防衛省・東北防衛局がおくる日本の防衛Q&A
(9月放送内容)



 

テ−マ:自己紹介

 

 

パ−ソナリティ−:

 
  本日は、7月25日に東北防衛局長に着任されました齋藤雅一局長からお話を伺いしたいと思います。齋藤局長、よろしくお願いします。  

齋藤局長:
 
  よろしくお願いします。
 


パーソナリティー:

 
 では、まず、齋藤局長のご経歴を伺いたいと思います。


齋藤局長:

 
  はい、私は、当時の防衛庁に昭和62年に入庁しましたので、今年で役人生活28年目になります。この間、防衛庁(省)の政策部門である内部部局の様々な部局に勤務しました他、旧自治省消防庁あるいは内閣官房にも出向しました。今回が初めての地方勤務になります。
  印象深い仕事といいますと、防衛省という役所はそれぞれの部署にいろんな懸案がありまして、実は勤務した部署でそれぞれに思い出があってどれを選んだら良いか悩むほどですが、強いていくつかご紹介をさせていただきますと、まずは、もうかれこれ10数年前になりますが、若手の班長の時に弾道ミサイル防衛システムを我が国に導入を検討する際の実務的な責任者を努めさせて頂きました。当時、陸・海・空の各幕僚監部、それから関係省庁と議論を重ねまして、さらには米国防総省との協議のため何度も何度もワシントンあるいはホノルルに通いました。今、北朝鮮のミサイルが我が国の大きな脅威になっておりますけれども、日本を弾道ミサイルの脅威から守る唯一のアセットとしてのミサイル防衛システムが果たしている重要な役割というものを考えた時、その基礎となる作業に参画できたことは大変貴重な経験でした。
 
また、次に思い出深いのが、前々職で国際協力課長を務めていましたときに、陸上自衛隊施設部隊の南スーダンへのPKOの派遣を担当しました。これも省内の関係部局と検討を重ねまして、政務3役のご指導を受けながら外務省や内閣府PKO事務局、そして国連PKO局と調整を重ね、さらに自分自身でも現地調査で南スーダンに赴き派遣決定にまでこぎ着けました。この出張では成田での出国や帰国の際に大勢のマスコミの皆さんにも囲まれまして、今から思えば大変良い思い出です。我が国の国際的な立ち位置というものを考えましたときに、やはり国際社会の平和と安定に目に見える形で貢献を行うということは大変重要でありまして、今日本が派遣しておりますPKOというものがこの南スーダン一つということでもありまして、このPKOがなければということで、やはりあのとき出しておいて良かったかなとつくづく感じております。
 最後に、3つめですが、前職が安全保障・危機管理担当の内閣官房副長官補付、ちょっと長いんですけれども、我々は通称「安危室」といっておりますけれども、そこの総括担当参事官を務めておりました。ちょうど局の総務課長のような役割でして、住まいは総理官邸から2キロ圏内の危機管理宿舎というところに入っておりまして、様々な危機に備える毎日でした。その間、北朝鮮の核実験あるいはミサイル発射、それからアルジェリアで不幸にも10人の邦人の方が亡くなるテロ事件など様々な危機管理事案がございましたし、それからちょうど民主党政権から自民党政権に移り変わる時期ということで、国家安全保障会議、「NSC」といわれておりますが、その新設ですとかそれから国家安全保障戦略・防衛大綱の策定、集団的自衛権の行使についての検討など安全保障に関わる重要な案件に携わることができまして、大変濃密な2年間でした。
 

パーソナリティー:
 
 そのような経験を経て、防衛局長に着任されたわけですね。ところで、災害派遣などを通じて、東北の人たちは自衛隊にはなじみがあるのですが、東北防衛局の仕事というのはあまりよく知られていないと思います。まず、防衛局とはどんなことをやっているのか、そのあたりからもお話しいただけますか。  


齋藤局長:

 
 そうですね。我々は自衛官の方のように制服を着用しているわけでもありませんし、それから自衛隊の災害派遣のように、地域の人たちの目に見える活動をしているということはそれほど多くありませんので、防衛局の仕事がイメージしにくいというのは、おっしゃるとおりだと思います。
 
まず、防衛行政の地方における拠点の役割を担う防衛局は全国で8つございます。東北防衛局は、そのうちの一つとして東北地方の6県を担当しております。実は、防衛局は誕生してまだ7年ほどで、前身は防衛施設局と言っておりました。東北防衛局の前身は仙台防衛施設局といっております。
 
防衛局の仕事の大半は今でもこの防衛施設関係の業務です。自衛隊そして米軍がその持てる能力というのを発揮するためには基地・港湾・飛行場、更には演習場と言った防衛施設の存在が不可欠でありますけれども、防衛局はこうした施設の取得・管理と言った業務を行っています。また、防衛施設などの周辺では様々な問題が発生しまして、たとえば、飛行場の近くでは航空機の離発着に伴う日常的な騒音ですとか、あるいは演習場でも訓練の時には騒音が発生したり、戦車が走ることで地面が荒れて土砂が演習場外に流れ出す可能性もあります。それから、これはあってはならないことですけれども、万一事故が起きたりしますと、地域の方々に大きな影響を及ぼす可能性があります。こういった問題の対策として、住宅の防音工事ですとか、自治体の行う道路工事や護岸工事、防災無線整備への補助などを防衛局が実施しております。
  
さらに、防衛局になってからは、このような防衛施設関係の業務に加えまして、地域における政策的な情報発信や装備品等の購入業務も実施するようになりました。組織の名称から「施設」というものを外しまして、地名も事務所の所在する場所から担当する地域に変更しまして、その地域で防衛問題を幅広く取り扱おうとしております。 私の前任である中村局長がお話ししたかと思いますが、東日本大震災において、東北防衛局は自衛隊や米軍とともに、様々な活動を行いました。これは、防衛施設局を防衛局に発展させた一つの成果だといるふうに考えております。
 


パーソナリティー:

 

 なるほど。そのような防衛局のトップに着任されたわけですが、また、ご出身も山形市とお伺いしておりますが、そういったことも含めて、どのような抱負をお持ちでしょうか。

 

齋藤局長:
 

 はい。まずは極めて重要な役割を担う防衛局、しかも出身である山形県を含みます東北防衛局の長を拝命したということは大変光栄でございまして、全力を挙げて職責を全うしたいというふうに考えております。沖縄の基地問題にみられますように、自衛隊や米軍の存在を防衛施設の所在する地域の方々に理解してもらうということは、防衛問題にとって非常に大きな要素であります。どんなに精強な部隊、最先端の装備を持とうとも、地域との関係で訓練が十分にできなかったり、いざという時の活動に支障が生じたりすれば、十分な能力の発揮は困難です。そういった意味で、防衛局の任務には重いものがあります。幸いにして、東北地方の方々の、自衛隊等に対する理解は大変深いものがあると考えていますけれども、だからといって、それに安住することなく、さらに地域の方々の理解を得るべく、様々な情報発信を含め、地域のニーズに応えたきめ細かな対応を行ってまいりたいと思います。
 
このため、私自身にはまだまだ経験不足な面もございますけれども、東北防衛局には優秀なスタッフが揃っておりますので、彼らの意見にもよく耳を傾けながら、組織を引っ張っていきたいというふうに考えております。

 

パーソナリティー:
 
  なるほど。ありがとうございます。
 本日は、7月25日に着任されました齋藤東北防衛局長に、ご自身のプロフィールのご紹介も含めてお話を伺いました。齋藤局長には、ご自身の経験も含めて、防衛問題について幅広くお話を伺っていきたいと思いますのでどうぞよろしくお願いします。
 

齋藤局長:
 
  こちらこそよろしくお願いします。  

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