自 衛 隊 百 科
月放送内容)


テ-マ:大湊地方隊について


パーソナリティー:

 本日も東北防衛局長にお話を伺います。深澤局長、よろしくお願いします。

局長:
 はい。よろしくお願いします。

パーソナリティー:
 本日は、青森県むつ市に所在する海上自衛隊大湊地方隊についてお話を伺いたいと思います。

局長:
 はい、海上自衛隊大湊地方隊は、明治35年の帝国海軍大湊水雷団創設に端を発しています。二度の改編を経て、大戦まで大湊警備府として鎮守府に準じた機関として重要な役割を担っていたものの、終戦後廃止されました。
 その後、昭和28年に海上自衛隊の前身である海上保安庁海上警備隊に大湊地方隊が新編され、昭和29年に防衛庁及び陸海空自衛隊が創設されたことを機に、現在の海上自衛隊大湊地方隊が誕生したという経緯があります。
 終戦後に、大湊警備府以外の警備府は現在で言うところの中国、台湾、韓国にあったため、現在も海上自衛隊大湊地方総監部として継承されているのは大湊警備府のみという歴史的な特徴があります。

パーソナリティー:
 大湊地方総監部には長い歴史があるのですね。現在はどのような部隊があるのですか。

局長:
 はい、大湊地方総監部、大湊警備隊、大湊弾薬補給所、大湊造修補給所、大湊基地業務隊、大湊衛生隊、大湊音楽隊によって構成されています。

パーソナリティー:
 たくさんの部隊があるのですね。それらの部隊が担っている任務は、どういったものがあるのでしょうか。

局長:
  はい、周辺海域の防衛・警備、艦艇及び航空機に対する後方支援、災害派遣及び各種救難といった任務を担っています。警備区域としては津軽海峡、宗谷海峡を含む日本海側、太平洋側の青森県以北を管轄しています。

パーソナリティー:
 先程、部隊紹介の際に造修補給所というのが挙げられていましたが、なかなか聞き慣れない名前だと思いました。どのような業務を行っているのでしょうか。

局長:
 はい、造修補給所は艦船・武器・需品等に関する物品の保管、補給及び整備といった補給業務や、艦船・武器等の製造、改造維持及び修理の監督・検査並びに試験といった造修業務、その他研究改善に関する業務を行っています。
 造修補給所の中にはドックと呼ばれる艦船の修理などに用いられる設備があるのですが、大湊造修補給所では、旧海軍が建設した修理用ドッグを引き続き運用しており、海上自衛隊の基地で唯一、自衛隊艦船専用のドックを保有しているのが大きな特徴と言えます。

パーソナリティー:
 全国の数ある海上自衛隊の基地の中で唯一というのは、その希少さが際立ちますね。ところで、先ほどの任務紹介の中で、災害派遣というのが挙げられていましたが、東北地方の部隊ということで、東日本大震災でも活躍されたのではないでしょうか。

局長:
 はい、東日本大震災においては、艦艇による陸自車両及び物資の輸送支援、瓦礫の除去、大湊音楽隊による慰問演奏、大湊基地に所在する第73航空隊大湊分遣隊による人員の移送などを実施しました。

パーソナリティー:
 海、そして空から支援されていたということですね。音楽隊の名前が挙がりましたが、大湊地方隊には音楽隊もあるのですね。

局長:
 はい、大湊音楽隊は、青森県むつ市を中心に北海道全域と青森、秋田、岩手の東北3県を中心に幅広い演奏活動を行っています。
 駐屯地や基地の広報イベントのほか定期演奏会を行っているのでぜひ皆様、音楽隊の演奏を聴きに足を運んでみてはいかがでしょうか。

パーソナリティー:
 イベントといえば、大湊地方隊でも、基地を一般の方向けに開放するイベントはあるのでしょうか。

局長:
 はい、毎年行われているイベントとして「マリンフェスタin大湊」があります。内容としては、艦艇、航空機見学、湾内クルーズ等の各種イベントが行われています。今年は6月末に行われ、多くの方が訪れ大盛況だったようです。
 また、それ以外にも大湊基地では毎週末に艦艇見学を行っています。大湊地方隊のホームページに週ごとに見学できる艦艇の詳しい情報が載っていますので、興味のある方は、ぜひチェックしていただければと思います。
 さらに、週末に限らず平日も開かれているのが大湊基地内にある北洋館と呼ばれる資料展示室です。北洋館には、明治35年の帝国海軍大湊水雷団開庁から現在までの、約1000点もの貴重な資料が展示されています。
 貴重な資料はもとより、使用されている建物は、大正5年に海軍士官の社交場として建てられた、当時としては珍しい洋風の由緒ある建物であり、建物自体にも一見の価値があると思います。
 ぜひ、皆様、海上自衛隊大湊基地を訪れてみてはいかがでしょうか。

パーソナリティー:
 はい、本日は東北防衛局の深澤局長からお話をお伺いいたしました。どうも、ありがとうございました。

局長:
  はい、こちらこそ、どうもありがとうございました。






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