自 衛 隊 百 科
月放送内容)


テ-マ:東北防衛局について


パーソナリティー:
 本日は東北防衛局長の伊藤茂樹局長からお話を伺います。伊藤局長、よろしくお願いします。

局長:
 はい。よろしくお願いします。
 今回は、新たな年度の始まりということで、私達の東北防衛局について紹介したいと思います。

パーソナリティー:
 これまでも色々と東北防衛局についてお話を伺ってきましたが、4月になり、新しくこの放送をお聞きの方もいらっしゃると思うので、改めてご紹介いただけるのはいいですね。

局長:
 はい。東北防衛局の歴史としましては、昭和37年11月に当時の調達庁と防衛庁建設部が合併して防衛施設庁が発足した時まで遡ります。この時に、地方支分部局として、仙台防衛施設局が仙台市に設置されました。
 その後、平成19年9月に組織改編があり、名称も東北防衛局と改め、現在、仙台市の本局の他に、青森県の三沢市に三沢防衛事務所、福島県の郡山市に郡山防衛事務所がありまして、東北6県を管轄し、職員約230名が勤務しております。

パーソナリティー:
 とても長い歴史があるのですね。業務内容は、発足当時から変わっていないのですか。

局長:
 いいえ、東北防衛局となった時に新たな業務が追加されております。
 仙台防衛施設局時代の主な業務は、自衛隊や在日米軍が使用する防衛施設の取得・管理・建設、あるいはその設置や運用に起因して生ずる障害、例えば、航空機の騒音などですが、これらの対策、米軍関係の事件や事故に係る損害賠償、また在日米軍基地で勤務する日本人従業員の雇用や労務管理などでした。
 現在では、これらの業務に加えて、装備品の調達に係る監督・検査業務や地方協力確保事務も担っております。

パーソナリティー:
 「地方協力確保事務」とは、聞き慣れない言葉ですがどのような業務でしょうか。

局長:
 はい、防衛省の所掌事務全般を円滑かつ効果的に実施するためには、地方公共団体や地域住民の方々の理解と協力を得ることが重要でありますが、そういった理解と協力を確保するための事務が「地方協力確保事務」です。
 例えば、米軍の再編、自衛隊の部隊改編、法律の制定改廃、新たな訓練の実施等に関して、これらに関係する地方公共団体等との間で調整ですとか、各種施策の周知等の業務をいいます。

パーソナリティー:
 「地方協力確保事務」とは、色々な業務があるのですね。ところで、先程、約230名の方が勤務されているとのことでしたが、内部の組織はどのようになっているのでしょうか。

局長:
 はい、東北防衛局は、本局と三沢防衛事務所、郡山防衛事務所の2つの事務所から成り、本局は、総務部、企画部、調達部と3つの部のほか、防衛補佐官、会計監査官が置かれております。
 総務部は、人事管理・会計業務等の内部管理事務のほか、当局が発注する工事に係る入札や契約事務を担当しております。
 企画部は、防音対策のための補助金などの防衛施設周辺対策事業のほか、防衛施設の取得・管理、漁業などの損失補償、米軍関係の事故等による損害の賠償、地方公共団体及び地域住民の理解と協力を得るための業務等を担当しております。
 調達部は、自衛隊及び在日米軍の活動の基盤となる防衛施設の建設や改修の実施のための業務を担当しています。  
 また、三沢防衛事務所では、東北防衛局が行う業務について、青森県内における連絡調整、調査及び資料の収集整理、在日米軍従業員の雇用主としての労務管理を行っており、郡山防衛事務所では、自衛隊が使用する装備品等の調達に関する業務等を行っております。

パーソナリティー:
 大きく分けて、地方公共団体や地域住民の方々に対する業務と、自衛隊・在日米軍に対する業務があるのですね。

局長:
 はい、そうですね。
 自衛隊及び在日米軍の演習場における射撃訓練や、飛行場における航空機の離着陸などで防衛施設周辺地域に騒音等の影響を及ぼす場合があります。そこで、当局では、防衛施設と周辺地域との調和を図るため、地方公共団体等が行う事業に対して補助金等の助成などを行っていますが、これは地方公共団体や地域住民に向けた業務と言えます。
 それに対して、自衛隊及び在日米軍が演習場、飛行場や港湾などに使用するための土地や建物など買入れや借り上げ、またそのようにして取得した土地・建物・工作物などの財産の管理でありますとか、自衛隊及び在日米軍の活動の基盤となる、飛行場、港湾施設、庁舎及び訓練施設などの防衛施設の建設、改修などの業務は、自衛隊・在日米軍に向けた業務と言えると思います。

パーソナリティー:
 先程、お伺いした「地方協力確保事務」も地方公共団体や地域住民に対する業務ですよね。

局長:
 はい、そうです。具体的には、毎年発表される防衛白書の関係自治体等への説明ですとか、防衛セミナーの開催、自衛隊のイベント等での広報活動や、更には、在日米軍と地域住民の方々との相互理解が進むように実施している日米交流事業などを通じて、地方公共団体や地域住民の方々の御理解や御協力をえるための業務を行っております。
 また、米軍戦闘機の訓練移転や、演習場において実施される陸上自衛隊と在日米軍との共同訓練への業務支援も行っております。
 例えば、昨年の2月から3月にかけて宮城県の王城寺原演習場で実施された「フォレストライト02」では、訓練に先立ち、宮城県等の関係自治体に対して訓練内容の説明を行い、また、共同訓練期間中においては、現地に連絡本部を設置し、職員を派遣して、訓練の情報を関係自治体に提供したり、米海兵隊の輸送機MV-22オスプレイが飛んできた時には騒音を測定するなど、周辺地域の方々の不安の解消に努めました。

パーソナリティー:
 東北防衛局について、もっと知りたい場合は、どのようにしたらよいでしょうか。

局長:
 はい、当局のホームページもありますし、「東北のかなめ」という広報誌も作成しておりますので、ご覧いただければと思います。
 また、防衛セミナーや自衛隊のイベント等での広報活動も積極的に行っておりますので、お近くで開催された際には、ぜひ、立ち寄っていただければと思います。
 現在、我が国を取り巻く安全保障環境は極めて速いスピードで厳しさと不確実性を増しております。そのような中で、自衛隊や在日米軍が役割をしっかりと果たしていくためには、基地や演習場などの防衛施設の安定的な使用が不可欠でありまして、そのためには皆様方のご理解とご協力が何よりも重要です。
  東北防衛局は、東北地方における防衛行政全般の拠点として、全職員が一丸となって、自衛隊や在日米軍と地域を繋ぐ架け橋として、これからも精力的に取り組んでいきたいと思います。
 引き続き、東北防衛局をよろしくお願いいたします。

パーソナリティー:
 本日は、東北防衛局について、東北防衛局の伊藤茂樹局長から、お話を伺いました。伊藤局長ありがとうございました。

局長:
 こちらこそ、ありがとうございました。





TOPページへ