自衛隊インビテ−ション
(11月放送内容)



テ−マ:自衛隊とはA 自衛隊のヒト



パ−ソナリティ−:

 局長には前回、自衛隊の組織についてお話ししていただきましたが、今日は、自衛隊のヒト・モノ・おカネのうち、ヒトについてお話を伺いたいと思います。よろしくお願いします。


中村局長:

 はい。今日もよろしくお願いします。では早速で恐縮ですけれども、自衛隊って、全体でどれ位の人がいるかご存じですか?


パ−ソナリティ−:

 はい。東日本大震災では、10万人が派遣されたと聞いていおりました。陸海空といらっしゃるので、その倍以上はいるのかなと思います。

中村局長:
 なかなかいい感だったと思います。実はこの質問、単純そうで意外と複雑なんですね、まず、押さえていて欲しいのは、自衛官は定員25万人弱ということです。定員と申し上げましたけれども、これは制度上決まっている人数で、実際に働いている人、これを実員といいますけれども、こちらは定員よりも約2万人少ない23万人弱と言うことになっています。国際的には、常備兵力といわれていて、各国の軍隊の比較を行う時には、通常、この数字が使われます。
 では、自衛隊ごとの内訳ですが、陸上自衛隊が、定員約
15万人に対して実員約14万人、海上自衛隊は、定員約4万5千人に対して実員約4万2千人、航空自衛隊は、定員約47千人に対して実員約43千人と、どこも定員に対して実員は一割弱程度少なくなってしまっているんです。定員と申しましと、これこれの組織を動かすために必要な人数ということですから、やはり、定員に較べて実員が少ないと言うことになってきますと、例えば、仕事内容を掛け持ちしなければいけないなど、部隊の運営にはいろいろとやりくりが必要になってきてるようです。
 ここでもう一つ質問したいと思います。常備兵力、自衛隊は23万人弱と申し上げましたけれども、これが世界で一番多い国はどこでしょうか。

パ−ソナリティ−:
 はい。日本も23万人と聞くと、とても多いと思いましたけれども、やはりアメリカがかなり多いのではないかなと思うのと、映像なんかでよく北朝鮮の軍事パレードこちらも沢山の人数がいるんだなと思っておりますが。

中村局長:
 はい。なかなかいい線だったと思います。アメリカは、152万人です。北朝鮮では120万人なんですけれども。実は、それを上回って中国が、229万人の軍隊を持っていると言われています。中国軍というのは自衛隊の10倍くらいと言うことになっているわけなんですけれども、中国の人口も日本の10倍くらいではあるわけですよね。一方、北朝鮮、先ほど120万と申し上げましたが、北朝鮮の人口というのは、日本の5分の1くらいなんです、それに対して軍隊は自衛隊の5倍と言うことですので、いかに北朝鮮が軍事中心なのかと言うことを示す一端かなと思っています。ちなみに、韓国の方なんですけれども、こちらの常備兵力は自衛隊よりもかなり多い66万人となっています。とは言っても北朝鮮の約半分という数字なんですけれども、特徴的なのは、韓国は予備兵力をなんと450万人を持っているんですね。こういったところに韓国としての備えを感じさせると思います。予備兵力という面でさらに申し上げますと、ロシアなんですけれども、なんと2千万人いると言うことになっています。
 それでは、自衛隊に戻って、次に階級の話をちょっとしたいと思います。前回、自衛隊の組織の時に、4つ星を着けているのは4人だけという話しをしましたけれども、階級上は、この4つ星と3つ星を合わせて「将」将軍の将ですけれども、このクラスが一番上になっています。その次が将補、さらに佐官、尉官が続いて、ここまでを幹部といっています。幹部は、全体の二割弱と言うことになっています。幹部に続くのが、准尉、さらに曹、最後に士と言うことになっています。当然、階級によって、仕事の内容ですとか部下の数、指揮する部隊の大きさが違っているのは当然ですよね。ところが、自衛隊では、階級というものが定年の年齢にも影響してくるのですね。会社や普通の役所ではだいたい60歳、最近ではこれを延長しようとする動きもあるようですけれども、ここで質問したいと思います。自衛隊で一番若い定年年齢と言うのは何歳でしょうか。

パ−ソナリティ−:
 はい。これは分かります。53歳ですね。知人に自衛隊の方がいらっしゃるので、聞いていました。


中村局長:

 はい。まさに正解53歳です。二曹、三曹と言うクラス、このクラスというのは、部隊の中核を担っているのですけれども、定年53歳と言うことになっています。やはり、自衛隊として精強性を維持するために、定年年齢を一般よりもかなり若くしなければならないという事情があるんですね。
 ところで、自衛隊で幹部は往々にして日本全国を異動して回ることが多いんですけれども、曹クラスと言うのは、地元の部隊に採用されて、その地域で自衛官生活を全うすることがほとんどです。東北方面隊も例外ではなくて、
9割くらいが東北地方の出身者で占められていると言うことになりますね。ここでもう1つ質問したいと思います。全国47都道府県の内、自衛官の出身地として一番多いのはどこでしょうか。残念ながら宮城県ではないので、4択にしたいと思います。
 北の守りは今でも重要だから、北海道でしょうか。
3自衛隊の3つ星将官が全て揃っている唯一の県、青森県でしょうか。人口が一番多い、東京都でしょうか。今や防衛の重点は西日本、その中の福岡県。このうちのどこでしょうか。


パ−ソナリティ−:

 人口の多いやはり東京でしょうか。

中村局長:
 残念ながらいま挙げた4つのなかで東京が一番少ないと言うことなんですね。それで多いのは圧倒的に北海道なんです。出身地と言うことではなく本籍が何処かという統計があるんですけれど、これによりますと北海道、これが圧倒的に多くて、それに続いて福岡、青森、熊本と言うことになってますけど、北海道はこれらの県の3倍程度になっているんですね。
 それでは時間も迫ってきたので、最後の質問、女性自衛官に関するものをしたいと思います。自衛官全体で、女性の占める割合はどのくらいか分かりますか


パ−ソナリティ−:

 はい。私は自衛隊インビティーションに長年携わっていて女性自衛官の方には毎回お会いしておりますけれども、観閲式などにまいりますと10人に1人いらっしゃるか、いらっしゃらないかくらいなので、10パーセントくらいでしょうか。

中村局長:
 はい。なかなかいい線だったんですが、もっと実は少なくてですね。ちょっと前の統計になりますけれども、実員が約12500人で、全体に占める割合でいきますと約5.5%と言うことになってます。ちなみに米軍は数年前の統計で10パーセント台半ばでしたので、これ比較してもかなり少ないということになっております。とは言っても自衛隊が発足当初、女性をおいていたのは看護の関係だけでしたので、その後、色々な職種に門戸を開いてきております。割合的には徐々に増えてきてはいるんですね。しかし、アメリカでは、女性の戦闘機パイロットもいる一方で、自衛隊ではパイロットは輸送機等に留まっていまし、世の中の趨勢として、女性をより一層活用しようという動きの中で、各自衛隊も、女性にどこまで門戸を拡げられるか、継続的に検討しているので、今後の展開に注目したいと思います。
 以上、雑ぱくでしたけど、今日は「自衛隊のヒト」についてお話をさせて頂きました。

パ−ソナリティ−:
 有り難うございました。ぜひ女性自衛官のご活躍を私も心から期待しております。局長にはまた、「自衛隊のモノ、おカネ」についても伺いたいと思います。今日は有り難うございました。

中村局長: 

有り難うございました。


 
 

 
 

 
 
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