自衛隊インビテーション
(12月放送内容)



 

テ−マ:防衛施設紹介シリーズ その@
 〜松島基地編〜

 
 


パーソナリティー:
 本日も東北防衛局長にお話を伺います。深澤局長、よろしくお願いします。

局長:
 はい。よろしくお願いします。

パーソナリティー:
 本日は、宮城県東松島市に所在する航空自衛隊松島基地についてお話をお伺いしたいと思います。

局長:
 はい、航空自衛隊松島基地は、昭和17年に海軍航空基地として開設され、米軍の駐留を経て、昭和30年に航空自衛隊松島基地として発足しました。昭和33年には、第4航空団が新編され、その後、松島管制隊、松島気象隊、松島救難隊などが新設され、現在に至っています。
 基地の面積は、約363万u、宮城スタジアム約100個分であり、約2,700mの主滑走路と約1,500mの副滑走路を備えています。配備されている航空機は、戦闘機のF−2、中等練習機のT−4、救難ヘリコプターのUH−60J、捜索機のU−125Aです。

パーソナリティー:
 松島基地といえば、ブルーインパルスが有名ですね。

局長:
 はい、ブルーインパルスは、航空自衛隊の存在を多くの方に知ってもらうために、航空自衛隊の航空祭や国民的な大きな行事などで、華麗なアクロバット飛行、飛行展示と呼んでいますが、披露する専門チームで、正式名称は、第4航空団に所属する第11飛行隊といいます。現在は、T−4という機種で編成されており、平成27年には、T−4ブルーインパルスとして20周年をむかえました。

パーソナリティー:
 航空祭で、青と白にカラーリングされた機体が繰り広げるパフォーマンスは、驚きの連続ですよね。航空祭以外でも、私達がブルーインパルスを見る機会はありますか。

局長:
 はい、国民的な大きな行事などで見ることが出来ます。例えば、10月に岩手県で開催された国民体育大会の開会式で飛行しています。ブルーインパルスの飛行予定は、航空自衛隊のホームページで確認できます。また、松島基地周辺での飛行訓練予定は、松島基地のホームページに掲載されています。

パーソナリティー:
 松島基地は、東日本大震災で甚大な被害を被ったと思いますが。

局長:
 はい、松島基地は、津波が押し寄せ、甚大な被害を受けましたので、支援物資輸送の重要拠点として早急に機能を復旧させる必要がありました。
 そのため、当局の建築、土木、電気、機械、通信の技術者集団を直ちに現地に派遣し、まずは滑走路全面における舗装のひび割れや段差の有無など復旧に問題のある箇所の計測・記録を行い、更には、簡易的に舗装強度を確認するため、大型重機を載せたトレーラーを滑走路上で低速走行させ、たわみの有無の確認などをしつつ、補修工事を24時間体制で行いました。これらの迅速な対応の結果、発災から5日後には補修が完了し、松島基地を使用した自衛隊機による物資輸送を開始することができました。
 その後、被災地への支援物資輸送へのニーズは更に高まり、昼間だけでなく夜間の航空機離発着も必要となってきましたので、津波で損傷した航空灯火などの応急復旧作業にも当局の技術要員を派遣し、昼間の物資輸送に支障がでないよう夜間作業を行い、一週間で復旧させました。

パーソナリティー:
 震災時の自衛隊の部隊の活動を縁の下で支えていたのですね。
 復旧工事は、震災直後だけでなく、その後も引き続き行われたのですか。

局長:
 はい。
 まず、各施設への対応として、変電設備やエアコンの室外機の高所化を行ったり、建物の入り口に防潮ゲートを設置するなどの工事も実施しました。
 続いて、津波により、多くの航空機等が被災したことを踏まえ、松島基地と当局において復旧・復興のあり方について検討した結果、将来を見据え、主要施設の高台化や地元自治体と連携・一体化した防潮堤を造ることとしました。これは、施設の配置や高さを東松島市の防潮堤計画と連携・一体化させることにより、防潮堤の一部として周辺住民の安全も確保されることになり、松島基地は災害に強い基地に生まれ変わりました。

パーソナリティー:
 復旧工事は、ブルーインパルスに関係する工事もあったのですか。

局長:
 はい、あります。ブルーインパルスは、震災時は、福岡県に所在する芦屋基地に展開していたため、被災は免れましたが、格納庫は被災しました。このため、格納庫を高台化して復旧する工事が必要となりました。この工事に当たっては、建物を解体して建て替えるプランも検討しましたが、ブルーインパルスの早期復帰のため、コストの面だけではなく工事期間にも重点をおき、既設の格納庫を再利用する曳家工法としました。これは、既設の格納庫を変形させずにジャッキアップして水平移動させた上で、基礎部分を3.5m嵩上げし、その後で、以前の建物位置まで引き戻すというものです。これだけ大きな建物では非常に希な難しい工事でしたが、無事完成させ、平成25年3月にブルーインパルスは帰還しました。

パーソナリティー:
 ブルーインパルスが早期に戻ったことで、復興の励みにもなったことでしょうね。

局長:
 はい、様々な復旧工事や施設整備も順調に進み、今年の3月には、青森県に所在する三沢基地で訓練を続けていたF−2が帰還し、震災前の体制に戻りました。
 また、8月には、震災後休止していた航空祭も、「復興感謝イベント」として規模を縮小して行われ、松島基地が一般開放されました。

パーソナリティー:
 松島基地の復興は、基地周辺地域の方々にも大きな勇気をもたらすことでしょうね。

局長:
 はい、復興への寄与ということでは、当局も松島基地周辺に管理している国有地を宮城県に公園敷地の一部として使用許可しています。これは、震災により被害を受けた海浜緑地を再整備するもので、スポーツ施設や遊具、利用者の一次避難場所として高さ8mの「防災築山」等の整備が実施される予定です。

パーソナリティー:
 今から、オープンが楽しみですね。
 東北防衛局の深澤局長から、お話を伺いました。どうもありがとうございました。

局長:
 はい、こちらこそ、どうもありがとうございました。


 
   
  
 
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