自 衛 隊 百 科
月放送内容)


テ-マ:陸上自衛隊と防衛局について



パーソナリティー:

 本日は東北防衛局で、総合調整官として勤務されている髙橋徳夫1尉からお話をお伺いいたします。髙橋さん、よろしくお願いします。

総合調整官:
 はじめまして。髙橋です。よろしくお願いします。

パーソナリティー:
 東北防衛局へはいつからお勤めなのですか。

総合調整官:
 はい。平成29年の8月から東北防衛局で、総合調整官として勤務しています。

パーソナリティー:
 昨年の5月にも同じく陸上自衛隊と防衛局というテーマで佐々木1尉からお話をお聞きしましたが、同じ総合調整官でもやられているお仕事は違うのでしょうか。

総合調整官:
 東北防衛局には、総合調整官として、陸上自衛官2名、海上自衛官及び航空自衛官がそれぞれ1名勤務しています。佐々木1尉は企画部での業務を行っていますが、それ以外の3名は、調達部で業務を行っています。調達部は、防衛施設の建設を担当する部署です。  私は陸上自衛官なので、東北6県に所在する陸上自衛隊の駐屯地や演習場などの施設の建設工事について、部隊側からの要望内容のとりまとめや、部隊側への連絡・確認などの調整業務を行っています。東北防衛局で勤務する前は東北方面総監部施設課建設班というところで、東北6県の建設工事をとりまとめるところで勤務しており、今後の駐屯地等の建設工事について計画・要望をする業務を行っておりました。その時に計画・要望した工事が、予算化され東北防衛局で工事を行っておりますので、業務のつながりを感慨深く思い業務しております。その半面あの時にこういう要望にしていたらもっと良かったと感じることもあり、日々勉強をしているところです。

パーソナリティー:
 陸上自衛隊も色々な職種があると思いますが、髙橋1尉の職種は何ですか。

総合調整官:
 施設科になります。

パーソナリティー:
 施設科という職種は土木工事や建設工事もやるということを聞いた記憶があるのですが、自衛隊の工事と防衛局の工事は違うのでしょうか。

総合調整官:
 大きく分けると規模で区分することができます。自衛隊は、作戦地域での行動が基本ですので、比較的軽易にかつ短期間で構築し、また場所が変われば撤収して再構築するため、比較的規模が小さい工事をします。防衛局での工事は駐屯地の庁舎等規模が大きく恒久的な建物を建設します。

パーソナリティー:
 自衛隊では具体的にどのような工事をするのでしょうか。

総合調整官:
 施設科の中には、色々な部隊があり、災害派遣等のニュースで見る機会もあると思いますが、ショベルカーや、ブルドーザーなど主に土木工事ができる部隊や、橋を造る部隊、建築工事に関する各種資格・技能等を保有し、鉄筋コンクリート造や、プレハブの建物等を造る部隊等があります。少し特殊なケースではありますが、トンネルを掘る部隊もあります。

パーソナリティー:
 災害派遣や、国際貢献活動等を見ても、土木工事や、橋を作るのは見ますがトンネルを掘る部隊もあるのですね。

総合調整官:
 私もトンネルを掘る部隊で勤務したことがありますが、一般的には山間部等に道路等を造るためにトンネルを掘りますが、自衛隊がトンネルを掘る目的は、車両等を隠すことにありますので、大型車両が1台通れるくらいのあまり大きくないトンネルを掘ることができます。

パーソナリティー:
 トンネルを掘る機械は自衛隊特有のものなのでしょうか。

総合調整官:
 民間の小型の掘削機材と同じようなものを使用しており、規模は小さいですが、トンネルを掘るため、地盤を調査して、入口を造り、掘り進めるという作業は共通していると思います。

パーソナリティー:
 自衛隊の施設科で実施する工事はよく分かりました。では続いて東北防衛局ではどのような工事をされているのですか。

総合調整官:
 東日本大震災後、破損等した建物の復旧もほぼ終わりまして、大規模な建築工事は一段落している状況です。現在は、老朽建物の耐震対策の工事が多いです。

パーソナリティー:
 はい、それはどのような工事でしょうか。

総合調整官:
 自衛隊創立当初に建てた建物の多くは50年以上たち、老朽化が進んでいます。予算的な制約もあり建替えも全てできないので、補修等を行い延命処置を行います。耐震対策も色々な要領がありますが、一般的なのは、学校等で見たこともあると思いますが、壁にバツ印の補強材を付けて、地震での倒壊をしないようにするためのものです。この要領だと建物の中にいながら改修ができるので効率的に実施することができます。

パーソナリティー:
 はい、ニュース等でも建物の老朽化対策が良く取り上げられていますが、やはり自衛隊も同じなのですね。 では、最後になりますが、髙橋1尉は東北防衛局で勤務されていますがどのようなご感想をお持ちですか。

総合調整官:
 私は施設科隊員として、長年施設整備を実施してきました。その経験を活かして、自衛隊と東北防衛局の橋渡しをして、より質の高い施設整備ができるよう尽力していきたいと考えています。また、今日の話を聞いて東北防衛局や、自衛隊に興味を持っていただければうれしいです。

パーソナリティー:
 はい、本日は東北防衛局の総合調整官として勤務されている髙橋1尉からお話を伺いました。髙橋さん、どうもありがとうございました。

総合調整官:
 こちらこそどうもありがとうございました。


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