自 衛 隊 百 科
10月放送内容)


テ-マ:多賀城駐屯地について



パーソナリティー:

 本日、今月も最終週は東北防衛局長にお話を伺います。東北防衛局の伊藤茂樹局長です。本日もどうぞよろしくお願いします。

局長:
 よろしくお願いします。

パーソナリティー:
 本日は、防衛施設紹介シリーズその8ということで、宮城県多賀城市に所在する陸上自衛隊多賀城駐屯地についてお話を伺いたいと思います。

局長:
 はい、陸上自衛隊多賀城駐屯地は、昭和29年に創設され、部隊の改編や移駐を経て、現在に至っています。主力となる部隊として、第22普通科連隊が所在していますが、この第22普通科連隊は、第6師団の隷下部隊であります。第6師団の司令部は、山形県東根市の神町駐屯地にあります。
 多賀城駐屯地は、東京ドーム約15個分の約72万平方メートルの敷地がありまして、約1,300名の隊員が勤務しています。
 北東には日本有数の漁港である塩釜港や日本三景の一つとされる松島湾、西には遠く蔵王連峰を臨み、北西には古の多賀城政庁跡・日本三古碑である「多賀城碑」と風光明媚な環境の中、「みちのくの守り」として所在しています。
 主な部隊は、先程申し上げた第22普通科連隊の他、第38普通科連隊、第119教育大隊、第381会計隊、駐屯地業務隊、東北補給処多賀城燃料支処などです。

パーソナリティー:
 普通科連隊や東北補給処など、一般の方にはなかなか聞き慣れない、耳なじみのない名称だと思いますが、どのような業務を行っているのですか。

局長:
 はい、第22普通科連隊は、宮城県の防衛・警備、災害派遣を担当しております。普通科連隊は多彩な火器や車両などの装備品を駆使して機動力を発揮し、作戦においては基幹部隊として重要な役割を果たす部隊です。第22普通科連隊長は、多賀駐屯地の司令も兼ねております。
 教育大隊は、新隊員の教育を行っているところで、第119教育大隊は東北で一番多くの新隊員を教育しているところです。
 会計隊は、東北方面隊直轄の会計担当の部隊で東北管内に分散して配置されております、それぞれの駐屯地の会計業務を任務としています。
 業務隊は、駐屯地の施設管理や隊員の給食、診療、福利厚生などの業務を行っています。
 東北補給処は、陸上自衛隊の補給処のひとつで、東北6県に所在する部隊等が必要とする武器、弾薬、車両等の調達、保管、補給または整備等の後方支援を担っており、東北補給処は仙台駐屯地を本拠とし、多賀城燃料支処のほか、宮城県の船岡駐屯地と反町分屯地が弾薬支処として所在しています。

パーソナリティー:
 自衛隊には、いろいろな装備があると思いますが、多賀城駐屯地には、どのような装備があるのでしょうか。

局長:
  まず、普通科連隊の主要装備品としましては、軽装甲機動車、高機動車、73式大型トラックなどの車両のほか、対戦車誘導弾、120ミリ迫撃砲、5.56ミリ機関銃などが主要な装備となっています。

パーソナリティー:
 ほかに多賀城駐屯地の特徴などはありますか。

局長: 
 特徴としましては、駐屯地には自衛隊の自動車訓練所があります。これは自衛隊における自動車教習所のことで、大型トラックなどを運転するため、自衛隊員に運転免許を取得させるために教習を行う施設です。
 余談となりますが、東北防衛局の職員につきましても、業務上車を運転する必要がありますので、運転免許を取得しているものの、運転に自信のない、いわゆるペーパードライバーの若手職員に対して、この多賀城自動車訓練所において、車の運転技能の訓練を実施しています。

パーソナリティー:
 東北防衛局の方が利用することもあるのですね。
 ところで、先ほどの任務紹介の中で、災害派遣というのが挙げられていましたが、東北地方の部隊ということで、東日本大震災でも活動されたのではないでしょうか。

局長:
 はい、東日本大震災においては、発災後直ちに災害派遣のための出動準備をしていたところ、津波が押し寄せて、駐屯地内が冠水する被害を受けました。しかしながら、いち早く災害派遣部隊として、ボートを使用した人命救助や捜索活動のほか、避難所への物資輸送、炊き出しや給水支援などの生活支援も継続して実施しておりました。

パーソナリティー:
 駐屯地自体が津波被害を受けながらも災害派遣活動をされていたんですね。
 また、駐屯地では、平素から地域の方々と交流する機会や協力していることがあればご紹介いただけないでしょうか。

局長: 
 はい、多賀城駐屯地の創立記念行事は例年4月に開催していましたが、より一層地域との連携を深めるために、今年から8月の多賀城市民夏まつりと同日開催として、駐屯地内のグラウンドを会場として開催しました。
 他にも、地域協力として、昨年11月に石巻市内で開催された「第71回宮城県駅伝競走大会」においては、先導車等の運行協力を行い、駅伝大会の安全そして円滑な競技の進行に寄与したところです。
 また、昨年12月に多賀城市内で開催された「東北方面音楽隊クリスマスコンサート」におきまして、隊員達は駐車場の誘導や会場内の受付や案内等を行って、コンサートに来られた方々が気持ちよく演奏を聴いていだだけるよう細やかな配慮に努めました。
 さらに、多賀城駐屯地では、自衛隊をより身近に感じてもらうための機会を多く設けて、一般の方々に向けて広く門戸を開いています。 
 例えば、駐屯地には資料館がありますが、この資料館の見学などの部隊見学や、総合的学習として中学生・高校生を対象とした職場体験、一般向けの隊内生活体験のほか、夏休みちびっ子ヤングキャンプなども実施しています。
 このように小学生から大人の方まで、それぞれ対象の異なる催しがあるので興味のある方は、多賀城駐屯地のホームページで確認してみてください。

パーソナリティー:
 自衛隊を身近に感じていただくために様々な機会が用意されているのですね。

局長:
 はい。ぜひ皆様も、多賀城駐屯地を一度訪れてみてはいかがでしょうか。

パーソナリティー:
 はい、次の創立記念行事、ぜひ足を運んでみたいと思います。さて、本日は東北防衛局の伊藤局長からお話をお伺いいたしました。どうも、ありがとうございました。

局長:
  ありがとうございました。






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