自 衛 隊 百 科
11月放送内容)


テ-マ:防衛補佐官と防衛局について



パーソナリティー:
 本日は東北防衛局防衛補佐官の津島克巳1佐からお話を伺います。よろしくお願いします。

防衛補佐官:
 はい。よろしくお願いします。

パーソナリティー:
 こちらに来る前は、お仕事は何をされていらっしゃったんでしょうか?

防衛補佐官:
 前職は、陸上自衛隊補給統制本部の総務課長でした。
補給統制本部は、陸上自衛隊の兵站(へいたん)中枢と言われるところで、全国に5カ所ある補給処を束ねる組織になります。総務課長なのでいろいろなことをやっていましたが、当時は女性の働き方改革に力を入れて仕事をしていました。
 また、駐屯地には、海・空自衛隊の補給本部も所在し、駐屯地全般の統制は陸で行っていたので、結構大変だったことを思い出します。

パーソナリティー:
 ご苦労されていらっしゃったんですね。ちなみに、東北での勤務は何度目ですか?

防衛補佐官:
 東北での勤務は今回が初めてになります。これまで、北は北海道から南は熊本までいろいろな地域で勤務してきましたが、残念ながらこれまで東北での勤務はありませんでした。


パーソナリティー:
 そうなんですね、ありがとうございます。これまでのご経歴を簡単に教えていただけますか?

防衛補佐官:
 はい。私の職種、分かりやすく言うと専門ですが、機甲科になります。機甲科には偵察と戦車の2つの職域があります。主要な指揮官ポストとして、戦車中隊長、偵察隊長、戦車大隊長を経験しました。戦車も、61式戦車、74式戦車、90式戦車と3世代の戦車を乗りこなしてきました。
 その他、研究員、学校教官や人事・情報・総務関係の仕事をしてきました。

パーソナリティー:
 いろいろなことをご経験されていらっしゃるんですね。

防衛補佐官:
 はい。この経験が、今の仕事にも活かされていると思います。

パーソナリティー:
 いろいろとご経験されてお仕事をする上ではプラスになってくると思いますが、お引っ越しが多くて大変ではないですか?

防衛補佐官:
 大変な面もありますが、異動する先々で新たな人との出会いがあるのでそれを毎回楽しみにしています。

パーソナリティー:
 そうなんですね。防衛局に勤務されてどのくらいになるのですか?

防衛補佐官:
 まもなく1年4ヶ月が経とうとしてます。

パーソナリティー:
 1年近くご勤務されているので、いろいろなお話が伺えそうですね。それでは、本題に入りますが、防衛局における防衛補佐官の役割について教えてください。

防衛補佐官:
 はい。まず防衛局ですが、地方における防衛行政全般の拠点としての役割を担っています。その中で防衛補佐官は、事務官や技官が主体の防衛局において、自衛官としての専門的知見を活かして防衛局の業務に加わったり、部隊運用の見地から助言を行ったりすることが、役割として期待されているものと認識しています。
 また、自衛官という立場から自衛隊の部隊と防衛局との橋渡し役ということも当然期待されています。

パーソナリティー:
 具体的にはどのような業務を行っているのですか?

防衛補佐官:
 東北防衛局の近傍に東北6県を管轄する陸上自衛隊の東北方面総監部があるのですが、そこで定期的に開催される会議に参加したり、個別に自衛官同士で業務調整を行うなど、平素から部隊との連携を図って情報収集や情報共有に努めています。
 地震発生時などの緊急時には、自衛隊の部隊からの情報収集や連絡調整を行ったり、防衛局の対応に関し部隊運用の観点から助言を行ったりしています。
 また、防衛局として大規模な災害対処訓練などを行う場合は、訓練に対する助言や訓練実施の支援など、主に危機管理面での業務を行っています。

パーソナリティー:
 部隊との連携や危機管理業務以外では、どのようなことを行っていますか?

防衛補佐官:
 防衛局の実施する業務の中に「地方協力確保事務」というのがあります。防衛省の事務を円滑・効果的に実施できるよう、地域の理解と協力を得るために行う業務になります。その業務において、自衛官という立場から支援を行っています。例えば、このラジオ放送への出演もそうですし、局長が防衛白書説明に行かれる場合に随行し、サポートを行うなどです。
 その他、本局に所属する私以外の4名の陸・海・空自衛官の人事管理に関する助言、部内系のホームページを活用した局職員に対する自衛隊に関する知識の普及など行っています。

パーソナリティー:
 防衛局の勤務を通じて、これまで何か思い出に残っていることはありますか?
 
防衛補佐官:
 いろいろとありますが、昨年12月に5年ぶりに東北方面隊で実施された日米共同方面隊指揮所演習に、東北防衛局の一員として参加したことが一番の思い出です。
 本演習は、陸上自衛隊においても一大イベントで、陸上自衛隊の方面総監部などと米陸軍・米海兵隊の司令部などが、相互の調整要領、各司令部内の指揮幕僚活動などについてシミュレーションを用いて訓練する演習です。
 
パーソナリティー:
 初めてご参加されたのでしょうか?

防衛補佐官:
 同様の演習には、過去に連続して3回参加しています。その際は、いずれも陸上自衛隊の組織の一員として参加していたので、防衛局の一員として参加するのは初めてでした。


パーソナリティー:
 そうなんですね。今回は、どのような成果がありましたか?

防衛補佐官:
 この演習は有事を想定した演習で、防衛局としてもこのような状況下で訓練を実施することはなかなかないので、何をすべきかを考え検証する上でいい機会になったと思います。
 私自身も、防衛局としての業務内容、手続き要領などを学ぶことができましたし、自衛官である私としては防衛局の一員として如何に貢献すべきかを考えるいい機会になりました。         
 また、1週間程度防衛局のいろいろな部署の人たちと同じ場所で一緒に勤務できたので、より連携を深めることができました。

パーソナリティー:
 はい、お話を伺うだけで、貴重な経験をされたのが窺えます。
 
防衛補佐官:
 はい。これらの経験がまた次の勤務でも活かされると思います。
また、これからも、東北防衛局が地方における防衛行政全般の拠点として地域の皆様方からご理解とご協力をいただけるよう防衛補佐官の立場からしっかり支えていきたいと思います。

パーソナリティー:
 はい、ありがとうございます。本日は、東北防衛局防衛補佐官の津島克巳1佐から、お話をお伺いいたしました。どうもありがとうございました。

防衛補佐官:
 はい、こちらこそ、どうもありがとうございました。







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