自衛隊インビテ−ション
(4月放送内容)



テ−マ:防衛セミナーの報告



パ−ソナリティ−:

 自衛隊インビテーション。今日は、東北防衛局中村局長にお話を伺います。先日、3月8日と9日。大和町、色麻町、大衡村で防衛問題セミナーを開催いたしました。その模様は新聞やメディアでも報道されていましたが、ご存じのない方もいらっしゃると思います。今日は、このセミナーについてお話をお伺いします。ところで、内容に入る前に、そもそも防衛問題セミナーとは、どのようなものなのでしょうか。


中村局長:

 はい。防衛問題セミナーは、それぞれ地方防衛局が地域におきまして安全保障ですとか防衛問題についての理解を深めていただくために実施しているものなんです。私たちの担当する東北六県におきましては、2007年以降これまでに18回実施してきておりまして、宮城県では4回目となります。防衛省自衛隊の関係者ですとか、部外の専門家による講演が中心となりますけれども、前回岩手県盛岡市のセミナーでは自衛隊の音楽隊の演奏もお届けしました。実は、これまでは、盛岡市のように県庁所在地ですとか、地域の中核市で一回だけの実施だったんですけれども、今回は、大和町、色麻町、大衡村で2日間に計3回、同様のセミナーを実施しました。


パ−ソナリティ−:

 はい。この合計3回、以前は1回だけの実施ということだったんですが、今回は3回ということなので、この狙いはどこにあったのでしょうか。

中村局長:
 はい。この3町村には陸上自衛隊の王城寺原演習場があるんですけれども、ここでは自衛隊の射撃訓練に加えまして、沖縄の海兵隊が移転して射撃訓練を実施してます。最初の訓練は1997年で、それ以降だいたい5年間に4回のペースで実施して、セミナーの直前に10回目の訓練が終了しているんです。訓練の内容ですとか意義については、また回をあらためてご説明したいと思いますけれども、1回の訓練で実際の射撃が1週間程度行われまして、その前後に準備ですとか、提出のためにそれぞれ1週間、つまり都合3週間程度海兵隊が演習場内に駐留することになります。訓練に際しましては、いろいろな対策をやっているんですけれども、どうしても騒音ですとか振動が周辺に及んでしまいます。また、日頃接触していなくて、事件ですとか事故も報道されている海兵隊が近くに来るということを不安に感じる方もいらっしゃるようなんです。そんな中で、宮城県と周辺自治体の方は、この訓練の重要性を認識されまして、騒音等の影響はあるものの、やむを得ないものとして訓練を受け入れてもらっています。そこで、今回のセミナーでは、アメリカの安全保障政策に携わっている大使館の幹部の方から演習場周辺の町村において訓練の背景にある日米安保の重要性ですとか、さらには米軍の実施したトモダチ作戦について講演をしてもらいました。また、以前は比較的大きな会場で実施してきたんですけれども、今回はアメリカの政策担当者をより身近に感じてもらおうと小規模なところで3回の実施としました。

パ−ソナリティ−:
 はい。なるほど、講師はアメリカの大使館の幹部の方とのお話がありましたが、どのような方なのでしょうか。

中村局長:
 はい。デヴィッドアレンシュレーファーさんという大使館の安全保障政策課長の方なんです。東京の大使館に常駐していて、日本側の事情も熟知されていて、日米間で行われる重要な協議にも参加してます。そんなわけで、米側の視点で、政策的に日米安保を論じてもらうには最適な方と考えたわけです。

パ−ソナリティ−:
 では、講演の内容はどのようなものだったのでしょうか。


中村局長:

 はい。講演に先立ちまして、シュレーファーさんから先ほど申し上げた移転訓練を受け入れてくれたことを感謝する旨が述べられました。このあたり、アメリカとしてこの移転訓練をいかに重要と考えているか、また、それを受け入れてくれている自治体の配慮をアメリカとしても高く評価してくれていることの表れだと思います。講演のほうですけれども、まず、日米同盟の歴史と背景からお話が始まりました。このなかでは、多くの犠牲者を出す苛烈な戦争を行った日米両国が戦後半世紀以上にわたって緊密な同盟関係を築いて、今日では国民の8割以上がコンスタントに日米安保を支持しているのは素晴らしいことだというような発言がありました。在日米軍の駐留兵力と米軍再編の概要について説明ののち、なぜ、このような兵力の駐留と再編が必要であるのかについて、日米同盟が直面する国際環境ですとか、特に北朝鮮の問題と中国の台頭という観点からお話がありました。最後に、東日本大震災におけるトモダチ作戦について、米軍が具体的にどのような部隊をもって、どのようなオペレーションを実施したのかについて、仙台空港の復旧などを中心に説明されていました。さらに、トモダチ作戦の精神を引き継ぐものとして、トモダチイニシャティブについての紹介がありました。これは、大震災からの、東北地方の復興支援のために日米両国政府のみならず、民間企業ですとか個人なども参加して、日米関係の将来に深くかかわる若者世代を育成しようとするもので、ルース駐日大使が発案されて、自ら資金集めに走られることによって発足したものだそうです。3町村に対しては、案内のパンフレットが送付されるということなので、ここ宮城県から日米関係の将来を担う人材が輩出されるかもしれません。ご関心のある方は、トモダチイニシャティブで検索をすると、外務省ですとか大使館、各企業のホームページから情報を得ることができます。


パ−ソナリティ−:

 はい。本当に素晴らしい、このトモダチ作戦、まさにトモダチ作戦の精神が若者世代に受け継がれ、それによって、未来にわたって日米関係が支えられる基盤になるような構想ですね。若い人たちは積極的に活用してほしいですね。

中村局長:
 はい。


パ−ソナリティ−:

 ところで、セミナー全般について、聴講された方々の反響はいかがでしたでしょうか。

中村局長:
 はい。先ほど申し上げました通り、比較的小規模なところで実施したんですけれども、用意した椅子はほとんどすべて埋まっていました。3箇所合計で200人くらいの人に聴いていただきました。金曜の夕方と土曜日の午前午後という時間帯だったんですけれども、これだけの方に来ていただいて、あらためて感謝申し上げたいと思います。参加していただいた方を対象に実施したアンケートの結果を見ますと、日米関係や米軍が駐留する意味などについて勉強になったといったような肯定的な意見が多かった一方で、トモダチ作戦についてもっと聞きたかったといったような、時間が短いことに由来する意見もありました。どうしても、通訳を介するので、いたしかたない面もあるんですけれども、このあたりは次回へ向けての反省点です。

パ−ソナリティ−:
 はい。次回も、本当に期待しておりますが、次回ですが、どこで、どのようなセミナーを実施予定でしょうか。

中村局長:
 はい。実は、まだ決定いないんですけれども、平成25年度中に2回は実施したいと考えておりまして、決定次第、東北防衛局のホームページなどでお知らせをします。どこで実施しても、無料のイベントですので、奮ってご参加いただければと思います。なお、宮城県での実施とならない場合もあるんですけれども、今回過去のセミナーも含みまして、実施後にはホームページに内容を公表してますので、参加できない場合はそちらをご覧いただければと思います。

パ−ソナリティ−:
 はい。今日は本当にありがとうございました。

中村局長:
 はい。ありがとうございました。

パ−ソナリティ−:
 東北防衛局中村局長にお話をおうかがいしました。
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