学校ではなく、「将来、陸上・海上・航空の各自衛隊の幹部自衛官となるべき者を養成するため」に防衛省設置法によって設立された、防衛省所管の学校です。
  文部科学省が所管する「大学」ではないために「大学校」と呼ばれていますが、その教育課程は文科省の定める大学設置基準に準拠しております。

パーソナリティー:
 なるほど、そうなのですね。
 防衛大学校と一般の大学との違いというのは他にもあるんでしょうか。

局長:
 いくつかありますけども、特に大きな違いとしましては、学生でありながら手当があることが挙げられると思います。
 防衛大学校の学生は、学生であると同時に、身分は特別職の国家公務員です。そのため、毎月学生手当が支給されることになっております。

パーソナリティー:
 はい、学生として学業に励みながら手当を受け取ることができる、羨ましい環境ですね。

局長:
 はい、防衛大学校学生は、自衛隊員であり、学業、訓練に専念することが仕事です。  このため、このように給与が支給されますが、病気ややむを得ない場合を除き、自己都合で授業や訓練を休むことはできません。

パーソナリティー:
 はい、訓練もあるのですね。

局長:
 そうなんです。
 主に第1学年時に履修する共通訓練、第2学年から陸上、海上、航空の各要員別に履修する専門訓練があります。週1回2時間の訓練の他、1年に4回、集中的に行われる定期訓練があります。

パーソナリティー:
 将来の幹部自衛官を育てる学校ならではの特徴ですね。
 他にも学生生活について詳しく教えていただけますか。

局長:
 はい、防衛大学校の学生は、全員が入校と同時に学生隊に属し、学生舎において4年間の共同生活を送ります。
 学生隊というのは、学生によって構成される組織で、共同生活を送る上での基本単位となっています。教育や訓練のほか、各種競技会など校内における様々な行事も、この学生隊を主体に行われております。

パーソナリティー:
 はい、学生たちは共同生活を行っているのですね。
 一般大学における学生寮と言われるものとは異なるのでしょうか。

局長:
 はい、学生たちは決められた日課に従い、規律正しい生活を送ります。
 規律ある団体生活を送ることで知らず知らずのうちに幹部自衛官としての資質が養われていきます。
  こうした学生舎での生活は、単なる共同生活に留まらず、防衛大学校の3本柱の1つとして、位置づけられております。
  
パーソナリティー:
 そうなのですね。
 防衛大学校の3本柱というワードが出ましたが、残りの2つについても教えていただけますか。

局長:
 はい、2つ目は、教育・訓練です。
教育課程については、先程も触れましたが、基本的には一般大学と同じような科目の履修ですけれども、防衛大学校独自のものの例としましては、例えば、幹部自衛官による防衛学の授業があります。
 そして、3つ目が、校友会活動と呼ばれるもので、いわゆる部活動のことです。
 原則として、全員が運動部に入部しますが、文化部活動も活発に行われ、文化部と兼部する学生もいるようです。

パーソナリティー:
 そうなんですね。そうした環境で、4年間を過ごし、乗り越えた学生たちが将来の幹部自衛官に育っていくのですね。  
 では、学生たちの卒業後の進路についても教えていただけますか。

局長:
 はい、卒業後は要員ごとに、陸上自衛官、海上自衛官、航空自衛官として、それぞれの幹部候補生学校に入校します。
 それぞれの要員は、卒業後約1年で、幹部自衛官に任命されます。その後は、自衛隊の職域に応じた専門教育を受けながら幹部自衛官としての道を歩み、将来は各自の能力・努力に応じて重要な地位に就くことになります。

パーソナリティー:
 なるほど。防衛大学校を卒業した後にも、幹部候補生学校への入校が待っているのですね。
 このラジオを聞いている受験生達が防衛大学校に入るための入試情報などありましたら教えていただけますか。

局長:
 はい、防衛大学校では、全国から幅広く、バランスのとれた人材の確保のために、3種類の入試形態を採っております。
 1つ目は、従来の一般試験です。1次試験は学力試験、2次試験は口述試験及び身体検査となっております。
  2つ目は、推薦試験です。これは、成績優秀かつ生徒会活動、部活動などで優秀な成績を収めた人が対象の試験で、加えて高等学校長の推薦が必要となります。
 試験内容としては、一般試験と同様に、学力試験、口述試験、身体検査があります。
 3つ目は、総合選抜試験です。1次試験は学力試験ですが、2次試験が先のふたつの試験とは異なっていて、口述試験、身体検査のほかに、適応能力試験、問題解決能力試験、基礎体力試験があります。

パーソナリティー:
 総合選抜試験というのは、聞き慣れない名前ですね。
 試験内容の適応能力試験というのもどういった試験なのか大変気になります。

局長:
 はい、適応能力試験というのは、2次試験の際に、受験生が実際に防衛大学校に宿泊し、宿泊を通じて、集団生活への適応能力、リーダーシップ及びフォロワーシップなど、受験生の行動を評価するという試験です。   
       
パーソナリティー:
 なるほど、共同生活を送ることから、適応能力が求められる、防衛大学校ならではの試験だなと感じると同時に、多様な試験形態があることがわかりました。

局長:
 今お話しましたのは、入試情報の一部となっております。
 防衛大学校では見学と入試説明がセットとなった「防大ツアー」を8月30日まで行っておりますので、詳しいご案内については、防衛大学校のホームページをご覧になるか、最寄りの地方協力本部にお問い合わせください。   

パーソナリティー:
 はい、ここまでのお話を聞いて、防衛大学校に興味を持たれた方も多いのではないかと思います。
 防衛大学校でも、一般の方向けのイベント等はあるのでしょうか。

局長:
 はい、あります。11月に開校記念祭が毎年開催されております。いわゆる学園祭ですが、観閲式、訓練展示、棒倒し等、防大ならではの行事や展示が行われております。
  興味のある方はぜひ、足を運んでいただきたいと思います。       

パーソナリティー:
 はい、大変迫力のありそうな感じですね。
 ぜひ興味のある方は東北防衛局のホームページや、お近くの地方協力本部等でも御紹介ありますので、お問い合わせをいただければと思います。
 さて本日は東北防衛局の熊谷昌司局長から、防衛大学校についてお話をお伺いしました。どうもありがとうございました。  

局長:
 どうもありがとうございました。

パーソナリティー:
 このコーナーでは、よりよい内容にしていくため、ラジオをお聞きの皆さまからご意見・ご感想を募集しております。お聞きのコミュニティ放送局までご連絡ください。



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