防衛省・東北防衛局がおくる日本の防衛Q&A
(6月放送内容)



 

テ−マ:防衛施設の建設工事について

 
 

パーソナリティー:
 それでは本日も、東北防衛局長にお話を伺います。深澤局長、よろしくお願いします。

局長:
 はい。よろしくお願いします。
 今日は、防衛施設の建設工事について、お話したいと思います。

パーソナリティー:
 「防衛施設」ということですが、具体的にはどういったものでしょうか。

局長:
 はい。自衛隊や在日米軍がその能力を発揮するためには、航空機や艦船などの装備が重要となることはご理解いただけると思いますが、それらを受け入れるための「飛行場施設」や「港湾施設」なども、防衛力として欠くことのできない重要な基盤となっています。
 また、庁舎や格納庫、通信施設といった運用に関連する施設に加え、隊員が居住する隊舎や食堂、浴場、隊員が家族と住むための宿舎など生活関連の施設も自衛隊等が活動するには欠かせない施設です。このような施設をまとめて防衛施設と言っておりますが、東北6県の防衛施設の建設は、当局の重要な任務となっています。

パーソナリティー:
 陸・海・空の各自衛隊等の防衛施設だけでなく、在日米軍の防衛施設の建設工事についても、東北防衛局が担当しているのですか。

局長:
 はい。在日米軍についても、自衛隊と同じように運用に関連する施設や生活に関連する施設の建設を担当しており、米軍人の家族のための学校や、教会、スーパーマーケット、郵便局、ゴミ処理施設などの建設も担当しています。
 当局では、これらの自衛隊や在日米軍の防衛施設の建設業務は、主に調達部という部署が行っています。

パーソナリティー:
 実際に調達部の皆さんが工事をしているのですか。

局長:
 いいえ、職員が実際に工事をしている訳ではありません。
 実際に工事にあたるのは、民間の建設会社であり、調達部はその工事を発注するための調査や設計、工事費用の積算、工事の現場監督や工事完成時の検査など一連の業務を行っています。

パーソナリティー:
 専門的なお仕事なのですね。

局長:
 はい。戦闘機や護衛艦などの装備品を受け入れるための特殊な施設まで造る必要がありますので、それらを建設するためには幅広い知識と技能を有する職員が必要になります。
 そのため調達部は、建築、土木、電気、機械、通信と5つの技術分野のエキスパートで構成されており、彼らの身分は防衛技官と称しています。
 建築士、土木施工管理技士、電気工事士など、特殊な資格や技能を有する職員も多数在籍しています。

パーソナリティー:
 それは頼もしいですね。
 先程お話があった「隊員の生活関連施設」について伺いたいのですが。

局長:
 はい。皆さんも新聞やテレビのニュースなどで自衛隊の活躍をご存じかと思いますが、生活関連施設とは、過酷な任務を遂行する自衛隊員の生活環境を整えて、隊員の士気の高揚や活力を維持するために必要な施設で、最近では陸上自衛隊の霞目(かすみのめ)駐屯地に新しい隊舎、厚生センター、浴場などを建設しました。

パーソナリティー:
 霞目駐屯地は確か仙台市内にある駐屯地だと思いますが、東日本大震災の被害はなかったのですか。
 
局長:
 はい。建物の破損や道路の亀裂段差など駐屯地全体に被害が及びました。霞目駐屯地は、東日本大震災でヘリコプターによる津波の映像中継を行った部隊や物資輸送など長期に亘り震災支援に携わった部隊が所在する重要な駐屯地です。私たちは、そのような部隊の活動に影響を与えることのないよう、被災した施設の復旧工事も実施しました。

パーソナリティー:
 なるほど。ところで、自衛隊の「飛行場」や「港湾施設」を造るのは、一般の飛行場などを造るのと何が違うのですか。

局長:
 はい。防衛施設はその特性上から、国土交通省などが建設する一般の人が利用する施設とは異なる基準に基づいて整備することになります。例えば、港湾施設を建設する場合、一般の船舶と護衛艦や潜水艦などの自衛隊艦船では、大きさや重量、取り付ける装備品などの種類、航行のルートなどが異なりますので、それらに合った基準で建設することになります。

パーソナリティー:
 専門的な技術が求められるのですね。それでは最後に、最近、建設した「飛行場」や「港湾施設」を紹介していただけますか。

局長:
 はい。宮城県東松島市に所在する航空自衛隊松島基地においては、東日本大震災で基地全体に津波が襲来し、航空機をはじめ格納庫や通信施設など甚大な被害が生じたのですが、この松島基地を救難・救援のベースとして使用できるようにするため、当局職員は、不眠不休で知恵を出し、緊急修復工事により極めて短期間で復旧させました。また、松島基地を津波に強い基地に生まれ変わらせるため、ブルーインパルスの格納庫などを3.5メートル高台化するなど、基地の復興工事も行いました。
 青森県の航空自衛隊三沢基地では、次期戦闘機としてF35Aを今年度から逐次配備する予定ですが、その配備に伴い必要となる指揮所や教育訓練施設などを建設しました。
港湾施設については、青森県の海上自衛隊大湊地方総監部に、護衛艦や補給艦が接岸する桟橋や護岸を建設しました。


パーソナリティー:
 いろいろな施設を建設されていることがよくわかりました。
 本日は、東北防衛局の深澤局長から、お話をお伺いいたしました。
 貴重なお話、どうもありがとうございました。


局長:

 はい、こちらこそ、どうもありがとうございました。

 
   
  
 
このペ−ジのTOPに戻る
 
   


日本の防衛Q&ATOPページ