防衛省・東北防衛局がおくる日本の防衛Q&A
(7月放送内容)



 

テ−マ:郡山防衛事務所について

 
 



パーソナリティー:
 本日も東北防衛局長にお話を伺います。深澤局長、よろしくお願いします。

局長:
 はい。よろしくお願いします。
 今回は、福島県郡山市に所在する東北防衛局郡山防衛事務所についてお話をします。
 郡山防衛事務所は、東北6県にある工場などで製造されている自衛隊で使用する装備品について、納品前の製造・役務の監督や検査を行っています。防衛事務所の編成は、検査を行う班を主体に、総務などの下支えとなる部署からなっています。

パーソナリティー:
 郡山防衛事務所で、東北6県を管轄しているのですね。東北防衛局は仙台市に所在しますが、なぜ、郡山市に防衛事務所を置いているのですか。

局長:
 装備品を製造している工場は、南東北、特に福島県に比較的多く所在しています。この点で先ず、福島県の中央に位置する郡山市は適しています。
 また、東北全体から見てみますと、郡山市は東北地方の南のほうに位置していますが、東北・山形・秋田新幹線とともに東北自動車道や磐越自動車道へのアクセスが容易であり、交通網の近傍にある工場との利便性を考慮すると、郡山市に防衛事務所があることは大変有利と言えます。


パーソナリティー:
 利便性を十分に考慮した結果なのですね。ところで、どのような装備品について監督検査を行っているのですか。

局長:
 郡山防衛事務所では、航空機の整備や通信機器の部品などの装備品を扱っていますが、一番多いのは衣類関係となります。
 具体的には、制服、作業服や救命胴衣などになりますが、自衛隊の各種業務を実施する上で必要な機能を備えており、普段皆さんが着られているものと比べて相当な手間のかかる造りとなっているのが特徴です。
 特に、危険な状態に遭遇しても身の安全を守れることを重視しています。

パーソナリティー:
 衣類関係も、自衛隊の行動にあわせて、工夫して作られているのですね。
 ところで、監督や検査は何故、防衛事務所が直接行っているのですか。

局長:
 自衛隊の業務は、特異なものがありますから、防衛省の装備品のほとんどはオーダーメイドとなります。本当に機能するかどうか、隊員自ら監督検査することによって、要求に沿ったものが作られているかを判定しなければならないと言えます。

パーソナリティー:
 なるほど、そういうことなんですね。
 それでは、監督や検査について、もう少し具体的に教えて頂けませんか。


局長:
 監督では使用する布生地、ファスナー、ボタンなどが指定された材料、色、形状となっているかを先ず確認します。この監督が終了してから衣類として縫製製造に取りかかります。
 検査では完成した製品について、ポケットや襟などの形状・寸法が指定通りになっているか、図面と照らし合わせながら、実際に測定し確かめます。
 検査に合格すると、製品は企業から防衛省へ納入されます。
 監督や検査に際しては、JIS規格等を参考基準とすることで信頼性を保っています。
 例えば、衣類では布生地の織り方や材質には様々な種類がありますが、規格を準用することで、自衛隊のオーダーメイドであっても製造方法を一定にし何着でも同じ品質の製品を作ることが出来ます。

パーソナリティー:
 監督検査でJIS規格等を用いることでオーダーメイド品でありながら品質を保って量産しているということですね。
 ところで、最近のトピックスはありませんか。

局長:
 報道でも取り上げられましたが、今年の3月から陸上自衛隊の制服が新しくなりました。
 この制服のコンセプトは、やや難しい言葉ですが「強靭性」つまり「強い」ということですね。そして、「使命感」、「品格」となっています。このコンセプトを受けた大きな変更点は、制服の色となっています。これまでの制服は濃い緑色でしたが、「紫紺」になりました。「紫(し)紺(こん)」とは、「紫がかった紺色」のことで、選抜高校野球の優勝旗「紫紺の優勝旗」が、ネットで検索できる代表的な引用となっています。
 「紫紺」の色が選ばれた理由は、明治期以降からわが国で尊ばれており、日本としての独自性を考慮し、陸上自衛隊としての「重厚感」と「品格」を表現するのに相応しい色とのことです。

パーソナリティー:
 制服を新しくするのにも意味があるのですね。
 色以外にも新しくなったところはありますか。

局長:
 ズボンの脇にラインを施しているので、皆さんにとっても一番目を引くことでしょう。
 このラインは、ひざを曲げた時に、しわにならないように手間をかけて加工されているので、検査においても随分と時間や労力がかかり、検査官は苦心したようです。
 新しい制服は、これから10年程かけて全隊員に行き渡る予定です。現在は、新しく入隊した隊員を中心に配布しており、人材確保のための一助として役割を果たしています。

パーソナリティー:
 お話を伺い、実際に見てみたくなりました。どこで見ることが出来ますか。

局長:
 一般の皆さんが、直に目にすることができるのは、陸上自衛隊における各種のイベントにおいて、この制服を紹介する機会にご覧頂くのが一番身近であると思います。

パーソナリティー:
 ぜひ、イベントに伺わせていただきます。
 郡山防衛事務所のご紹介の中で、新しい制服のことまで知ることができたのは興味深かったです。
 今日は、どうもありがとうございました。

局長:
 はい、どうもありがとうございました。


 
 
  
 
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