防衛省・東北防衛局がおくる日本の防衛Q&A
(11月放送内容)



テ−マ:2+2合意について


パ−ソナリティ−:

防衛省東北防衛局が送る、日本の防衛Q&A。このコーナーでは、防衛省・自衛隊や日本の防衛について、詳しく分かりやすくお話いただきます。本日も東北防衛局の中村吉利局長にお話をいただきます。本日もよろしくお願いします。


中村局長:

はい。よろしくお願いします。


パ−ソナリティ−:

 先月の初めなんですが、報道でも大きく取り上げられていましたが、防衛に関して日米間で新たな合意が行われたようです。今日は、局長にこの点について伺いたいと思います。


中村局長:

北本さんおっしゃる通り、10月の3日にいわゆる2+2の合意文書が発表されています。この2+2というのは、正式な名称を日米安全保障協議委員会と言いまして、日本側は防衛大臣と外務大臣、アメリカ側は国務長官と国防長官がメンバーになっているんです。両国の防衛担当と外交担当の閣僚がメンバーになっているので、2+2というわけなんです。


パ−ソナリティ−:

防衛問題であれば防衛大臣と国防長官が合意をすればいいと思うんですが、どうして外交担当の大臣を含めて文章を作っているんでしょうか。


中村局長:

 防衛大臣と国防長官というのは、もっともっと頻繁に、直接、それが無理な場合には電話も含めて話し合っているんです。外務大臣と国務長官も同様なんです。一方、安全保障という面を考えてみた場合には、首脳レベルの問題というのも多くあるんですけれども、閣僚レベルでも防衛は防衛ですとか、外交は外交というのではなくて、両者が包括的な議論を行って合意を形成するということが非常に重要であるということから、4人の閣僚が会合をするということになっているんです。ちなみに申し上げますと、平成2年以前はアメリカ側は太平洋軍司令官と在京の大使がメンバーだったんですけれども、それ以降アメリカがいわば日本側のカウンターパートにメンバーを格上げするような形で、閣僚同士がメンバーになっているというわけなんです。平成2年というと、23年前になりますけれども、1990年、前の年にベルリンの壁が崩壊して東西ドイツが統一されておりますし、それまでの冷戦構造が非常に大きく変化をした年ということになっているんですけれども、まさにその年にアメリカが日本との安全保障関係の協議機関のメンバーをレベルアップさせたと、こういったあたりにもアメリカとして今日に続いていますけども安全保障のパートナーとしての日本を重視をするという姿勢を感じます。


パ−ソナリティ−:

それでは、今回の2+2なんですがどのような合意文書を作ったのでしょうか。


中村局長:

全体を見ますと4つに分かれていまして、それぞれ最初が概観、続いて二国間の安全保障および防衛協力、地域への関与、在日米軍再編ということになっています。最初の概観では、現在の安全保障環境を踏まえまして、今後の日米同盟というのはどうあるべきか。2+2としての閣僚の決意が示されているんです。ここで、日米が十分に備えなければならない脅威ですとか、国際社会への挑戦として北朝鮮の核ミサイル計画、さらには人道上の問題、さらには力によって海洋における安定を損ねる行為、宇宙およびサイバー空間に攪乱をもたらす行為、大量破壊兵器の拡散、人為的災害および自然災害といったようなものが挙げられているんです。次の二国間の安全保障および防衛協力では、弾道ミサイル防衛ですとか、サイバー空間における協力といったような、従来から取り組んできたことを更に発展させるという一方で、現在の安全保障環境ですとか、日米間の協力の進展などを踏まえて、日米防衛協力の指針、これはガイドラインと言っているんですけれども、これを見直すということも盛り込まれているんです。また、日米の共同訓練とか演習に関しまして、在沖縄の米軍の沖縄以外における訓練を増加させるため、様々な機会を活用するということも決定されています。続いての地域への関与という項目では、アジア太平洋地域におけるパートナー、これは東南アジア諸国などが該当するんだと思いますけれども、これら各国に対する日米からの安全保障上の能力向上の取り込みなど、日米とオーストラリア、韓国との3ヶ国協力ですとか、その他の国との多国間協力の重要性というものが示されています。在日米軍再編、最後の項目ですけれども、ここでは、沖縄、岩国、グアムにおける再編関連事業の伸展ですとか、これらを推進するための措置、閣僚としての決意といったようなものが示されています。また、日本国内に配置するアメリカ軍の能力の近代化のための新規の航空機の導入といったようなものも記されています。


パ−ソナリティ−:

ところで、これはラジオをお聴きの皆様も気になるところだと思うんですが、合意のなかに、東北地方に関係するものというのはあるんでしょうか。


中村局長:

今回の合意のなかで、東北地方に言及されたというものはありません。いずれにしても、東北地方に今後何らかの関係が生じるといったような場合には、われわれとして適切なタイミングで情報提供を行っていきたいと思います。


パ−ソナリティ−:

 ところで、先ほど、お話のなかに出てきたガイドラインとはどんなものですか。


中村局長:

 ガイドラインといいますのは、昭和53年、1978年になりますけれども、この年に策定をされて、その後、平成9年、1997年になりますけれども、ここの年に見直しが行われています。いわゆる、日米防衛協力の指針といわれるものの通称をガイドラインというように言っています。新しいほうのガイドライン、1997年に見直されたものですけれども、その策定された目的というのを見ますと、平素からですとか、日本に対する武力攻撃や周辺事態に際しての日米協力の基礎を構築すること、さらに、両国の役割・協力・調整のあり方の大枠ですとか、方向性を示すものというようにされているんです。それを受けた形で今回の見直しなんですけれども、やはり、1997年から16年は経っていますので、安全保障環境の変化もさることながら、日米間の協力が進展をしてきたといったことも踏まえて、最後の見直しが行われるということが決定されたんだと思います。最後に一言申し上げておきますと、10月の3日、今回の合意が行われた日なんですけれども、ご記憶の方もいらっしゃると思いますけれども、アメリカにおいては新年度の予算が成立をしていませんで、政府機関が閉鎖をされていたという時期なんです。そのときに、閣僚お2人、当然多くの事務方も同行して、日本で会合したということは、日本はもとより、アメリカもこの合意を非常に重要視をしているという表れだと思います。現に、ガイドラインの見直しに限らず、今後の安全保障、防衛問題についての重要な事項が含まれていますので、全文防衛省のホームページに掲載されておりますので、ご覧いただければというように思っております。

 パ−ソナリティ−:
 はい。ありがとうございます。本日は、ツープラスツー合意についてお話をお伺いしました。局長、ありがとうございました。 
 
 中村局長:
 はい。こちらこそ、どうも、ありがとうございました。ちょっと最後になりますけれども、東北防衛局からお知らせをしたいと思っています。私たち、東北防衛局は来る11月27日、青森県の八戸市で防衛問題セミナーを開催します。テーマは、『国連の平和維持活動』でして、国際平和協力本部の高橋事務局長と、南スーダンの部隊の隊長として八戸から派遣された持田2等陸佐をお招きしてお話を伺います。場所は、JR八戸駅前の通称『ユートリー』になります。細部については、東北防衛局のホームページをご覧いただければというように思っています。ちょっと、私事で恐縮なんですけれども、実は、今を去ること20年前、自衛隊が初めて  PKOに参加したカンボジアの部隊と一緒に、私、半年間現地で過ごした経験がありますので、20年が経っているんですけれども、今回のテーマは個人的にも興味深いというように感じています。いずれにしても、今回のセミナーも無料のイベントですので、お近くの方には奮ってご参加頂ければというように思っております。以上です。どうも、ありがとうございました。 
 
パ−ソナリティ−: 
  ありがとうございました。
 
 
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