パーソナリティー:
本日も東北防衛局の伊藤茂樹局長からお話をお伺いします。伊藤局長、よろしくお願いします。
局長:
はい。よろしくお願いします。
今回は、在日米軍基地で働いている日本人従業員についてお話をしたいと思います。
パーソナリティー:
東北防衛局の管内には何箇所の在日米軍基地があるのですか。
局長:
東北防衛局の管内の在日米軍基地は全て青森県に集中しておりまして、代表的なものは三沢市と東北町に所在する三沢基地で、その他に三沢市と六ヶ所村に所在する三沢対地射爆撃場、八戸市に所在する八戸貯油施設、つがる市に所在する車力通信所の4箇所あります。その中で従業員が勤務している施設は、三沢対地射爆撃場を除く3箇所です。
パーソナリティー:
東北地方の在日米軍基地が全て青森県にあるのですね。
ところで、従業員の方々は、どのようなお仕事をされているのでしょうか。
局長:
在日米軍基地で働いている日本人従業員の業務内容は、三沢基地を例にあげますと、基地司令官の通訳等を行う事務的な仕事、施設内の整備や水道等のライフラインの維持を行う技術的な仕事、施設内の警備や消防といった保安業務、基地内の病院において医療や看護に従事する業務、基地内の人々が利用する売店やレストラン等での販売関係等の業務であり、その従業員のほとんどは日本国政府が雇用しております。
パーソナリティー:
在日米軍基地で働いている方は全て米国政府が雇用しているものと思っておりました。
日本国政府が雇用しているということは、従業員の方々は国家公務員なのですか。
局長:
わかりづらいかもしれませんが従業員の雇用主は日本国政府ですが、実際の使用者は米軍です。
従いまして従業員は米軍の仕事をするわけですから、国家公務員でありません。
パーソナリティー:
変わった雇用体系ですね。
局長:
このような雇用体系を私たちは間接雇用方式と呼んでおります。
使用者である米軍は、採用や配置転換などの人事措置、従業員の指揮監督等を行い、雇用主である日本国政府は、従業員の募集、雇用契約の締結、給与の計算及び支払、基地従業員で作る労働組合との交渉や福利厚生の実施を行っております。
パーソナリティー:
はい、それでは勤務条件はどのようになっているのでしょうか。
局長:
勤務時間ですが、大部分の従業員は週40時間勤務で週休2日制となっており、国家公務員と同じような体系となっております。
次に給与については、国家公務員の給与体系をベースとしており、公務員でいうところの夏と冬のボーナス、青森県内で勤務している方々は寒冷地手当も支給されます。
ただし、日本の公務員と違う点がいくつかあります。
パーソナリティー:
どのあたりが違うのでしょうか。
局長:
実は、祝日についてはほとんどがアメリカの祝日となっております。
パーソナリティー:
日本の祝祭日はお休みではないのですか。
局長:
はい、日本の祝祭日の日でも米軍基地は稼働しております。
例えば、ゴールデンウィークの期間は、日本の公務員の多くが休んでおりますが、米軍はその期間も働いていることから、従業員の方々も勤務しております。
他に珍しい休みとしては、従業員の誕生日が祝日となります。
パーソナリティー:
従業員の家族の方が休んでいる間も従業員の方は働いているのですね。ただ、自分の誕生日が休日なのはうれしいですね。
局長:
また、国家公務員ですと全国各地に転勤する可能性がありますが、従業員の方々は、本人が希望しない限り転勤を伴う異動はほとんどありません。
更に従業員として勤務しながら、内部の募集で異なる職種に応募し、異動することもできます。
パーソナリティー:
はい、わかりました。その他には何かございますか。
局長:
国から従業員に対する表彰制度があります。長い間勤務した人に対して、その労をねぎらい、労働意欲及び作業能率の向上を図ることを目的として毎年、永年勤続表彰を行っております。
今年も10月26日に三沢基地で行われました。
パーソナリティー:
何名くらいの方が表彰を受けたのですか。
局長:
表彰の対象者は10年、20年、30年、40年に達した方々合わせて158名の方が表彰を受けました。
パーソナリティー:
そうなのですね。ところで青森県内には、日本国政府が雇用している従業員は、どれくらい働いていらっしゃるのですか。
局長:
青森県内の在日米軍基地で働いている従業員は約1,400名です。
パーソナリティー:
大企業並みの人数ですね。
1,400名もの従業員の方々の労務管理を行うということは大変なことだと思いますが、どのように行っていらっしゃるのですか。
局長:
そうですね。東北防衛局の職員数が約230名ですから、それに比べると約6倍もの人数の労務管理を行うことになります。これらの従業員の方々の労務管理業務は三沢市にある三沢防衛事務所が中心となって行っておりますが、一部の業務は防衛省が所管する独立行政法人駐留軍等労働者労務管理機構、英語の頭文字をとって、アルファベットでL・M・O、通称「エルモ」と呼んでおりますが、そのエルモの三沢支部が実施しております。
パーソナリティー:
はい、では基地で働きたい場合はどのようにしたらよろしいのですか。
局長:
米軍から従業員の募集依頼があるとエルモがホームページに求人情報を掲載すると同時にハローワークにも求人の掲載を依頼します。
希望する職種の求人がありましたら、エルモかハローワークに応募していただきます。
パーソナリティー:
一般の求人と同じなんですね。これは誰でも応募できるのですか。
局長:
原則として18歳以上の方であれば誰でも応募ができますが、職種によって専門知識・技能・英語の能力が求められます。
パーソナリティー:
はい、筆記試験とかもあるのですか。
局長:
必要な資格や免許をエルモで確認し、米軍での選考・面接が行われ、面接による口頭試験のほか筆記・技能試験が行われる場合もあります。
パーソナリティー:
やはり英語力が高い方がよろしいんですよね。
局長:
職種により要求される英語能力が異なりますが英語が堪能であれば応募できる職種は広がります。
パーソナリティー:
そうなんですね。
局長:
最後になりますが、我が国には日米安全保障条約に基づき全国各地に在日米軍基地が所在しており、この在日米軍が安定的に任務を遂行するためには、従業員の方々の存在が不可欠であります。
このようなことから是非、日本国と米国の架け橋となるために在日米軍基地での勤務を希望し、応募していただきたいと思います。
パーソナリティー:
本日は、東北防衛局の伊藤局長から、お話をお伺いいたしました。どうも、ありがとうございました。
局長:
はい、こちらこそ、どうもありがとうございました。
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