防衛省・東北防衛局がおくる日本の防衛Q&A
(7月放送内容)



 

テ−マ:米陸軍車力通信所について

 
 


パーソナリティー:
 本日も東北防衛局の伊藤茂樹局長からお話を伺います。伊藤局長、よろしくお願いいたします。

局長:
 はい。よろしくお願いいたします。
 本日は、青森県の北西部、つがる市に所在します米陸軍車力通信所についてお話をしたいと思います。
 この米陸軍車力通信所には、非常に長い部隊名なのですが、「第94米陸軍対空ミサイル防衛コマンド第10ミサイル防衛中隊」という部隊が駐留しております。もう一度言います。「第94米陸軍対空ミサイル防衛コマンド第10ミサイル防衛中隊」です。
 この車力通信所が配備されるまでの経緯についてご紹介しますと、平成17年10月、日米安全保障協議委員会いわゆる「2+2」における共同文書「日米同盟:未来のための変革と再編」におきまして、米軍再編の一環としまして、新たな米軍のXバンド・レーダー・システムの日本における最適な展開地を検討することが明記されたところから始まります。

パーソナリティー:
 このXバンド・レーダーとは、どのようなものなのでしょうか。

局長:
 はい、このXバンド・レーダーは、我が国に向かう弾道ミサイルを探知・追尾する能力を持っていまして、日米間の情報共有を通じてですね、我が国の弾道ミサイル防衛の、いわば「目」としての役割を果たす極めて重要なものなんです。
 つがる市の車力地区には、元々、航空自衛隊の車力分屯基地がありまして、敵の航空機による攻撃から守るためのミサイル部隊が所在しておりましたけれども、この車力分屯基地の敷地の一部を米軍のXバンド・レーダーの展開地とすることについて、ご理解とご協力を青森県とつがる市に要請いたしました。
 その後、青森県とつがる市から、Xバンド・レーダーの配備について容認していただきまして、平成18年5月の「2+2」で合意された「再編実施のための日米のロードマップ」という文書においてですね、Xバンド・レーダーの展開地として、「航空自衛隊車力分屯基地」が明記されました。
 また、そのなかでは日米双方が、弾道ミサイル防衛能力を向上させることによって、緊密な連携が継続されること、また、Xバンド・レーダーのデータを日本国政府と共有することなどが書かれております。


パーソナリティー:
 実際にXバンド・レーダーが配備されたのは、いつからでしょうか。

局長:
 はい、平成18年6月から暫定的に運用を開始しまして、1年後の平成19年6月にその暫定的な展開地から現在の展開地にXバンド・レーダーを移動しまして、本格運用が開始されております。
 
パーソナリティー:
 配備当時、地元の住民の方などから、米軍が来ることへの不安の声などはあったのでしょうか。

局長:
 はい、やはり、当時はそのような声も多く寄せられまして、地元のつがる市からは、車力通信所に関する情報を適切に提供することや地元住民の十分な理解を得るよう求められております。
 このため、東北防衛局では、当時はまだ仙台防衛施設局でしたけれども、つがる市役所車力支所の中に「つがる現地連絡所」を開設いたしまして、地元の方々からの相談対応のほか、関係機関との調整や情報提供などを行いまして、周辺住民の方々の不安解消に努めてまいりました。
 
パーソナリティー:
 はい、今もこの「つがる現地連絡所」は開設されているのでしょうか。

局長:
 はい、「つがる現地連絡所」につきましては、現在も開設しておりまして、関係機関との調整や情報提供などを実施しております。
 また、この現地連絡所とは別ですけれども、米軍人等が関係する事件・事故の防止や地域社会における日米の良好な関係の形成について協議することを目的としまして、防衛局、米軍、航空自衛隊のほか、青森県、つがる市役所、青森県警、つがる警察署、そして地元町内会の代表者の方々を含め、関係者が一堂に会する連絡会、名前は「米軍の早期警戒レーダー配備に係る連絡会」と言いますけれども、これを平成18年6月に設置しまして、以降、定期的に会合を開きまして、意見交換などを行ってきております。


パーソナリティー:

 はい、地元の方と良好な関係を築くために、何か交流などはされているのでしょうか。

局長:
 はい、米陸軍車力通信所の米軍人など関係者は、地元地域のイベントに積極的に参加しておりまして、地域住民の方々と交流を深めております。
 地元の小学校の運動会ですとか中学校の体育大会にボランティアとして参加したり、地域の伝統的なお祭りなどに参加しているほか、在日米軍と地域住民の方々との良好な関係を構築することを目的として、私たち東北防衛局で実施している日米交流事業では、文化交流としましてですね、先月の6月26日と27日に地元の小学生と車力通信所の米軍人の混合チームで、それぞれ創意工夫を凝らしながら、田畑の守護神である「かかし」をですね、共同で制作しまして、その出来映えを競い合ったところです。

パーソナリティー:
 その制作した「かかし」は今後どうされるのですか。

局長:
 はい、各チームが制作したオリジナルの「かかし」は、現在、つがる市内の公共施設に展示しておりまして、市民の方々に見ていただきまして、良かったものに投票していただいて、その結果をもとに9月に表彰式を行う予定となっております。
 なお、表彰式が終わった後につきましては、つがる市車力地区の屋外にこれらの「かかし」を展示しまして、稲を鳥から守るというかかし本来の目的のほか、地域の守り神として活躍してもらう予定です。

パーソナリティー:
 すばらしい交流イベントですね。他にも何かあるのですか。

局長:
 はい、つがる市での「かかし作り」の日米交流事業は、今回で3回目を迎えましたけれども、青森県の津軽地方といえば、米どころとして、「つがるロマン」や「青天の霹靂」などが青森のお米として有名ですけれども、地元の小学生が授業で米作りを学んでいまして、体験学習として田植えや稲刈りを行う際に、車力通信所の米軍人や航空自衛隊車力分屯基地の隊員のほか、私たち防衛局の職員もボランティアとして、昨年度から参加させていただいております。
 今年の田植えには、残念ながら米軍関係者は都合により参加できませんでしたが、地域の方々や航空自衛隊の隊員も一緒に総勢約60人で「まっしぐら」という品種のお米の田植えをしてまいりました。  
 また、12月には、航空自衛隊車力分屯基地が主催する「餅つき」には地域の方々や小学生のほか、米軍人も参加しておりまして、春の田植えから、かかし作り、秋には稲刈り、冬の餅つきと1年を通して、地域の食文化を学ぶとともに、お米づくりを通じた日米交流を図っております。

パーソナリティー:
 さまざまな交流を通して、地域の方々との交流を深めているのですね。

局長:
  はい、私たち東北防衛局といたしましては、これからも様々な機会をとらえまして、在日米軍や防衛省・自衛隊の活動等に対する地域住民の皆さまのご理解を深めていただけるよう、積極的に各種施策を実施していきたいと考えております。
 
パーソナリティー:
 伊藤局長、本日もありがとうございました。本日は、米陸軍車力通信所について、東北防衛局の伊藤局長から、お話をお伺いいたしました。どうも、ありがとうございました。

局長:
ありがとうございました。  


パーソナリティー:
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