自 衛 隊 百 科
自衛隊インビテーション
(4月放送内容)



テ-マ:衛セミナーについて


パ-ソナリティ-:
 
本日も東北防衛局長の齋藤雅一局長にお話を伺います。齋藤局長よろしくお願いします。今日は、「防衛セミナーについて」というお題なのですが。どのようなお話をしていただけるのでしょうか。
 

齋藤局長
  はい。今日は、2月24日に仙台市の仙台駅近くのアエルビルにあるTKPガーデンシティ仙台で開催された東北防衛局主催の防衛セミナーについてお話ししたいと思います。
  この防衛セミナーは、防衛政策や自衛隊の活動などについて多くの国民の皆様に対し、御理解していただくため、全国の八つの防衛局においてそれぞれ開催されているものであり、私ども東北防衛局においては、2007年に第1回目を開催して以降、今回で30回目の開催となり、仙台市ではこれが4回目となります。
 これまで、東北防衛局では、防衛省・自衛隊などの関係者を講師としてお招きし、我が国の防衛政策や、自衛隊による災害派遣活動や国際平和協力活動、海賊対処など、様々なテーマを取り上げ、東北各地においてセミナーを実施してきたところです。
 今回の防衛セミナーは、防衛事務次官などの防衛省の要職を歴任され、現在は、防衛大臣政策参与として、自衛隊の運用や防衛政策全般にわたり、防衛大臣に進言を行っておられる、西防衛大臣政策参与をお招きして、「我が国の安全保障環境への対応と沖縄における基地負担の軽減に向けて」をテーマにしてお話をされ、約150人の方々が聴講されました。
 
パーソナリティー:
  そうなんですね。沖縄に関係するお話といえば、普天間飛行場の移設問題が、たびたびマスコミでも取り上げられておりますが、どのような内容のお話をされたのでしょうか。
 
齋藤局長:
 はい。戦後の防衛政策の動き、我が国の周辺国であるロシア、中国、北朝鮮に関する軍事力や国の情勢等、多様な視点で解説を行い、一方、沖縄の基地負担軽減については、沖縄の歴史的背景や地理的特徴を説明しながら、我が国の周辺環境から沖縄に防衛施設を置く必要性を述べるとともに、沖縄の基地負担を軽減するため、防衛省としてどのような取り組みを行っているかについてお話をされました。
 
パーソナリティー:
 はい。話の内容をもう少し詳しく、お話ししていただけますか。
 
齋藤局長:
 はい。沖縄は、南西諸島のほぼ中央にあり、我が国のシーレーンにも近いなど、軍事的なプレゼンスを示すことは、沖縄を含めた我が国の安全保障上、大きな意義があります。
 また、我が国の国土面積の0.6%の沖縄県には、全国の米軍専用施設に使用されている306㎢の74%にあたる226㎢もの土地が使用され、沖縄県内にある31の米軍施設の中で、特に沖縄本島中南部の人口密集地には、普天間飛行場などの16の米軍専用施設が所在しています。
 沖縄の基地負担の軽減のため、グアムなどへの在沖米海兵隊の移転、空中給油機KC-130の岩国飛行場への移駐、MV-22オスプレイの沖縄県外における訓練等の促進のほか、航空機の訓練移転・実弾射撃訓練の分散実施など様々な施策を講じることで、沖縄の基地負担軽減に繋がり、抑止力の維持を図りつつ、米軍基地の整理・統合・縮小を進めています。
 また、普天間飛行場のある宜野湾市の中央部に位置し、住宅や学校などに密接している普天間飛行場の固定化は、絶対に避けなければならず、周辺地域における騒音や危険性を除去するため、1日も早い移設・土地の返還を実現することが必要ですし、返還跡地の利用により、宜野湾市を始めとする沖縄のまちづくりの更なる発展が期待されるなどとお話をされました。

 
パーソナリティー:
 はい。防衛事務次官を経験された方でないと話せないような内容の濃いお話だと感じられますね。ところで、東北防衛局が行っている沖縄の負担軽減については、どのようなことをされているのでしょうか。
 
齋藤局長:

 はい。度々、ラジオでも紹介させて頂いていますが、宮城県の王城寺原演習場における沖縄に駐留する海兵隊の実弾射撃訓練の受け入れですね。この訓練を本土へ移転することが平成8年に合意され、平成9年度から北海道、本州、九州にある自衛隊の5つの演習場で訓練を実施しています。
 また、訓練移転の中でも、戦闘機の場合は、これまで沖縄の嘉手納基地に移動し、沖縄の離島にある訓練場を使って実施していた海兵隊の岩国基地に所属するFA-18が、青森県三沢市にある三沢飛行場や、六ヶ所村にある三沢対地射爆撃場を使用しての訓練を実施していることは、沖縄における基地負担軽減に繋がっています。これらの訓練を実施する際には、東北防衛局の職員は、現地連絡所等を設置し、関係自治体や住民の方々の対応など、様々な支援を行っています。
 これからも、米軍基地が集中する沖縄を始め、基地周辺の負担を少しでも軽減するため、地方公共団体や地域住民の方々の理解と協力を得つつ、様々な取組みの円滑な実施に努めていくべきものと考えています。
 
パーソナリティー:
 そうですよね。そのような取り組みは沖縄の方々の基地負担軽減になっているものと思われますね。今回のセミナーに参加された方は、少しでも、沖縄の負担軽減に向けた取り組みなどが東北地方でも行われていることが理解できたのではないでしょうか。
 ところで、防衛セミナーを聴講された方々の反響はいかがでしたか。
 
齋藤局長:
 はい。「防衛というのは大事な部分だというふうに感じております。もう一つ併せて外交というものもあります。いずれにしても国民の生命・財産を守って行かなくちゃいけない。或いは、そういった政策を作らないといけないのが防衛だというふうに思っております。」との感想を述べられた方や、「ステルス機はとても重くなるのでコンパクトで能力の高いエンジンが必要とのお話がありましたが、世界をみてもアメリカ3社、ロシアでも1社しかないが、日本の技術はどの程度なのか」など、日本の技術的なことにも興味を示される方もおりました。
 その他に聴講された方々からのアンケートでは、「これからの日本の平和をどう守るかを深く考えさせられた」(10代女性)、「防衛の必要性と沖縄の抱える苦悩の妥協点を見つける難しさを知りました」(20代女性)、「日本を取り巻く安全保障環境が思ったより厳しく、放置ができない状況であることを知りました」(50代男性)などの感想が寄せられました。
 また、今後もこのようなセミナー開催を希望する意見が多数寄せられた一方で、大学、専門学校等の若い世代を対象に行っていただきたい」あるいは、「会場が狭い」など、セミナー運営に対する意見も頂きました。
 これらの意見につきましては、次回以降のセミナーへの反省点として、より良いセミナーの開催のために改善していきたいと思います。
 
パーソナリティー:
 これからもどのような防衛セミナーが開催されるのか、今から楽しみですね。
 また、開催情報があれば、教えてください。
 
齋藤局長:
 はい。開催計画が決定し次第、東北防衛局のホームページに掲載いたしますし、また、今回の防衛セミナーを含め、セミナー開催後には、東北防衛局のホームページにおいて会場の様子などを公表していますので、そちらも御覧いただければと思います。
 今回のセミナーでは、仙台市議会安孫子雅浩副議長が来賓を代表して挨拶を行いました。その他にも、数多くの方々の御来場を賜り、最後までお付き合い頂きました。この場をお借りして、改めて御礼申し上げたいと思います。
 
パーソナリティー:
 はい、有り難うございました。本日は、防衛セミナーについて東北防衛局の齋藤局長から、お話をお伺いいたしました。どうも、ありがとうございました。
 
齋藤局長:
 はい、こちらこそ、どうも有り難うございました。



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